ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

農夫の味方

2013年03月22日 | 通信-環境・自然

 2012年8月31日のガジ丸通信『農夫の敵はいくつも』では、作物を育てる上で、及び農夫が畑から金を得る上で障害となるものをいくつか紹介した。以下、抜粋。

 長雨はまた、日照不足となり、植物が十分に育たないという結果を招く。逆に雨が降らないのも困る。旱魃は植物を枯らす。雨も太陽も畑の作物に必要なものであるが、長雨や旱魃は農夫の敵となる。むろん、強風で作物をなぎ倒す台風も敵である。
 農夫の敵と言えば病害虫も強敵だ。殺虫剤を使わないつもりの私にとってはたぶん、彼らに勝利することは難しい。何とか「この辺りでご勘弁を」と、ある程度の被害は覚悟しなければなるまい。ある程度で済めば有難いと思うくらいである。
 その他にも実は、農夫の敵が存在する。それは最近、友人の脱サラ農夫Tから聞いて知った。「パパイヤが収穫直前にごっそり盗まれた」そうだ。野菜泥棒がいるのだ。

 早く言えば、長雨、日照不足、旱魃、台風、病害虫、野菜泥棒となる。去年の最強猛烈台風襲来の際はまだ作物をそう植えてはいなかったので被害も少なく、今のところ長雨、日照不足、旱魃、野菜泥棒には会っていない。病害虫は、アズキが(たぶん)カタツムリに食害され、全体の3割くらいが実を着ける前に枯れたが、それ以外には無い。
 畑の草刈りをしていると、草陰などにカタツムリを多く見る。アフリカマイマイというでっかいカタツムリも多くいた。アフリカマイマイは、見つけると拾って畑の外に投げ捨てている。これまでにもう100匹以上はそうしている。そのお陰か、最近はアフリカマイマイをあまり見ない。寒い間は冬眠でもしているか、地中に隠れているのかもしれない。最近は週に1、2匹も見るかどうかである。
  普通の小さなカタツムリは見つけても畑の外へ投げ捨てていない。放っている。それらをいちいち拾って投げ捨てていたら、それだけで一日が終わってしまう。それほど、普通の小さなカタツムリは多くいた。しかしこれも、寒い間は冬眠でもしているか、地中に隠れているのかもしれない。最近は、いることはいるが、ずっと減っている。
          

 実は、最近気付いたのだが、カタツムリを食べてくれる農夫の味方がいる。鳥。初めは冬鳥の、今(3月)はだいぶ数が減ったが、12月から2月にかけて頻繁に顔を見せていたシロハラがカタツムリを食っているのに気付いた。その後、暖かい内はバッタ、主にタイワンツチイナゴばかり食っていたなっぴばるの番鳥でもあるイソヒヨドリが、冬場はバッタがいないせいかもしれないがカタツムリを食っているのを知った。
  もう一つ、これはこの先さらに現場で、また、文献をいろいろ調べて確認しなければならないが、「もしかしたら、これは農夫の味方になるのではないか」というものに気付いた。それは雑草。「雑草を発酵させて堆肥にする」、「雑草でマルチングして土壌の乾燥を防ぐ」などということは聞いたり読んだりして知っている。それらとは別。
 「雑草が土を軟らかくするかも」ということを、去年、宜野湾の畑で気付き、300坪の畑なっぴばるでその確認を先月からやっている。雑草を引き抜きながらその根の周りの土を調べると、雑草のどれもがその作用があるわけでは無いが、根が細かく、横に広がる雑草の根の周りの土は概ね軟らかい。それらは土を耕す、農夫の味方かもしれない。
          

 記:2013.3.29 島乃ガジ丸

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行