民俗学者・岩竹美加子氏の論文「国家の装置としてのPTA」について紹介したエントリへのリンクをまとめておきます。
このエントリ群は「イントロ」にも述べたように、岩竹美加子氏が杉並区の小学校で、みずから会員として属しつつ行った「フィールドワーク」の報告部分。
それを受けての考察は、さらに紹介した部分より後に続いているわけです。
なぜ、ここを重点的に紹介したかったかというと、PTAが持っているにもかかわらず不可視になりがちな部分を、これほど適切な言葉で、実感と鳥瞰を行き来しつつ、うまく腑分けした文章をほかに知らないから。
あらためて、まとめて読んでくださるとその凄みが分かっていだけるかもしれません。
1.イントロ
2.入会のこと、従属的団体としてのPTA
3.地区班の活動、パトロールやリサイクルなど
4.ベルマークについて
5.役員と委員、役員選出など
6.連合組織について
7.あらためて論文要旨
ただ、これを読んでくれた人(編集者を含む)に言われたのですが、「今のPTAにはいろいろ新しい動きも出て来ているし、こういう批判ばかりはどうか」という意見もあるのです。
それについて一言。
たしかに、これらだけ取り出しちゃうと、ネガティヴ・スピーチぽく響くことはあるかもしれません。
特に、今、現役で頑張っている人たちの中には、みずからが血のにじむような労力で行っていることを頭ごなしに否定されているような感覚にとらわれる人は少なくないでしょう。
でもね、やはり、もしもPTAが本当に「先」に進むためには、不可視になっている部分を目にみえるようにして、それをどうすれば克服するか考えなければならないんですよ。
見えないまま、今の枠組みを維持して、マイナーチェンジするなら、結果的にPTAは変われません。
たとえば、一人一役運動だとか、ポイント制の導入だとか、小さな工夫として、一時的にPTAを活性化することはあるでしょう。
でも、これらは、PTAをさらにきつくします。
一部の保護者を救うかも知れないけれど、もっと多くのひとを追いつめてしまいかねないです。さらに、長期的にはまるでダメな方向に(キツキツの方向へ)会を導くだろうと、ぼくは確信しています。
和田中で話題になった、地域本部への編入だって、やりかたを間違えれば、ただでさえ学校の嫁だったものが、地域の嫁にもならざるをえず、保護者はさらにきつく縛られるってこともありそうです。
いったいこれまでPTAの何が問題だったのか。
そこのところをすっとばして、「変わる」なんてできないでしょう。
だからこそ、「がんばっている人」にはネガティヴ・スピーチに聞こえてしまうかもしれないこの論文を、ぼくは逆に非常に重要なものとして評価します。
目をそらしちゃまずいんです。
ついでに、現状認識について、違う軸から語っているぼくの本も読んでいただけると、ある方面ではバランスもとれます。
いずれにしても、岩竹氏の考察を、なんらかの形で、多くの人の目にふれるような形にしたなあと願っています。
興味ある編集者さん、ご連絡を。
このエントリ群は「イントロ」にも述べたように、岩竹美加子氏が杉並区の小学校で、みずから会員として属しつつ行った「フィールドワーク」の報告部分。
それを受けての考察は、さらに紹介した部分より後に続いているわけです。
なぜ、ここを重点的に紹介したかったかというと、PTAが持っているにもかかわらず不可視になりがちな部分を、これほど適切な言葉で、実感と鳥瞰を行き来しつつ、うまく腑分けした文章をほかに知らないから。
あらためて、まとめて読んでくださるとその凄みが分かっていだけるかもしれません。
1.イントロ
2.入会のこと、従属的団体としてのPTA
3.地区班の活動、パトロールやリサイクルなど
4.ベルマークについて
5.役員と委員、役員選出など
6.連合組織について
7.あらためて論文要旨
ただ、これを読んでくれた人(編集者を含む)に言われたのですが、「今のPTAにはいろいろ新しい動きも出て来ているし、こういう批判ばかりはどうか」という意見もあるのです。
それについて一言。
たしかに、これらだけ取り出しちゃうと、ネガティヴ・スピーチぽく響くことはあるかもしれません。
特に、今、現役で頑張っている人たちの中には、みずからが血のにじむような労力で行っていることを頭ごなしに否定されているような感覚にとらわれる人は少なくないでしょう。
でもね、やはり、もしもPTAが本当に「先」に進むためには、不可視になっている部分を目にみえるようにして、それをどうすれば克服するか考えなければならないんですよ。
見えないまま、今の枠組みを維持して、マイナーチェンジするなら、結果的にPTAは変われません。
たとえば、一人一役運動だとか、ポイント制の導入だとか、小さな工夫として、一時的にPTAを活性化することはあるでしょう。
でも、これらは、PTAをさらにきつくします。
一部の保護者を救うかも知れないけれど、もっと多くのひとを追いつめてしまいかねないです。さらに、長期的にはまるでダメな方向に(キツキツの方向へ)会を導くだろうと、ぼくは確信しています。
和田中で話題になった、地域本部への編入だって、やりかたを間違えれば、ただでさえ学校の嫁だったものが、地域の嫁にもならざるをえず、保護者はさらにきつく縛られるってこともありそうです。
いったいこれまでPTAの何が問題だったのか。
そこのところをすっとばして、「変わる」なんてできないでしょう。
だからこそ、「がんばっている人」にはネガティヴ・スピーチに聞こえてしまうかもしれないこの論文を、ぼくは逆に非常に重要なものとして評価します。
目をそらしちゃまずいんです。
ついでに、現状認識について、違う軸から語っているぼくの本も読んでいただけると、ある方面ではバランスもとれます。
PTA再活用論―悩ましき現実を超えて (中公新書ラクレ) 価格:¥ 819(税込) 発売日:2008-10 |
いずれにしても、岩竹氏の考察を、なんらかの形で、多くの人の目にふれるような形にしたなあと願っています。
興味ある編集者さん、ご連絡を。