すきむブログ

東北地方のとある町での暮らしをつづります。
四季折々の花や野山の風景など。
お菓子や田舎料理のレシピも紹介します。

骸骨ビルの庭

2009-10-13 12:42:18 | 読書
私の大好きな作家のひとりである、宮本輝さんの
最新の小説。

本、大好きで手元に置いておきたいタイプの私
だったんだけど、相次ぐ引越しや何かで、物を
これ以上増やせないし、新刊本もお値段が高いし
ということで、近頃はもっぱら図書館だのみで
読書していましたが、春にこちらに引越してから
図書館は隣の会津若松まで出向かないとないし、
やっぱり好きな作家の本は、購入したいなぁ~
って迷った挙句、これは久々の購入です!


買って正解でした~。

本の内容はざっとですが、
大阪の十三という町に、「骸骨ビル」と呼ばれる
古いビルがあり、主人公はそこに居座る住人の立ち
退きを命ぜられた47歳の男性。

「骸骨ビル」は戦前に建てられたけれど、頑丈で
しっかりしたビルで、戦後はGHQに接収されていた
時期もあった。
そこは、戦後、二人の青年が子供たちを育てた場所
だった。
食料もなく、庭で野菜を作りながら、彼らは命を賭
して子供たちと生きた。

時を経て、育ての親の一人「阿部轍正」は子供たちの
一人から性的暴行の汚名を着せられ、苦悩のうちに
亡くなる。

ビル管理人の八木沢の視点から、骸骨ビルで生きて
きた子供たちと育ての親の絆と、暴行事件の真相を
追う。。


内容はざっとこんな感じですが、
私がこの作家を好きな理由は、
人間を描く視点の優しさかな~。