末つ森でひとやすみ

映画や音楽、読書メモを中心とした備忘録です。のんびり、マイペースに書いていこうと思います。

ホビット -決戦のゆくえ-

2014-12-31 16:46:02 | PJ版:ホビットの冒険
大晦日です。
今年も無事に、一年の締めを迎えることができました。
お世話になった皆さま、どうもありがとうございました。

年内最後の更新は、「ホビット -決戦のゆくえ-」の感想です。
ネタバレあり、また、途中で批判的な物言いもしております。ご注意ください。

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まずは、何と言っても、ビルボ!
ビルボ・バギンズ氏は、"ファンタジー" や "冒険譚" と聞いて想像する主人公像とは
少々趣のちがう、演じるのが難しい役どころだと思いますが、
そのキャラクターが、スクリーンの中でこんなにも違和感なく、
まさに、 "ビルボその人" として存在していることの素晴らしさ。
今作では、短いやり取りですが、トーリンとのドングリの場面が印象に残ります。
(そして、まさかの、A・リー氏による最後のイラスト!)

前二作のレビューでも書きましたが、マーティン・フリーマンがビルボを演じてくれて、
原作ファンとして、また、PJ版映画シリーズのファンとして、本当に幸せな思いです。

LotR三部作の時から言えることですが、このシリーズは実に、
主要登場人物たちのキャスティングが抜群で、感心します。
ホビット三部作でも、トーリン、バーリン、ラダガスト、バルド、スランドゥイル王 etc.
オリジナル設定のタウリエルも、エルフの "女戦士" という面では、相応かな。
また、新旧両シリーズに登場する人物は、きっちり同じ役者を起用した手腕も、見事でした。
( "白の会議" の皆さまが、例の場所で物理的に戦う姿が拝めるとは・笑
  そして、PJ版の指輪でレゴラスがアラゴルンの舎弟? だった謎も解けます)

こうした充実の出演陣に、雄大なロケ地、こだわりの美術や衣装による、
細部まで妥協しない画つくりが加わり、イメージを掻き立てる音楽が流れて ―― 。
シリーズ最終作のエンディングを飾った、B・ボイドが歌う「 The Last Goodbye 」まで、
音響システムも整った大きなスクリーンで、十分に楽しませてもらいました。

指輪三部作からホビット三部作までのすべてを、作品が封切られたタイミングで
劇場鑑賞できたこと。その巡りあわせと、幸運とに、感謝です。

  *~*~*~*

一方で、小さくはない不満を抱いているのも、事実です。

注意:これよりしばらく、辛口なコメントが続きます

旧三部作から新三部作に至るまでの年月を経て、テクニカルな面は進化したけれど、
内容的な深化は、期待したほど見られなかった ・・ という点。
要は、DoSレビューでも書いた通り、サー・PJ監督の悪癖に起因すると思われる諸々です。
第一部「思いがけない冒険」では、かなり健闘したと思うのですけれどね。
「指輪物語」と「ホビットの冒険」、確かに、原作の持つ性格の違いはあります。
しかし、それを差し引いても、演出や改変が上手く機能していない箇所も多く、
不足な面、過剰な面とも、旧三部作での既視感すら過り、残念な思いが拭えません。

映画版ホビットのシリーズは、権利問題をはじめとする様々なトラブルを抱え、
映画化実現までに、非常に困難な道を歩んできました。
だから、無事に完成し、三作品とも劇場公開までたどり着けただけでも、
実は、有り難いことであり、私が書いたような不満は、贅沢なのかもしれません。
けれど、このシリーズのファンだからこそ、敢えて厳しい内容も書き記すことにしました。

以上、辛口コメントは此処まで

  *~*~*~*

結局、今回は3回鑑賞しました(HFR3D字幕1回、2D字幕2回)。

この最終章を見終わると、LotR三部作を改めて見たくなるのは、
原作「ホビットの冒険」~「指輪物語」読書時のパターンと同様です。
映画のラストシーンは、私が大好きな原作の終わり方とは違っているのですが、
老ビルボが登場し、ガンダルフの声が扉の外から響く映画版も、
物語の連続性という点では、"あり" なアレンジだったと思います。

先日、17年にわたる中つ国シリーズの映画化を振り返る 動画 が、upされました。
私自身は、このシリーズを経て、映画鑑賞の仕方が劇的に変わったことが思い出深いです。
批判も書きましたが、サー・PJ監督をはじめとするスタッフと、役者の皆さん、
シリーズ完結までお疲れさまでした。本当に、ありがとう。。

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   映画 『ホビット -決戦のゆくえ-』

  ◇原題:The Hobbit ~ The Battle of the Five Armies
  ◇関連サイト:公式サイト ( 日本版 )、IMDb ( 関連ページ )、transcript ( 関連ページ
  ◇レビュー:第一部 『 ホビット -思いがけない冒険-
  ◇レビュー:第二部 『 ホビット -竜に奪われた王国-
  ◇鑑賞日:2014.12.24. 他 映画館にて

  §edit.「ホビット -決戦のゆくえ-」のtranscript情報を追記しました (2015.3.25.)


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