ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

プラごみ問題に朗報が

2019-05-30 11:47:10 | 日記
朗報である。まずは次のニュースに目を通していただきたい。

「サントリーホールディングス(HD)はすべてのペットボトルを再生するシステムを確立する。2030年までに新たな化石燃料を投入せず、再生PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂と植物由来の素材を組み合わせて代替、循環させるようにする。廃プラスチックによる海洋汚染を防ぐ日本発のプラ資源循環のモデルとして、期待される。」
                 (日本経済新聞5月28日)

 このニュースでは「(再生システムを)確立する」、「循環させるようにする」となっていて、「確立した」、「循環させるようにした」と書かれていないのが気になるが、サントリーのホームページでは、「飲料用PETプリフォーム製造で「F to Pダイレクトリサイクル技術」の開発に成功しました」と明言されているから、ペットボトルのリサイクル技術は、2030年の完成に向けて、確実に緒についたと見てよいのだろう。やれやれ。

このニュースはなぜ朗報なのか。なぜ朗報だと私は考えるのか。それは、このニュースが「科学技術の勝利」を我々に告げ知らせるものだからである。ーー思い返せば、このところ我々は「科学技術の敗北」を痛いほど思い知らされてきた。現代科学技術の粋とも言える原発施設が事故を起こし、広範な放射能汚染をもたらしたあのフクシマ2011の出来事は、まだ我々の記憶に新しい。それだけではない。現代の科学技術は地球温暖化をもたらし、その結果として頻発する異常気象に、我々は日々悩まされている。

とどめを刺したのは、(プラごみによる)海洋汚染が看過できないほど進んでしまっている、という深刻な事実の発見だった。科学技術による環境破壊はついにここまで来たのか、と私は危機感にとらわれたのだった。

危機感を懐きながらも、ペットボトルの消費者として加害者の側に身をおかざるを得ず、日々、忸怩たる思いを拭いきれなかった私が、「プラごみのリサイクル技術が開発された」との報に心を躍らせたことは、言うまでもない。そのことは以前、本ブログで報告したが(5月21日《プラごみ問題の救世主なのか》)、この記事で私が取りあげたリサイクル技術は、まだ研究室段階にとどまり、実用化以前のものだった。

しかし、きょう冒頭で紹介したサントリーの技術開発の報は、この技術がいよいよ実用化段階に達したことを、我々に告げ知らせるものなのである。加えて、きょう届いた次のニュースも、私の心を明るくした。

「海洋プラスチックごみの削減に向けた政府の行動計画案がわかった。全てのペットボトルを再生など有効利用するよう支援に取り組むほか、海に流出しても影響の少ない素材の開発などを盛り込んだ。政府は6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議で対策を議題の柱の一つに据える方針。日本が先んじて総合的な取り組みを示し、議論を主導する狙いがある。」
                 (日本経済新聞5月30日)

しかしなあ・・・。苦労症の天邪鬼爺は考える。残るのは「核のごみ」をどうするかだよなぁ。でも、こればかりはどうしようもないのではないかな。そのうち、これもどうにかなるのだろうか。そうであってくれれば良いのだが・・・。
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