算数宇宙の冒険―アリスメトリック! 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2009-11-19 |
和算の伝統のある町で、小学6年生のグループが数学上の超難問リーマン予想に挑みます。
最近放送されたNHKスペシャルでごらんになった方もいるかもしれませんが、意図せずしてタイミングがばっちり合ってしまった「リーマン予想本」(今月はリーマン予想150年記念月間)ともいえます。
筋立てをもう少し詳しくいいますと……
東京郊外の桃山町は、不思議の起こる町として知られていた。小学6年生の千葉空良[そら]と同級生の河邑ユーキ、紺野アランの3人組はワンダー3を結成。算術絵馬で知られる百山神社など、町の神秘をさぐることになった。それを機に起きる偶然の暗合??高等数学が得意な謎の転校生、担任の先生からもちかけられた算数宇宙杯への出場。空良たちはさらに、素数の正体、ゼータ関数の定義を経て、ファンタジックな世界、宇宙と神秘のミラクルワールドへといざなわれていく。作中では、150年もの間数学史上の難問とされている「リーマン予想」にも挑戦! SFファンタジーの枠を超えた算数小説。
以上、出版社のサイトより引用(なにしろ自分でまとめるのが苦手なもので……)。
大人向けの小説、単行本としては「エピデミック」以来のほぼ2年ぶり。
その間ノンフィクションやジュヴナイルは出しているとはいえ、もっとも大切にしている分野で自分のスローペースぶりが嫌になります。しかし、これからもしばらくスローペースになりそうな予感が(笑)。
なお、本書は横組みで数式もかなり出てきます。
数式はあるていど追いかけてくださった方が楽しくなるのは請け合いなのですが、分からなければ「数式を鑑賞する」というスタンスが作品内でも強く推奨されています。
さらに言いますと、書き手であるぼく自身も、すべての数学要素を理解し切れているわけではありません。
たとえば後半に出てくるいわゆる「明示公式」もそのために必要なメビウス関数も、イマイチよくわかっておらず、けれど、「数式を鑑賞する」ことにおいては特に支障はなく(鑑賞の深さはあきらかに浅くなってしまいますが)、執筆上の問題にはなりませんでした。たぶん読書上の問題にもならないことを願っております。
なお、このエントリを書いた時点で、アマゾンには在庫がないのですが、これはちょっとしたタイムラグ。すぐに入荷するはず。