そろそろリハビリ・デイサに復帰しようか、と考え始めている。最近、腰痛に悩まされるようになったのは、終日自室に引きこもり、椅子に座ってばかり、という自堕落な生活習慣の所為ではないか。それが体力の衰えの原因であることは、あまりにも明白だった。
リハビリ・デイサに復帰すべきかどうか、ーーこの問題を考えるとき、大きいのは、妖怪コロナの動静である。私は、我が○▲市の新規感染者数が一桁になったら、デイサに復帰しようと考えていた。だが、ニュースを見る限り、我が○▲市の新規感染者数は一進一退を繰り返しながら、一日30人前後をキープし、一向に減る気配を見せない。
こんな具合では、コロナの新規感染者数が一桁台に戻るのはずっと先のことで、その日を待っていたのでは、私はそれこそヨボヨボのジジイになってしまうのではないか、――そんな気がしてきた。
考え直すきっかけになったのは、ケアマネさんの交代である。新しく私の担当になったケアマネさんは、「デイサービス▲▲」の所属だった。この「デイサービス▲▲」という介護施設は、脳神経外科医のドクター▲▲が開設の中心メンバーだったことから、利用者の大方は脳卒中の後遺症をかかえた人たちだという。
利用者の大半が私と同病のお仲間だと聞いて、思わず食指が動いた。それまで私が通っていたデイサ■■は、認知症で要支援や要介護に認定されたお年寄りがほとんどだった。言動はおかしくても、歩行能力は健常者と同じ、といった人たちの中で、(歩行能力を損ねている)私は、少なからず違和感を懐いてきた。
コロナ禍を理由に、私がデイサ■■に行かなくなってからかれこれ5ヶ月がたつ。デイサ■■から私を遠ざけたのは、妖怪コロナであり、それ以上にこのどうしようもない違和感だったと私は思う。
同病相憐む、ではないが、自分と同じ症状をかかえた人たちが利用者の大半だというのなら、そういう違和感を感じることもないのではないか。
もっとも、新天地に期待する気持ちは、今の私にはない。歳をとると臆病になるらしい。この先どんな人と出会うことになるのか、それが楽しみでもあり、不安でもある。
とりあえずデイサービス▲▲を見学してみたい、と、私は新しいケアマネさんに申し出た。都合のよい日が決まったら、連絡をしてくれるという。
ああ、なんとなく落ち着かないこの頃である。