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丹沢、渓流・渓畔林調査

2017年10月20日 | 渓流・本流2017
数日前は丹沢某所で渓流と周辺の渓畔林調査が行われ、手伝いで参加してきた。

今年も春と秋に数回ずつ実施され、四国に行っていて参加できなかった一回を除いてすべて参加した。ハコネサンショウウオがたくさん生息する沢、在来の血筋を残すと考えられているヤマメ棲む沢などなど。たぶん一度もここで報告できていないと思うので、数日前に行われた調査だけでも触れてみたい。



小雨の中で。このあたりは私も何度か釣りに来たことがある。ヤマメとカジカの沢だ。





ヤマメたちにはかなりの確率でカワウやアオサギなどの鳥の嘴から逃れた傷跡が見受けられた。

コロニーを作って増え続けるカワウら。最近では山奥に釣りに出かけてもよく見かけるようになった。
カワウらも増えすぎた結果、生存競争が激しくなって山奥にまで姿を現すようになったのだろう。

特に少し大きくなったヤマメには高確率で傷が残っていた。ヤマメに勝ち目はないと思わせるほどの確率だった。

禁漁になって川からひと気がなくなると、カワウたちはさらに大胆になる。川には砂が堆積し、深みは埋まり、魚の逃げ場となる石の隙間は激減した。結果、カワウたちはより容易に捕食ができるようになっているのだろう。



神奈川では貴重な存在となってしまったカジカだけれど、この川にはまだ一定数が生息していた。我々はどうしてもヤマメやイワナに目が行きがちだが、生息環境からいえば本来カジカなくしてヤマメなし、なのだ。

カジカがまったくいなくなり、放流されたヤマメだけが泳ぐ川なんて想像しただけで気持ち悪いでしょ。

ちなみに調査に協力してくれたヤマメやカジカはもといた沢に返すのが原則。例えば2本の沢を調べてA沢にいたヤマメをB沢に返すことはしない。



調査をした右俣と左俣は隣り合っているにもかかわらず、渓畔林や源流部の違いからだろうか、川の環境も大きく異なっているように見受けられた。一方は多く砂が出てしまっていたが、もう一方はさほどでもなかった。

また一方では小型のヤマメの多くが銀毛化したスモルト個体だったけれど、もう一方ではさほどではなかった。不思議だ。自然が豊かに残っている本来の生息環境だったならば、彼ら彼女らの多くがそろそろ川を下り、海へと出ていく季節なのだ。けれど今となってはその長い旅の途中には多くの堰堤があり、ダム湖があり、降海することはもうかなわない。ダム湖でランドロックとなることだって、かなりの困難だろう。


以前にもここで少し触れたことがあるがこの調査は県の研究機関によるもので、神奈川の森、山、川の実態をデータとして得ることで今後に活かしていけないものか、という趣旨のもと行われている。立場は違えど森が豊かになってほしい、渓魚が増えて健全であってほしいと願う目的はわれわれと同様であり、いわば心強い味方なのだ。専門家と直接様々な話ができる機会は貴重だし、調査そのものもはもちろんのこと、回数を重ねることで自身にとっても貴重な見識となってくれるのではと期待もしている。

私は釣り人であり釣り道具を作る人なので、このような報告の中でも常に個人的な意見が含まれる。野鳥が好きな方ならそれこそカワウやアオサギに寄り添った意見が出てくるところなんだろうけど。そこは勘弁してほしい。

Photo&Report by 小平



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