トランプ米大統領が(中国製の動画投稿アプリ)「TikTok 」を米国内で利用することを禁止する命令を出す意向だという。一体なぜなのか。私はこのアプリを利用したことがなく、その内容がどんなものかは知らないが、「動画投稿アプリ」とあるから、おそらくYouTube の中国版のようなものなのだろう。YouTube なら、私は時々覗いてその動画を楽しんだり、情報収集に役立てたりしている。TikTok の利用もそれと同じようなものだと思うが、これがなぜ政府によって禁止されなければならないのか。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」のことわざ通り、これも中国叩きの一環なのだろうが、叩くにはそれなりの正当な理由がなければならない。アメリカは、かつて中国企業ファーウェイ製の情報機器を国内から締め出そうとした前歴がある。「ファーウェイの製品を使うと、利用者の個人情報が中国政府に抜きとられる恐れがある」というのがその理由だったが、今回のTikTok の場合も、アメリカ政府は同じ理由を持ち出すのだろうか。
かつて私は次のように書いたことがある。
「なんでもファーウェイ製にはスパイウェアが仕込まれていて、使用者の個人情報が(中国政府に)筒抜けになってしまうのだとか。
仮にそれがホントだとしても、そんな話、自分には関係ないよと、私は楽観的に構えている。だって、そうではないか。私がアマゾンでどんな本を買ったとか、どんな小道具を買ったとか、ーーそんな情報が中国政府にとって耳を傾ける価値のある情報だとは私には思えない。」
(2018.12.18《ファーウェイ製ですが、何か?》)
今回のTikTok の場合も、アメリカ政府がどう言おうと、私の個人情報が中国政府に抜きとられる恐れがあろうとなかろうと、このアプリを利用する価値があると思えば、私はこのアプリを利用するだろうし、利用する価値がないと思えば、このアプリを利用しないだろう。
だが、私はこの問題にはこだわりがある。こだわるのは、この問題に関して重大な判断ミスをおかした苦い経験が、私の頭の奥底にこびりついているからである。上のように書いた三ヶ月後、私は次のように書かなければならなかった。
「数日前の読売新聞の記事を読んで、私はこの自分の考えを改めないわけにはいかなかった。記事にはこう書かれていた。
『米国が中国と軍事衝突に至った場合、米軍は、相手の防御力を低下させるため、まずは中国軍の統合防衛システムIADSや、海洋ISR(情報収集・警戒監視・偵察)システムを標的にサイバー攻撃を仕掛ける可能性が高いとされる。
ただし、軍のネットワークに直接侵入するのは難しい。そこで考えられるのが、より侵入が容易なネットワークを経由して、標的にたどり着く方法だ。
米ランド研究所の2015年の報告書は、中国で使われている個人用コンピューターの多くがマルウェアに感染していると指摘した。マルウェアに感染したコンピューターはサイバー攻撃に弱い。』
米国と中国で立場は逆になるが、サイバー戦争になれば、中国はまず日本のネットワークに侵入し、そこから米国の民間ネットワークを経由して、米国防総省の「非機密IPネットワーク(NIPRNet)」に侵入し、これにサイバー攻撃を仕掛けようとするだろう。その場合、私が使っているファーウェイ製スマホに、スパイウェアのチップが仕込まれていれば、私のスマホは、中国軍が米軍をサイバー攻撃する最初の突破口になり得るのだ。私は『自分には関係ないよ』などと嘯(うそぶ)いていられなくなる。」
(2019.3.19《サイバー戦争の凄さについて》)
今回のTikTok 禁止令にも、何かそういう深〜い理由(わけ)があるのだろうか。サイバー戦の世界には、我々素人には計り知れないものがある。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」のことわざ通り、これも中国叩きの一環なのだろうが、叩くにはそれなりの正当な理由がなければならない。アメリカは、かつて中国企業ファーウェイ製の情報機器を国内から締め出そうとした前歴がある。「ファーウェイの製品を使うと、利用者の個人情報が中国政府に抜きとられる恐れがある」というのがその理由だったが、今回のTikTok の場合も、アメリカ政府は同じ理由を持ち出すのだろうか。
かつて私は次のように書いたことがある。
「なんでもファーウェイ製にはスパイウェアが仕込まれていて、使用者の個人情報が(中国政府に)筒抜けになってしまうのだとか。
仮にそれがホントだとしても、そんな話、自分には関係ないよと、私は楽観的に構えている。だって、そうではないか。私がアマゾンでどんな本を買ったとか、どんな小道具を買ったとか、ーーそんな情報が中国政府にとって耳を傾ける価値のある情報だとは私には思えない。」
(2018.12.18《ファーウェイ製ですが、何か?》)
今回のTikTok の場合も、アメリカ政府がどう言おうと、私の個人情報が中国政府に抜きとられる恐れがあろうとなかろうと、このアプリを利用する価値があると思えば、私はこのアプリを利用するだろうし、利用する価値がないと思えば、このアプリを利用しないだろう。
だが、私はこの問題にはこだわりがある。こだわるのは、この問題に関して重大な判断ミスをおかした苦い経験が、私の頭の奥底にこびりついているからである。上のように書いた三ヶ月後、私は次のように書かなければならなかった。
「数日前の読売新聞の記事を読んで、私はこの自分の考えを改めないわけにはいかなかった。記事にはこう書かれていた。
『米国が中国と軍事衝突に至った場合、米軍は、相手の防御力を低下させるため、まずは中国軍の統合防衛システムIADSや、海洋ISR(情報収集・警戒監視・偵察)システムを標的にサイバー攻撃を仕掛ける可能性が高いとされる。
ただし、軍のネットワークに直接侵入するのは難しい。そこで考えられるのが、より侵入が容易なネットワークを経由して、標的にたどり着く方法だ。
米ランド研究所の2015年の報告書は、中国で使われている個人用コンピューターの多くがマルウェアに感染していると指摘した。マルウェアに感染したコンピューターはサイバー攻撃に弱い。』
米国と中国で立場は逆になるが、サイバー戦争になれば、中国はまず日本のネットワークに侵入し、そこから米国の民間ネットワークを経由して、米国防総省の「非機密IPネットワーク(NIPRNet)」に侵入し、これにサイバー攻撃を仕掛けようとするだろう。その場合、私が使っているファーウェイ製スマホに、スパイウェアのチップが仕込まれていれば、私のスマホは、中国軍が米軍をサイバー攻撃する最初の突破口になり得るのだ。私は『自分には関係ないよ』などと嘯(うそぶ)いていられなくなる。」
(2019.3.19《サイバー戦争の凄さについて》)
今回のTikTok 禁止令にも、何かそういう深〜い理由(わけ)があるのだろうか。サイバー戦の世界には、我々素人には計り知れないものがある。
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