ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

平和への情熱

2018年01月05日 | 通信-沖縄関連

 去年12月29日、宜野湾のいつもの事務所でガジ丸ブログをアップした後、元気かなぁと思って半年ぶりくらいに知人のHさんに電話した。「会えますか?」と訊くと「午後から用事があって出るところだからA店で会おう」となる。約束の時間が近くなったので出ようとすると、2階にある喫茶店の店主とお手伝いのUさんに会った。
 Uさんから「今日これから普天間基地の被害に抗議する市民大会がある」といった内容のことを聞く。その後、A店でHさんと会い、コーヒー飲みながらしばし会話する。Hさんはベテランの平和運動家だ、一緒に市民大会に参加した。

 私は、誰かに誘われてということはあったかもしれないが、自ら進んでこういった大会に参加したことはこれまで無く、今回が初参加であった。私の政治的立場はかつての革新系であり、現在のオール沖縄である。これまで何十回も選挙に投票しているが、自民系に投票したのは30年ほど前の沖縄県議選で、知人に頼まれての1回だけ。
 そんな私なのに、反基地関連の市民大会に参加してこなかったのは、若い頃はどうだったか覚えていない(おそらく、そんなことより女とギャンブルだったと思う)が、オジサンとなってからは「米軍基地の全面撤去」に対し少々違和感があったから。無防備に対する違和感である。戦争したがっている国があるだろう、それに対する抑止力はどうする?泥棒や強盗などに対する警察と同じような組織は必要だろうと思っている。
 それともう1つ、無力感というのもある。相手は日本国であり、アメリカ国である。抵抗してもいずれは向こうの思うようになってしまうだろう、という無力感。

 大会の会場は宜野湾市役所の門前、「大会」という名の集会にするには狭い場所だ。Hさんと私は開始時刻の約30分前に着いた。主催者側は会場の準備中、狭い場所には既に多く(ざっと数えて100名ほど)の人が集まっており、さらに増えつつあった。
 「あの人が○○さんだよ・・・」とHさんは政治家や学者の数名を私に教えてくれた。政治家の中には現役国会議員もいて、それは私も知っていたが、その内1人はHさんに寄ってきて握手をし、ついでに私も握手をして貰う。Hさんはそれら有名な人以外にも多くの人と挨拶を交わしていた。そうやって挨拶を交わしている時はみんな笑顔であった。
 大会が始まると笑顔は概ね消えて、みんな壇上で語る人の声に真剣に耳を傾ける。中には、語り手の言葉に「そうだ!」と賛同の声をあげる人もいる。私はというと、語り手の言うことは概ね想像できていたので、真剣に聴くというほどのこともなく、賛同の声をあげることは全く無い。「こんなことで国が動くのか?」と冷めている。
     

 市民大会に参加している人々には、基地の危険を我がことのように感じている人もいたであろう。沖縄に対する差別待遇に腹を立て続けている人もいたであろう。そういったことが平和運動への情熱となっているのかもしれない。
 もちろん、壇上で語る人々の主張に、私も概ね賛同してはいる。普天間基地は撤去すべきで、その代替施設を辺野古に造ることも反対である。そういった立場にある署名活動があれば、これまで何度も署名はしている。しかし、私は情熱不足。今年は平和運動についてもっと真面目に勉強していきたいと思っている。
     

 記:2018.1.5 島乃ガジ丸


オオヤブツルアズキ

2018年01月05日 | 草木:雑木雑草

 今回紹介するオオヤブツルアズキは、2012年9月10日に出会っている。「宮古諸島オッサン二人旅」の2日目、宮古島空港9時25分発の飛行機に乗り多良間島へ。多良間空港に着いたのは午前10時頃、多良間は雨が降っていた。雨のせいで私は11時まで空港に足止め、雨が上がるのを待って歩き出し、海岸沿いの道を宿方面へ向かう。

 のんびり景色を眺めながら、あれこれ写真を撮りながら夕方5時前に宿へ着く。オオヤブツルアズキに出会ったのはその途中。だけど、全く記憶に無い。空港から宿まで6時間かかっているが、その間で覚えているのは宮古島まもる君とヤシガニだけ。
 宿で、宿の主人や他の客たちと宴会したことも覚えている。そういうことから推察するに、私は植物にさほど関心は無いものと思われる。HPで沖縄の植物を紹介しているのでしょうがなく関心のあるようにしているのかもしれない。でもいいさ、それでほんの僅かでもモノを覚える。それが長年続けば、私もきっと物知り爺さんになれる、はず。

 
 オオヤブツルアズキ(大藪蔓小豆):野草・蔓植物
 マメ科の蔓性多年草 原産分布は不詳 方言名:不詳
 名前の由来、『沖縄植物野外活用図鑑』に「大藪蔓アズキの意」とあった。「大」については、おそらく仲間内では大きい方だからであろう、「藪」については、野原や道端に鬱蒼と生えているからであろう、「蔓」については、蔓性の植物だからであろう、アズキはあの食用のアズキ(小豆)と同属の植物だからということであろう、などと想像できるが、しかし、そのアズキそのものの由来が不明、想像もできない。
 原産分布は資料がなく不詳。文献の写真は八重山諸島の西表島で、私の写真は宮古諸島の多良間島。もしかしたら、沖縄島には分布しないのかもしれない。
 葉はマメ科植物でよく見る形の3出複葉。花は黄色でいかにもマメ科植物の形状。野原や道端に生え、莢果(きょうか)は食用にならない。
 ちなみに学名、
 アズキ Phaseolus angularis W.F.Wight
 コバノツルアズキ Phaseolus minimus Roxb.
 オオヤブツルアズキ Phaseolus reflexo-pilosus Ohwi

 記:島乃ガジ丸 2017.12.26 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行


シマダイコン

2018年01月05日 | 飲食:食べ物(材料)

 沖縄の大根

 子供の頃、ダイコンは好きな食べ物ではなかったと記憶している。ダイコンは沖縄語でデークニと言うが、子供の頃、祖父母、及び父母の口からデークニという言葉はよく耳にしていたが、デークニに良い印象を持っていない。
 しかし、大人になってからは、ダイコンは好きな食物となっている。沖縄料理のティビチ(豚足)汁やソーキ(豚骨付きアバラ肉)汁のダイコン、母の料理する生のダイコンをタコやイカと和えたものなど好きになった。おでんのダイコンも大好き。

 母の使ったダイコンは、スーパーでよく見る青首ダイコンだったと思うが、シマダイコンという名のダイコンもあるということは、私も子供の頃から知っている。見た目で、細くて長いものが青首ダイコン、短く太いものがシマダイコンと認識している。私の認識だけでなく、ちゃんと調べると、参考文献ににシマダイコンの特徴があった。
 『沖縄園芸百科』にシマダイコンの項目はなく、ダイコンはあり、その中で「栽培期間が長く根身が大きく良質である沖縄種があります」とある。そこにある写真のダイコンは形からしてシマダイコンと呼ばれているものと思われる。
 さらに、『沖縄大百科事典』にはシマダイコンの項目があり、それによると、「アブラナ科の一年草」で、「他府県に類のない特有の野菜」、「アガイー、ワインチャーの2系統に大別される」、「根形は短太と長紡錘形」、「根部は灰白色で繊維が少なく肉質もよく、煮食用に最適。抽苔後も食用になる」、「1本の重さは2~6キログラム」などとあった。シマダイコンと呼ばれるものにもいくつか品種があるみたいである。

 私がシマダイコンと認識しているずんぐりした形のダイコンを、市販の種の、その袋表に島ダイコンと名前が書かれてあるダイコンを、私は私の畑で毎年栽培し、収穫し、食べている。私はそれを美味いと思い、とても気に入っている。
 私の食べ方は煮物の他、皮を剥いて、皮は塩漬け、中の部分はポン酢和えにして食べることが多い。皮の塩漬けも中身のポン酢和えも酒の肴として上質だと感じている。
     
     
     
 シマダイコン(大根):根菜・葉菜
 アブラナ科の一年草または二年草 原産地は不明 方言名:デークニ
 名前の由来は広辞苑に「大根(おおね)の音読から」とあった。シマ(島)は沖縄のといった意。方言名のデークニはダイコンの沖縄読み。
 根の部分が大きくなり食用となるが、葉も美味しく食べられる。茎の先に淡い紫色の花を多数つける。開花期は12~2月。
 ちなみに、ダイコンとシマダイコンの学名は同じRaphanus satvus L.となっている。

 記:2018.1.2 ガジ丸 →沖縄の飲食目次