ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

塩せんべい

2011年03月20日 | 沖縄の飲食:果物・菓子

 酒飲みのせんべい

 真偽の程は、当事者に確認しなければ明らかでないが、当事者である祖父は既に遠い昔に、傍にいて事情を知っている祖母も一昔前に亡くなっているので確認できない。なわけで以下は、父の言うことを信じることにすればの話になる。

 元々、我が家は泊村(那覇三村の一つ)の出身でサムレー(侍、と父は言うが、普通クラス以上の侍は首里に住んでいるので、たぶん最下級武士)であった。父の祖父の代までは泊に屋敷を構えていたのだが、父の父(私の祖父)が放蕩者で、財産を食いつぶし、家を売り払い、田舎落ちする羽目になった。
 祖父の落ちたところは那覇の東隣にある南風原村(現南風原町)。そこで父は青春時代を過ごしている。近所にいた美人(本人がそう言う)と恋仲になって結婚し、頑張って働いて南風原村を出て、那覇に上り、家を借りた。希望の泊村はまだ数キロメートル先であったが、首里へ上る坂道の麓辺り、那覇市三原という堂々とした市内。

 幼稚園の頃、両親と弟と私は、他の家族と離れてコザに住んでいた。小学校2年の初めには父の念願が叶って、泊に土地と家を買い、皆でそこに移り住んだ。ので、三原での私の記憶は、ほとんど小学校1年の1年間しか無い。
  学校で遊び、近所で遊び、などしたことをおぼろげに覚えている。近所に塩せんべい屋さんがあった。小売店では無く、製造元。工場というほどたいそうなものでは無い。家の1室といった広さの中に、黒光りしている小さな円形のフライパンがいくつかあって、その前でオジサンが一人作業をしていた。フライパンに白い小麦粉のようなものを流し込み蓋をする。しばらくして蓋を開けると塩せんべいができている。手品でも見るような不思議な思いで、私は飽きずにそれを眺めていた。
 小麦だけでできた塩味せんべいは、単純な味だが、ウチナーンチュには根強い人気があるようで、現在でも塩せんべいを置いてないスーパーは無いほどである。私もたまに買って食している。さっぱり塩味は、ポテトチップよりもずっと酒の肴としては上質。子供のお菓子である塩せんべいだが、酒飲みのせんべいとしても十分に役立っている。
      
 塩せんべい
 生地は、小麦粉に油と水を混ぜて作るが、トロトロの生地では無い。油と水はごく少量なのでサラサラとした状態。それを鉄板で挟み込んで圧力をかけて焼き上げる。できあがったせんべいは直径10センチ、厚さ7、8ミリ。中に不規則な空間が多くでき、食感はサクサクといった感じ。表面にまぶされた塩が、酒を促す。

 記:ガジ丸 2005.7.19 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行

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