ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

キスジホソヘリカメムシ

2014年10月31日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 二卵性?

 友人Fの息子は双子である。現在中学一年生、彼らが生まれた時から何度も会っているが、二人を区別できるようになったのは、やっと去年になってからだ。よく見れば顔の造りが違う。全体から受ける雰囲気も違う。たぶんもう、名前を間違えない。
 友人Kの娘は双子である。現在高校一年生、ここ数年会っていないので今どんな顔になっているか判らないが、生まれた時から小学生の頃まではたびたび会っていた。その時、私は2人を区別できなかった。会うたんびに「君はどっち?」と名前を訊いていた。2人の顔の造作に違いを感ぜず、全体から受ける雰囲気も似ていた。この2人はきっと一卵性双生児に違いない。前述の双子の男の子は二卵性双生児かもしれない。
 
 キスジホソヘリカメムシはホソヘリカメムシによく似ている。似ているけれど両者は何となく違う。素人の私でもすぐに「違うみたいだ」と気付くほどだ。今回別頁で紹介しているタイワンホソヘリカメムシもホソヘリカメムシとよく似ていて、この両者はすぐには違いが判らず、「何か違うかも」と何となく感じただけであった。
 友人の双子2組のように、タイワンホソヘリカメムシとホソヘリカメムシは一卵性で、キスジホソヘリカメムシとホソヘリカメムシは二卵性みたいな感じ。

 
 キスジホソヘリカメムシ(黄筋細縁亀虫):半翅目の昆虫
 ホソヘリカメムシ科 奄美以南の琉球列島に分布 方言名:フー
 名前の由来は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「頭胸部側面から腹部側縁にかけて連続する顕著な黄色帯がある」とあり、そこからキスジ、胴の横の部分に平たい縁(ヘリ)がついているのでヘリ。ホソは体が他のヘリカメムシに比べて細いからと思われる。カメムシは広辞苑にあり、「頭部の突き出た形がカメに似ていることから」。
 「体の色は黒褐色から赤褐色まで変異がある」、「雄は頭部と胸部の側面に黒く縁取りされた黄色の不連続紋がある」、「成虫は飛ぶ時ハチに似て、幼虫は姿や行動がアリに似ている」などといったことが『沖縄昆虫野外観察図鑑』にあった。
 体長は11~14ミリ。出現時期は3~6月せ、寄主はマメ科植物。
 見た目でホソヘリカメムシに似て、ホソヘリカメムシ科は「成虫がハチのように飛ぶことや幼虫の形態、行動がアリに似ている」という同じ特徴を持っていてさらに似る。
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』によるそれぞれの特徴は、
 ホソヘリカメムシ
 後ろ足の大腿の部分が太い。
 キスジホソヘリカメムシ
 頭胸部側面から腹部側縁にかけて連続する顕著な黄色帯がある。
 タイワンホソヘリカメムシ
 後脚は暗褐色で、腿節に黄白色帯があり、膨大し、5~6個の歯状突起がある。

 記:2014.10.11 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行