メンバーになるためには当然資格やルールがありますが、神道にはそういうものが何もない。入り口にある鳥居は、門のように閉めることができませんから、誰であっても、たとえ違う宗教の人でも受け入れるのです。
——神主を「天職」だとおっしゃっていますが、どうして神道を選ばれたのですか?
神社には無駄なものなど一つもありません。全てに必要性があって、物語があって、歴史があるのです。理にかなっている、奥の深い、素晴らしい世界だと思います。
ただし、外国人の神主はほとんどいないので、みなさんがどう思われるだろうか心配もしました。しかし、「外国人が神主になれないというのは、日本らしくない」とおっしゃってくれる先輩方が後押ししてくれました。
——自分を無くし相手に「合わせる」のは、「自己主張できない日本人」というような解釈ですね。
この「合わせる」という解釈は、日本の良いところをだんだん薄くし、無くしてしまう危険性があるのではないでしょうか。仏教を受け入れた時も、決して全て仏教に合わせたわけではありません。アレンジして日本に合うようにしたわけです。
受け入れて、アレンジする。まさに神社がそうです。必ずしも、古い形をそのまま残さなければならないわけではなく、新しいものを受け入れ、少しでも良いものを作っていこうとしている。「昔から変わらない」と言いながらも、実は時代と共に大きく変わっているのです。では、いったい何が変わらないのか。それは「思い」だけなのです。
やっぱ神道だな。