ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

600円の後悔

2009年02月27日 | 通信-その他・雑感

 中学、高校の頃はたくさん、浪人時代にもまあまあ、私は映画を観ている。名作といわれる映画は、ヨーロッパ映画も邦画も多く観ているが、それでも、その頃観た映画の半分以上はハリウッド映画だった。ハリウッドこそ映画の主産地、と私も思っていた。
 その頃はアカデミー賞にも興味があって、作品賞を受賞した映画の多くをたぶん、私は観ていると思う。過去のアカデミー作品賞をネットで調べ、確認してみると、リバイバル上映で観たものを含めて、『風と共に去りぬ』、『ベンハー』から『スティング』、『カッコーの巣の上で』まで、中学から浪人時代の間に15作品を私は観ている。

 浪人時代に『カッコーの巣の上で』を観て以来、ハリウッド映画を私は観なくなった。大学の頃は東京に住んでいて、近く(吉祥寺、中野、高円寺など)に入館料の安い名画座があり、貧乏学生はそこで、もっぱら邦画やヨーロッパの名画を観ていた。
  ハリウッド映画を観なくなったので、アカデミー賞にも興味が無くなり、『カッコーの巣の上で』以降のアカデミー作品賞受賞作を私は観ていない。以降の受賞作には、『ロッキー』、『ガンジー』、『プラトーン』、『ラスト・エンペラー』、『レインマン』など有名どころがたくさんあるが、少なくとも映画館ではそれらを観ていない。
 そんな中、ただ一つだけ、アカデミー作品賞受賞作を映画館で観ている。1992年受賞作の『許されざる者』、クリントイーストウッド監督の作品だ。
 クリントイーストウッドは、彼がマカロニウェスタンで『荒野の用心棒』などを演じていた時にファンになっている。その後の『ダーティーハリー』も好きだった。ということで、ハリウッド映画嫌いの私も「クリントイーストウッドならば」と、観に行ったわけである。しかしながら『許されざる者』、アカデミー作品賞を獲得した評判の良い作品であったが、私の感性には合わなかった。特別良いとは思わなかった。
          

  二十年ほど前から、観る映画はもっぱら邦画となっている。とはいっても、邦画に魅力的な作品が多くあったわけでもないので、映画を観る機会そのものが少なくなった。年に1回あるかどうかくらい。それが、桜坂劇場がオープンして、その会員になってからはちょっと増えた。それでも年に3、4回くらい。少ないのには理由がある。
 日々、やりたいことが山ほどある私は、映画を観る目的だけで那覇の街へ出かけることをほとんどしない。映画館のある那覇新都心も国際通りも私の家からは往復1時間程かかる。その時間を有効活用するには実家へ行く、飲み会へ行く、などのついでを要する。そういうついでは、月に1~2回ある。が、他に用があったり、父のパソコン講座に予定以上の時間がかかったりして、で、映画へ行けるのは3、4ヶ月に1回となる。
          

 映画を観る機会が減った理由がもう一つある。入館料だ。『おくりびと』は観たいと思っていた映画の一つだが、観なかった。『おくりびと』は去年の10月頃、新都心の映画館で上映され、最近まで久茂地の映画館で上映されていた。どちらも入館料は1600円だ。桜坂劇場は1000円、その差600円、インスタントラーメン6食分となる。6食は3日間の命と思って、で、躊躇する。ただ、『おくりびと』は前から良い評判を聞いており、600円をケチったのは失敗だったかと今、後悔している。
          

 記:2009.2.27 島乃ガジ丸