川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

中澤港君とPTAについて語り、堺三保さんともPTAについて語ってしまう(SFのことも織り交ぜつつ)

2006-05-28 20:18:32 | 日々のわざ
おしゃべり週間であった。
金曜日は群馬大の中澤君、土曜日は評論家・脚本家・翻訳家の堺さん。
中澤君とは五年ぶりくらいにあった。The S.O.U.P を書こうとしていた時に、うまいぐあいに(?)FTPのセキュリティホールをつかれてクラッカーに侵入されたというふうな事件が、当時東大にいた彼のところであって、そのログを見せてもらいがてら雑談しにいったのが最後。

その五年の間におたがい大きくライフステージが変わって、話題の中心はなんとPTA!
中澤君は、昨年度、小学校のPTA会長を務めたのだった。
ほんと、我々も遠くへきたものだと思う。

話していてわかったのは、PTAというのは実に地域性がある。
もちろん、共通の構造を持っており、良いところも問題点も似通った部分が多いのだが、やはり「配合比率」が違うし、運営の仕方でもかなり違う。

中澤君のところでは、毎年、副会長が男性と女性が一人ずつで、男性は翌年の会長になる不文律なのだそうだ。一方、女性の副会長は実質的に一人でPTAを仕切ることになり(副会長も会長もたいがいは勤め人)、男性の副会長は会議を仕切るくらいで実質、「会長養成期間」みたいなかんじになるとのこと。こういった、男女の役割分担は、会則に書いているわけではないのだけれど、簡単には帰られない「しきたり」になっているのだそうな。実際にそれでうまく回っているということでもあるのだろうけれど。

一方、ぼくのところは、副会長が五人いる。
五人いても忙しそうだ。一人って大変だろうなあ、と言ったら、中澤君は「へぇ、数を増やす手もあったか」と、なんとなくびっくりした雰囲気。
ぼくの方は、副会長一人が実質運営というのにびっくりしていたのだけれど。

たぶん、同じ地域のPTAは、お互いに真似し合うだろうから、きっとかなり似ているのではないだろうか。
だから、時々うんと離れた人たちと話をすると、「こんなんありなんですか」というような新しい発見があったりして、新鮮かもしれない。

ひとしきり話し終わって手を振った後で、今書いている(って延々と書いているのだが)疫学小説の中で、統計ソフトの"R"を使わせようと思っているのだけれど、中澤君はこのRのエヴァンジェリストみたいなことをやっている。草稿を読んでもらって、もっとRを機動的に有効活用するアイデアを出してもらい、Rの普及に一役買いつつ、いろいろな局面で彼の知恵も拝借できないか……と都合のいいことを考えた。

一方、堺さん。
堺さんと会うたびに、年齢は変わらないのに、属するコミュニティの違いに新鮮な感覚を抱く。頭をじゃぶじゃぶ洗濯して、今まで知らなかったモノの構造をすーっと理解できるようになったりもする。

SFファンの人たちのコミュニティから、ぼくはとっくの昔に脱落してしまっていて(東大SF研に登録だけして、あとは一度も顔を出さなかった)、そのあたりから、我々は違う道を歩み始めた模様。

お互いの共通分野の話をすることが多くなるのだが、堺さん世代のSFな人たちも、なんとなく新しいライフステージに入りつつあるらしい。
仲間内での最近の話題は、「マンションの管理組合の悩みと、PTAの悩み」だそうな。
おもしろい。みんな、同じ時代を生きている。

その他、SFファンダムの構造だとか、わりとディープ目の話題を明るく語る。おしゃべりんな堺さんは、どんどん喋る。
知らなかったことだらけ。おいら、世間知らず、を実感する。

そうそう、彼と話していて、ぼくがSF読みとしては、雑食であることをはじめて気付いた。
「ハードSF」と言われるものは一般論として好きだ。かといって、ニューウェイヴかかったやつも好きだったし、ファンタジーなSFも読んできた。
具体例をあげれば、「竜の卵」を読んだ後で「バーンの竜騎士」を違和感なく、竜つながりで読みつなげるようなやつ。
SFのプロパーな読者をリタイアして久しいので、そういうことにも気付いていなかった。

それにしても、リングワールドの最終話(?)が出たのだなあ。
読みたいような、読みたくないような……。


「銀河のワールドカップ」一ヵ月

2006-05-28 05:55:50 | 自分の書いたもの
気付いたらもう一ヵ月たっていました。
今のところ書評などは低調。読売の夕刊に軽く出たくらい。
にもかかわらず、重版がかかったので、きっとどこか売れるところでは売れている、ということなのでしょう。


今までにない不思議なかんじです。
「いつもと違う人」が読んでくれているのかも。

コメント欄に、現時点で見つけられたネットでのレビューをはりつけておきます。
わりと好意的なレビューが多いです。
サッカーを知らない人でも、ある種の臨場感をもって楽しめる、というふうに言ってもらうと、それは狙いの一つなので大変うれしかったりします。

その一方で、サッカー大好きな人たちにとっても、なにがしかの発見がある、というふうなものであればよいと願っているのですが、ちゃんと楽しめるみたいですよ。

ちょうど同時に出た2ちゃんねる小説の「俺が近所の公園でリフティングしていたら」が「龍時」の後継だとしたら、こっちはやはり「キャプテン翼」なのかな、ってかんじがします。
マンガではなく、文章だからこそ表現しえるものがあって、それがこの作品のキモ、なのです。