ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

フトモモ

2013年09月20日 | 飲食:果物・菓子

 美女の左手

 「ふともも見せてください」とオジサンの私が言った時、スカートの裾をたくし上げる若い美女は滅多に(絶対とは言えない)いない。「ふともも見せてください」とオジサンの私が言った時、「ついておいで」と言う爺さん農夫はいる。爺さんについて行くと、ある木の前で立ち止まり、「これだよ」と言ってその木を指差す。
 今年(2013年)4月、近所の大先輩農夫N爺様の畑にあるフトモモの木を見せてもらった。フトモモはちょうど花の時期でいくつも花を咲かせていた。それから3ヶ月後の7月、N爺様がフトモモの実を持ってきてくれた。「食べてごらん」と。

 もう長いこと(20年以上くらい)行っていないが、若い頃は若い女の子(お姉さんの場合もある)が隣に寄り添って座ってくれる飲み屋さんに時々通っていた。若い女の子(お姉さんの場合もある)は「何か歌って」とカラオケを勧める。私が断ると、「じゃあ私が歌っていい?」と訊き、私が肯くとマイクを手に何か歌う。

  フトモモはウチナーグチ(沖縄口)でフートーと言い、私より一回り年上の従姉の亭主や、それよりまだ年上の叔父などに「フートーって食ったことある?」と訊くと、たいてい「昔はよく食べたなぁ、その辺に生えていたからなぁ」という返事が返ってくる。その辺に生えていたらしいフトモモだが、私が子供の頃にはもう少なかったと思われる。私はかつてフートーを食った経験が無い。私が子供の頃はバンシルーが多かった。
 N爺様が持ってきてくれたフートー、「もう熟しているからすぐに食べられるよ」とのことだったので、家に持って帰って、洗って、少し冷やして食べた。これが私のフートーを食べる初体験。まぁまぁ美味しかったのだが、果肉が少なくて不満足であった。

 若い女の子(お姉さんの場合もある)が隣に寄り添って座ってくれる飲み屋さんで、私の隣に寄り添っている若い女の子(お姉さんの場合もある)がマイクを右手に持ち、カラオケで歌っている。その時彼女の左手は私の太股の上に置かれる場合がしばしばある。そして、美女の左手はしばしば際どいところまで上がってきたりする。
 美女の左手に興奮した若い男(私)は「ならば」と、意を決して美女をデートに誘う。であるが、美女は笑顔でのらりくらり、返事はいつもはぐらかされてデートになったためしは無い。独りとぼとぼ帰る道、若い男(私)は大いに不満であった。
      
 フトモモ(蒲桃):果樹・公園・防潮風
 フトモモ科の常緑高木 原産分布は奄美以南、インド、マレー半島 方言名:フートー
 高さは10mほど。耐潮風性が強いので、防風防潮林として使える。果実は芳香があり生食できる。結実期は6月から7月。「果実は淡白で・・・経済果樹の対象にはなりえません」、「味が淡白で生食に適しているとはいえない」、「果実はビワに似ていて生食できる」などと文献によって違っていたが、私は経験では「爽やかな香りとほんのり甘さでまあまあ美味しいが、食べる部分が少ないので経済果樹とはならない」となる。

 記:2013.8.2 ガジ丸 →沖縄の飲食目次