ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

マガン

2014年02月07日 | 動物:鳥

 真面目な顔

 「家の買い手は私が紹介するよ、手数料は半分でいいよ」
 「家財道具の片付けは私が安くやってあげるよ」
 「畑の近くに家を探しているんだって、私が探してあげるよ」
などと仰ってくれた本業測量屋、副業に墓造りその他いろいろのFさん、実家近所の畳屋Iさんの紹介で知り合ってから1年近くになる。買い手の紹介もしてくれ、片付けも手伝ってくれ、畑近くの住まいについても今、ぼちぼちやってくれている。
 あれこれやって金を稼いでいるFさんは世間の裏の事情にも通じているらしい。「怪しい奴」と思われるかもしれないが、私はまあまあ信用している。彼の家は安い借家で、女房とは別居していて、子供たちは独立しており、60歳過ぎて一人暮らしだ。そんな人を私はまあまあ信用している。その根拠は、・・・人相である。
 Fさんはとても柔和な顔をしている。それだけが、私がFさんをまあまあ信用している根拠となっている。体つきは小太りで、これも愛嬌があって、全体に柔らかい。

 家土地の売却で「私に任せてください」と言ってきた不動産屋はこの1年で7社に及んだ。私が頼んだわけでは無く、噂を嗅ぎつけてやってきた人達だ。その中で3社の社長さんとはそれぞれ数度会った。1人は私より若い人、1人は私より少し上、残る1人は私より1周り上の人であった。3人とも真面目そうではあったが、特に、年上の2人を私はあまり信用していなかった。その根拠は、・・・やはり人相である。
  2人とも私との交渉時は真面目な顔で語っていた。その顔が「何か怪しい」と私に思わせた。それとは対照的に、上述のFさんはたいていニコニコしている。Fさんも娘の話をしている時などは真顔であったが、その真顔もどこか柔らかい感じがした。

 以上の話は、今回紹介する鳥のマガンとは何の関係も無い。マガンから真顔を連想したのでそうなった。マガンの顔が「真面目な顔」ということでも無い。
 ちなみに、真顔は「まがお」と読み、「まがん」とは普通言わない。「まがん」は私の洒落だ。真面目腐った(私みたいな)奴が女に振られた時の顔は「まがお」と発音するより「まがん」と言った方が似合っている。「挫けるな俺、泣くな俺、耐えろ俺」などと自身を叱咤し、口を真一文字に結んで上を向いて歩く。我慢の真顔(まがん)だ。

 
 マガン(真雁)
 カモ目カモ科の冬鳥、または迷鳥 方言名:不詳
 名前の由来、雁はガンと読むがカリとも読み、同じく鳥の雁を指す。カリと読む雁を広辞苑で引くと「鳴き声から出た擬声語」とある。『野鳥ガイド』には「ガン、ガンという鳴き声から」とあったが、『動物名の由来』には「カリカリと鳴く」からとある。同書にはまた、「帰りの中略でカリとなった」という説も載っていた。
 マガンのマ(真)については『野鳥ガイド』に「ガンを代表するので」とあった。
 鳴き声については『沖縄の野鳥』に「カハハン、カハハン」とある。「ガン、ガン」とか「カリ、カリ」に比べると柔らかい感じがする。温かいからだろうか?
 湖沼、干潟、水田、農耕地などに生息する。倭国でも沖縄でも冬鳥で、沖縄では稀に飛来し、10月から2月に見られる。全長72センチ。国指定天然記念物。

 記:2014.2.1 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『検索入門 野鳥の図鑑』中村登流著、株式会社保育社発行
 『野鳥ガイド』唐沢孝一著、株式会社新星出版社発行
 『沖縄 宮古の野鳥』砂川栄喜著、(有)ボーダーインク発行