ガジ丸が想う沖縄

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ウカライリチー

2017年05月26日 | 飲食:食べ物(料理)

 安い健康食品

 5月9日は火曜日、美味しい豆腐屋の池田屋が行商に来る日、その4週間前から行商のお兄さんに、「おからある?」と訊いて、「すみません、売り切れています」という返事を貰っていた。おからは人気があるか、あるいは、近所におから大好きな人がいるのであろう。そんな会話が3回続いた5月2日、「来週は1つ取っておきます」とお兄さんが言い、そしてその来週となった5月9日、ついに池田屋のおからを手に入れた。
 せっかく手に入れた新鮮なおからではあったが、翌日は大家さんからの差し入れがあり肴は一杯、木曜日は休肝日、金曜日はおからのことを忘れていて、火曜日に購入したおからを料理したのは4日後の土曜日となった。でも、大丈夫。おからは痛んでいない。

 おから料理を、私は1種類しか知らない。それはウカライリチー。ウカラはおからの沖縄語読み、イリチーは料理法の1種で「炒め煮」といったようなもの。居酒屋のメニューにあるおからも、スーパーの総菜のおからも概ねイリチーである。
 おから料理を作ってみようと思ったのは、池田屋が行商に来る環境にあるから。今でもたまには、スーパーの惣菜のウカライリチーを買って食べているが、池田屋豆腐がおからも販売していることを知って、「池田屋の豆腐のおからなら、きっと美味いに違いない」と思い、池田屋のおからでウカライリチーを自作してみようと思ったわけ。
 ウカライリチーに初挑戦しながら、私はふと、子供の頃(たぶん小学生)のテレビ番組を思い出した。時代劇の『花山大吉』。主人公の花山大吉は酒が好きで、その肴にはおからを大好物としていた。私は『花山大吉』が大好きで番組は欠かさず観ていた。それで、子供ではあったが、日本酒は美味そう、あからは美味そうと思った。

 母のウカライリチーは記憶に無い。想像するに、花山大吉が食べるおからは美味そうではあったが、子供の私にその美味さは理解できなかったのかもしれない。私がおからをよく食べるようになったのは日本酒を飲むようになってからだ。花山大吉が仰る通り、おからは日本酒に合う。大学の5年間は東京に住んでいたが、その頃はよく食べた。
 そういえば、東京ではおからのことを卯の花なんて呼んでいたことを思い出した。卯の花っていうと「うーのはなーの匂う垣根に ほーととぎーす早やも来鳴きて・・・」と歌が出てくるが、広辞苑を引くと、その通り「ウツギの花」とあり、また、「豆腐のしぼりかす」ともあった。「豆腐のしぼりかす」とはつまり、おからのことだ。
 おからを広辞苑で引くと「→豆腐殻」とあり、豆腐殻を引くと「豆腐製造の際、豆汁を漉して搾ったかす。食用のほか餌料・肥料などに用いる」とのこと。
 
 さて、ウカライリチー作りの私の初挑戦、我が人生を振り返ってみればウカライリチーだけでなく、おからを使った料理を私はかつて経験したことが無い。ただ、スーパーで売られている惣菜のウカライリチーを思い描き、「千切りのニンジン、ヒジキ、千切りの蒲鉾などが入っていたなぁ」と思い出し、ニンジンの代わりのピーマンを千切りにし、ヒジキの缶詰を用意し、豚バラ肉を千切りにし、フライパンで作る。
 購入したおからは両手一杯ほどの量。5月13日に作ったウカライリチーはその量全部を使い、それにピーマン、ヒジキ、豚肉が加わってフライパンいっぱいの量になってしまった。頑張って一遍にたくさん食っても3食分くらいはある。実際には、そう頑張らずに5回に分けて食って、5月16日には完食。自画自賛ながら美味しかった。
     
     

 記:2017.5.22 ガジ丸 →沖縄の飲食目次