すきむブログ

東北地方のとある町での暮らしをつづります。
四季折々の花や野山の風景など。
お菓子や田舎料理のレシピも紹介します。

5月の読書記録

2014-06-01 10:14:47 | 読書
5月、1日1冊達成。

印象に残ったのは、藤原正彦さんの「ヒコベエ」
遠藤彩見さんの「給食のおにいさん」シリーズ。

あと、五條瑛さんの「革命」シリーズ。
こちらはまとめて一気読みしたほうが良いと思って、図書館で
一気に借りてきました。
残り2冊。





2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:34冊
読んだページ数:10599ページ
ナイス数:3127ナイス

誘魔 (R/EVOLUTION 8th Mission)誘魔 (R/EVOLUTION 8th Mission)感想
ベトナムの悲劇で生まれた彼らの存在が悲し過ぎる。多国籍とネオジャパニーズ、更には警察権力まで関わって来ると本当の悪人は誰なのかが分からなくなってくる。あと2巻、結末はどうなるのだろうか?
読了日:5月31日 著者:五條瑛
狂血 (R/EVOLUTION (7th Mission))狂血 (R/EVOLUTION (7th Mission))感想
まさにタイトルのごとし。第7弾、倉木櫂という恐ろしき殺人兵器。巧妙に仕掛けられた時限装置と、その目覚め。民族の血とは祖国とは。次、行きます。
読了日:5月31日 著者:五條瑛
満月ケチャップライス満月ケチャップライス感想
超能力ブームと某カルト教団。とある母子家庭の目の前に現れた「チキさん」と呼ばれる心優しく不思議な男性。彼がのこしてくれたものは超能力ではなく、家族の幸せに必要なことだったのでしょうね。満月ケチャップライス、子供には大好きな食べ物に違いない。清潔なタオルと新しい卵、冷蔵庫の中の卵の日付けを思わず確認した私…
読了日:5月30日 著者:朱川湊人
まぐだら屋のマリアまぐだら屋のマリア感想
尽果という海辺の辺鄙な町で「まぐだら屋」を営むマリア。訳ありらしい彼女に惹かれるように働き始めた紫紋。母の愛は何よりも強し…。物語としては面白いのですが、大きな感動とまでは行かないかな。出てくる食べ物は全部美味しそうでした!
読了日:5月29日 著者:原田マハ
泣いたらアカンで通天閣泣いたらアカンで通天閣感想
通天閣のすぐ下の寂れかけた商店街に住む、父と娘。ダメ父としっかり者の娘の物語と単純に言い切れないのだが、どことなく可笑しみのある会話に思わずニヤリ。現実問題としては、こんな父親扱い難くて大変そう。カメヤが良い奴で救われた。
読了日:5月28日 著者:坂井希久子
給食のおにいさん 進級 (幻冬舎文庫)給食のおにいさん 進級 (幻冬舎文庫)感想
佐々目の成長が目覚ましい。給食というフィルターを通して語られる学校の様々な問題。モンスターペアレントやいじめっ子、先生方の確執等々。佐々目と毛利、このコンビをもう少し見ていたいけど、もう続きはないのかしら?
読了日:5月27日 著者:遠藤彩見
純棘“Thorn”―R/EVOLUTION 6th Mission純棘“Thorn”―R/EVOLUTION 6th Mission感想
在留外国人の人権を守るためのNPO、政治家、そして日本刀を振りかざす右翼。血ぬられたナディアパレードは革命の始まりなのか?第六弾まで一気に読みました。しばし、休憩。
読了日:5月27日 著者:五條瑛
愛罪“Uxoricide”―R/EVOLUTION 5th Mission (R/EVOLUTION (5th Mission))愛罪“Uxoricide”―R/EVOLUTION 5th Mission (R/EVOLUTION (5th Mission))感想
シリーズ第5弾。第二次世界大戦中に大陸で大もうけをした人物たち。その汚れた手は今の時代にも危ういものを持ちこんでいた。長谷川一族の今後はどうなるのか?次に行きます!
読了日:5月26日 著者:五條瑛
恋刃“Lancet” (R/EVOLUTION (4th mission))恋刃“Lancet” (R/EVOLUTION (4th mission))感想
第4弾。リャンの変貌ぶりに驚く。中国、多国籍、ヤクザに官僚、どんどん複雑になるけれど、ストーリーが面白くて読むのをやめられない。薬はやっぱり怖いなぁ。サーシャが何を目指しているのか少しずつ形になってきているようだ。
読了日:5月25日 著者:五條瑛
心洞“Open sesame”―R/EVOLUTION 3rd Mission (R/EVOLUTION (3rd mission))心洞“Open sesame”―R/EVOLUTION 3rd Mission (R/EVOLUTION (3rd mission))感想
シリーズ第3弾。中国、多国籍、居場所のない日本人の若者。この国の中に出来つつある新しい世界。サーシャは何を目指しているのか…。
読了日:5月24日 著者:五條瑛
紫嵐―Violet Storm紫嵐―Violet Storm感想
鳩とすみれ。前巻は中国からの密航者が中心だったが、この巻ではインドシナからの難民。すみれは半島から。多国籍の彼らがこのあとどういう運命をたどるのか?女は怖くてしたたか。。
読了日:5月23日 著者:五條瑛
断鎖"Escape"断鎖"Escape"感想
壮大なストーリーの第1章。「革命を起こさないか、この国に」で始まるスケールの大きな物語。サーシャの正体は何者なのか?気になるけれど、次に行きます!
読了日:5月22日 著者:五條瑛
更年期少女更年期少女感想
「青い瞳のジャンヌ」という少女漫画のファンサークルの幹事『青い6人会』。40~50代の彼女らが繰り広げる強烈な嫉妬の世界。ハンドルネームと実名が中々一致しなくて大変だったけれど、面白さで一気に読了。怪しいと思っていた人物は想像した通りだったけど、この年代ゆえの家庭の悩みが赤裸々で、考えさせられた。
読了日:5月21日 著者:真梨幸子
オリーブオリーブ感想
オリーブ・カナカナの庭で・指・不在・欠けた月の夜にの5つの短編からなる。どのお話も今一つ入り込めず、私には合わないと感じました。「不在」の姉と妹、ちょっと希望がみえる終わり方でまずまず満足でした。
読了日:5月20日 著者:吉永南央
乱心タウン乱心タウン感想
万全なセキュリティの「マナトキオ」という高い塀に囲まれた町に住まう選ばれし者たち。お金に不自由しないこの町の住人たちの鼻持ちならないいやらしさ。物語の中の登場人物とは言え、あまりにも短絡的思考の人ばかりで現実離れしている。「百年法」があまりにも面白かったので、期待し過ぎたのか、これはちょっと残念!お金はあった方が良いけれど、それだけでは幸せにつながらないって言うことですかね~。
読了日:5月20日 著者:山田宗樹
死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人感想
実母を殺害し、少年院を出てわずか2年後に姉妹を殺害した山路悠紀夫。なぜ彼が残忍な犯行に至ったのか。人と上手くコミュニケーションを取れない、人の気持ちをくむことが不得手、障害を持つ彼の生い立ちがそうさせたのか。孤立が犯行を招いたのではないかという丁寧なルポ。感想を書きにくいです…。犠牲になられた二人の姉妹のご冥福を祈りたい。
読了日:5月19日 著者:池谷孝司,真下周
感染広告感染広告感想
ビールの広告を見た若者が謎の自殺をした。広告を作成した男がWEB広告に仕掛けられたものの正体を探る。画像と音響、知らないうちにそういうものの影響を受けたならば、まるでウィルスのように感染しても不思議ではないのかも?面白かったです。ビール党ならばきっと冷たいビールをグビっと飲みたくなるでしょうね。
読了日:5月18日 著者:三浦明博
峠うどん物語(下)峠うどん物語(下)感想
淡々とお話は進みました。どの話もじんわりと心にしみる内容で、よっちゃんの成長ぶりとおじいちゃん、おばあちゃんのうどん屋に対する深い思いもよくわかります。去年から今年にかけて、実父、義母を見送った私。これは思い出に残る1冊になりました。
読了日:5月17日 著者:重松清
峠うどん物語(上)峠うどん物語(上)感想
タイトルから想像すると山本一力さん風なのですが、全く内容は異なる、市営の斎場前にあるうどん屋さんの物語。祖父母のお手伝いをする中学生の淑子の目線で描かれる、人生最後のセレモニー。ボーズさんが主人公の「おくる言葉」が好きですね。下巻へ。
読了日:5月17日 著者:重松清
スタバトマーテルスタバトマーテル感想
類いまれな才能を持つりり子と大地の恋愛。ゆがんだ母子愛にゾクゾクっとして、怖いけれども物語の先が気になり一気読みでした。ラストも怖いオチで、印象に残る一書です。
読了日:5月16日 著者:近藤史恵
盗人盗人感想
感想を書きにくいと言うのが、読み終えた第一印象。盗人が主人公でも「義賊」的な、盗みはしても陰惨な、人を傷つけるようなことはしないという風な物語を期待していたので。『黒田牧』作品か…。
読了日:5月16日 著者:田牧大和
約束約束感想
既読感あるなあと思ったら、文庫で読了済みでした。タイトルの「約束」泣けます。
読了日:5月15日 著者:石田衣良
崩壊崩壊感想
波山市の市議会議長が殺害され、ホシを追うおじさんデカ本宮と美人若手刑事優子のコンビ。登場人物が多いのでやや読み難さはあったけれど、内容は面白かったです。このコンビで続編が出たら嬉しいですね。
読了日:5月14日 著者:塩田武士
メサイア 警備局特別公安五係メサイア 警備局特別公安五係感想
過去を消された特別なスパイ「サクラ」を養成する極秘学校で訓練を受けた『海棠鋭利』。日本で開催される「世界軍縮会議」の舞台裏で画策される陰謀と闘う。まるで映画のようなスピード感のあるストーリーで面白く読めました。日本人の平和ボケ、こんな風にスパイに利用されたら怖いだろうなぁ。。
読了日:5月13日 著者:高殿円
山あり愛あり山あり愛あり感想
一流メガバンクを20年務め早期退職した「大鉢周三」が、シングルマザー支援のNPOバンクを立ち上げるために奮闘する物語。母との縁が薄かった主人公だが良き先輩や友人、伯父に恵まれている。最後に母の愛情を感じさせられ涙が出そうになってしまった。やや主人公が堅物過ぎて人物的魅力が足りなかったかも?
読了日:5月12日 著者:佐川光晴
サンザシの丘サンザシの丘感想
身寄りのない一人の女性が縊死による自殺を装った殺人事件の犠牲になる。容疑者は偽装した免許証を持つ正体不明の男。男の行方を追う二人の刑事。中国残留孤児の2世たちの悲しい過去と憎むべき男の過去が交錯する。ラストシーンは砂の器の演奏会の場面を連想してしまった。犯した罪は許されないけれど、逃げた男に同情してしまう。面白かったです。
読了日:5月12日 著者:緒川怜
花まんま花まんま感想
昭和の大阪を舞台にした6編の短編集。表題の「花まんま」の不思議で切ない感じ、何ともいえず好きです。「摩訶不思議」、3人の女性に見送られたおっちゃんの葬儀。これも好きでした。「トカビの夜」、幼いわが子を亡くしたお母さんの切なさが悲しいけど、こちらも好き。
読了日:5月10日 著者:朱川湊人
とうざいとうざい感想
人形浄瑠璃の小さな一座「松輪座」を舞台にした物語。主人公は雲雀大夫かと思うのですが、時折八十次が語り手になってみたりで少し混乱。師匠と弟子の絆を芯にした物語として読んだ方が楽しめるかも?
読了日:5月10日 著者:田牧大和
オン・ザ・ライン (SUPER! YA)オン・ザ・ライン (SUPER! YA)感想
感動!高校生になってクラスメートの貴之に誘われるままテニス部に入り、その魅力に憑かれた「侃(かん)」。弾けるような青春の日々から不幸な事故とその後の葛藤の日々。家族との問題をからめつつ、恋と友情に悩める青春。忘れかけていた輝くような日々を思い出させてもらいました。テニスの試合のシーンは、宮本輝さんの「青が散る」を連想。
読了日:5月9日 著者:朽木祥
誘拐児誘拐児感想
戦後の混乱期に5歳の男の子が誘拐された未解決事件と、地味な女の殺人事件。物語の内容としては、良く出来ていて面白かったけれど、刑事たちのいがみ合いは不要ではないかと思った。終戦後の昭和21年から、15年後の36年。時代感が上手く描かれていて素晴らしい。
読了日:5月8日 著者:翔田寛
ヒコベエ (新潮文庫)ヒコベエ (新潮文庫)感想
新田次郎、藤原ていという作家夫妻の二男として生まれた「ヒコベエ」少年の自伝的小説。「流れる星は生きている」の決死の38度線を越え、命からがらたどり着いた信州の父の実家。貧しくても愛情あふれる一家の姿、腕白で正義感にあふれ、算数が得意なヒコベエの魅力がいっぱいの本。読みやすいのであっという間に読了。お勧めします。
読了日:5月6日 著者:藤原正彦
転迷: 隠蔽捜査4 (新潮文庫)転迷: 隠蔽捜査4 (新潮文庫)感想
大森署長「竜崎」の身辺に降りかかる、近隣署管内の殺人事件と担当区域内の悪質なひき逃げ事件、連続放火事件。麻薬取締官からのクレームと外務省とのやり取り。竜崎の迷いなき采配が見事でいつもながらの安定感、このシリーズは次も楽しみ。早く文庫になぁれ!
読了日:5月5日 著者:今野敏
給食のおにいさん (幻冬舎文庫)給食のおにいさん (幻冬舎文庫)感想
腕利きシェフの「佐々目宗」は、小学校の給食調理員として働くことに。子供嫌いでプライドの高い宗が、イマドキの小学生を相手に奮闘する姿を描いている。保健室登校、ネグレクト、太ってしまった人気子役等々、小学校を舞台に食育と人間的成長を笑いの中に読ませてくれます。サラリと読めますが、内容は中々深いと思います。
読了日:5月4日 著者:遠藤彩見
小太郎の左腕 (小学館文庫 わ 10-3)小太郎の左腕 (小学館文庫 わ 10-3)感想
戦国時代、西国で勢力争いを繰り広げる戸沢家と児玉家。戸沢家の重臣「功名漁り」の異名を持つ「林半右衛門」と左構えの鉄砲の才ある11歳の少年「雑賀小太郎」の物語。話の展開が早く合戦の場面の臨場感ある描写はさすが和田竜、読み応えがありました。面白かったです。
読了日:5月3日 著者:和田竜

読書メーター

4月の読書記録

2014-05-07 16:43:54 | 読書
4月は出かけていたので、やや読書量がペースダウン。

印象に残ったのは「お父さんはやっていない」


2014年4月の読書メーター
読んだ本の数:25冊
読んだページ数:8535ページ
ナイス数:1823ナイス

55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫)55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫)感想
文庫になっていたので、即購入!図書館で長く順番待ちをしていましたがこっちが早かったですw 結婚相談所・空飛ぶ夢をもう一度・キャンピングカー・ペットロス・トラベルヘルパーの5編。同年代の私にとって身につまされるような話ばかり。どれも読みごたえがありました。キャンピングカーのダンナ様、思わずあるあると笑えました。
読了日:4月27日 著者:村上龍
復讐プランナー (河出文庫)復讐プランナー (河出文庫)感想
中学校に入って間もなくイジメにあってしまった雄哉と章司。イジメに立ち向かう術をアドバイスしてくれる不思議な先輩と「復讐ノート」。多感で未熟な中学生たちがイジメをどう克服して行くか、これは中学生とその親御さん世代にお勧めの本です。短いのであっという間に読めますよ。
読了日:4月26日 著者:あさのあつこ
夜の終焉(下) (中公文庫)夜の終焉(下) (中公文庫)感想
20年前に汐灘で起きた殺人事件、その被害者と加害者を結ぶ糸。重い宿命を背負った者同士が一人の少女をきっかけにつながる。煮え切らない「真野」にややイライラとしましたが、読後感は良かったです。シリーズ物ですがこの作品単独でも読めるのでお勧めです。少女の身元は途中で気づいてしまいました!
読了日:4月25日 著者:堂場瞬一
夜の終焉(上) (中公文庫)夜の終焉(上) (中公文庫)感想
故郷を捨て20年、深夜喫茶を営む中年の男「真野」は、目の前で車にひかれて意識を失ったままの少女の唯一の手掛かり、「汐灘」の地図をきっかけに捨てた故郷へ赴くことになる。感想は下巻で。
読了日:4月23日 著者:堂場瞬一
光の雨 (新潮文庫)光の雨 (新潮文庫)感想
2030年、死刑制度の廃止により釈放された元死刑囚「玉井潔」が語る60年前の事件。若い予備校生のカップルに自分たちが夢見た『革命』とその破局の長い物語を伝えてゆく。連合赤軍事件の全容を知ることが出来る貴重な一書。
読了日:4月22日 著者:立松和平
晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)感想
長野に住む元同僚美保の依頼で老舗書店に現れた幽霊事件の謎ときに赴いた、成風堂書店の杏子と多絵。27年前の作家殺人事件の真相を追うことに。短編の方が、このシリーズの良さが出るのではないかと感じましたが、中々面白く読了出来ました。これはシリーズ全編制覇したいと思います。
読了日:4月19日 著者:大崎梢
文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)感想
町の小さな葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台にした連作短編集。こんな葬儀屋さんが身近にあればぜひお世話になってみたいかも?と思わせてくれる。宮木さん、こういう作品も書かれるのかと驚きました。面白かったです!
読了日:4月18日 著者:宮木あや子
水を打つ(下) (実業之日本社文庫)水を打つ(下) (実業之日本社文庫)感想
この小説の中では東京で開催されるオリンピック。国際水連に認められない新型水着と、それに依存してきた天才スイマー小泉。見守るコーチ今岡とメドレーリレーに挑む選手たち。息詰まるレースの展開と選手たちの絆を描いた感動の物語。スポーツ観戦大好きな私にはお気に入りの1冊になりました。
読了日:4月17日 著者:堂場瞬一
水を打つ(上) (実業之日本社文庫)水を打つ(上) (実業之日本社文庫)感想
競泳のオリンピック代表候補の選手たちの物語。北京五輪の直前に話題になった高速水着を思い出しながら一気に読了。感想は下巻で。
読了日:4月16日 著者:堂場瞬一
サイレント・ブラッド (角川文庫)サイレント・ブラッド (角川文庫)感想
失踪した父の車が長野県大町市で見つかり、息子一成が父の足取りを追う。東京出身だと言う父とこの地の関わりは?謎の名前と地名、山岳サスペンスとしても面白く読めた。
読了日:4月15日 著者:北林一光
時限 (講談社文庫)時限 (講談社文庫)感想
単行本で読了済みでした。京女の女性刑事片岡夏子が不可解な首つり死体の謎ときに挑む物語。そういえば、この女性刑事さんがあまり好きじゃなかったということを思い出しながら読了しました。内容としては2時間ドラマ風。
読了日:4月13日 著者:鏑木蓮
配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)感想
駅ビル内書店「成風堂」シリーズ第1弾。大好きな書店が舞台のミステリー。書店員さんのお仕事やバックヤードの様子、お客さんとのやり取りなど、期待通りの面白さ。6冊目のメッセージが大好きです。
読了日:4月11日 著者:大崎梢
あん (一般書)あん (一般書)感想
読み友chimakoさんのお勧め本!やる気のない雇われ店長千太郎が切り盛りする「どら春」に、餡子を美味しく炊くおばあさんがやってきて。おばあさん、徳江さんの指には障害が…。無知による偏見、差別された病、隔離されて名前まで変えさせられた患者たち。ハンセン病の患者さんたちの歩んで来た人生の悲しさがやりきれなくなります。これは沢山の皆さんに読んで欲しいですね。お勧めします。
読了日:4月10日 著者:ドリアン助川
はとの神様はとの神様感想
悟とみなと、二人の少年と、美しいハーフの少女ユリカが出会い、鳩を育てレースに参加させる。前半の3人の冒険はかなりワクワクさせられ、タイトルの意味そのまま。後半は成人した二人の男のそれぞれの鳩レースへの思いと守るべき人への思い。馬は血で走る、鳩は血で飛ぶ、なるほどでした。鳩少年だったダンナに勧めてみようかな?
読了日:4月10日 著者:関口尚
アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)感想
前作の舞台から5年の時を経て、ナイジェルの悲しい最期が。その死の謎を解くカギは彼の秘められた過去。醜い権力者たちの横暴と正義の人サー・ジョン・フィールディング判事の攻防。この終わり方は続きが読めそうかもと期待感大!皆川さん、母と同じ年齢…。お元気で、ぜひぜひ続編をお願いしたいです。
読了日:4月9日 著者:皆川博子
灰と話す男 消防女子!! 高柳蘭の奮闘灰と話す男 消防女子!! 高柳蘭の奮闘感想
シリーズ第2弾。仲間の殉職という悲しみを乗り越え、消防士の使命に生きる蘭。現場の描写は生々しく、地下街の火災のシーンは読んでいて恐ろしくなりました。ラストは涙々。
読了日:4月6日 著者:佐藤青南
幽霊の涙―お鳥見女房幽霊の涙―お鳥見女房感想
代々お鳥見役をおおせつかっている矢島家。今度は息子久太郎が相模の国へ出向いて。嫁いだ娘の懐妊、次男の嫁の流産、夫の思わぬ「遠慮」という沙汰。どんな大変な出来事があっても珠世さんに任せておけばすべて上手くいく。悲しい出来事を乗り越えて、この大家族の行く末が幸多いことを願って読了。
読了日:4月6日 著者:諸田玲子
お父さんはやってないお父さんはやってない感想
通勤電車の中で痴漢をしたと女性に訴えられ、事実無根なので警察に連れて行かれた谷田部さん。話せば分かると言うのは、全く通じない世界。どんなにか辛かったでしょうか。支え続けた奥様あつ子さんの健気さ、表紙のお子さんたちの抗議文、胸に迫りました。映画「それでもボクはやってない」の原作モデルの方と奥様の手記。素人が司法に立ち向かうことの難しさを感じ、冤罪はこうして作られるのかとやりきれなくなりました。お勧めします。
読了日:4月6日 著者:矢田部孝司+あつ子
七色の毒 (単行本)七色の毒 (単行本)感想
犬養刑事が関わる7つの事件。どれもみな人間の悪意が恐ろしい…。黒いハトが一番悪いかな?短編なのであっさりと読み終えてしまい、何だか消化不良です。やはり中山さんの長編が好きですね。
読了日:4月5日 著者:中山七里
レオン氏郷(うじさと)レオン氏郷(うじさと)感想
読み応えがありました。会津の鶴ヶ城を築いた武将という程度の知識しかない私ですが、これを読むと秀吉や政宗が嫌いになりそうですね。氏郷のような人物が天下を取っていたら、歴史はどう動いていたのでしょうか。想像すると面白いです。
読了日:4月5日 著者:安部龍太郎
東京ホタル東京ホタル感想
5人の作家さんの短編集。小松エメルさんは初読みです。それぞれ素敵な物語で良かったですね。このイベント、機会があれば見に行きたいです。表紙がとても美しい!
読了日:4月4日 著者:小路幸也,原田マハ,中村航,小松エメル,穂高明
火天の城火天の城感想
壮大で華麗な安土城を築いた番匠たち。棟梁岡部又右衛門以言、又兵衛以俊親子を中心に話が進められる。信長からの無理難題に智慧を凝らして応える職人の心意気。父と息子がいつしか心を通わせ、共に天主構築に励む姿は感動的でした。愚かな信雄のせいでこのお城が焼失してしまったことは、返す返すも残念です。
読了日:4月3日 著者:山本兼一
茨の木茨の木感想
亡き父の遺品のヴァイオリンのルーツを探す旅に、イギリスへ渡った真二。湖水地方の小さなホテルの主、マリーさんが素敵で、こんな場所に泊まってみたいと思ったり。ラストで兄の思いに気づいたシーン、響子の演奏、涙が出ました。さださんは、物語作りが上手いですね。お勧めです。
読了日:4月2日 著者:さだまさし
僕と先生僕と先生感想
お久しぶりの隼人君と二葉の謎とき。前作から時間が経っていたけれど、読み始めたらあっという間に世界に入り込めました。怪盗レディバード、やっぱりそれは犯罪でしょ~?「優しい人」と「差別と区別」が好みでした。これはシリーズ化して欲しいですね。面白かったです。
読了日:4月2日 著者:坂木司
シャイロックの子供たちシャイロックの子供たち感想
東京第一銀行長原支店を舞台にした群像劇。立身出世だけが望みの副支店長、バンカーとしての理想と上司からの締め付けに悩む若手行員、成果を期待されるあまり精神を病む者、支店内で起きた事件を追ううちに突然失踪するもの、エースとして期待されながら不正に手を染める者、銀行ってホントにこんな事件が多いのかしら?池井戸作品にしては、スッキリ面白いと言う印象ではなかったですね。
読了日:4月1日 著者:池井戸潤

読書メーター

3月の読書記録その2

2014-04-01 13:16:27 | 読書
先月は47冊読了。
感想文もその分多くなって、文字数がオーバーしたので、読書記録も
2回に分けました。

月の前半に読んだ分の記録です。




歩いても歩いても歩いても歩いても感想
再読。しかし以前読んだ記憶が全くなかったことに驚く。家族とは難しく、特に親に対する想いというものは、ひと言では語りつくせない。父を亡くした今読んでみて、ストンと心に落ちる文章が沢山あったことに気づく。良い時期に読み返せたことに感謝です。
読了日:3月10日 著者:是枝裕和
紙コップのオリオン紙コップのオリオン感想
市川さん、初読み。母親がいきなり家を出て、やんちゃな妹と血のつながらない父と3人で暮らすことになった中2の「論里」。創立20周年行事の実行委員になり、キャンドルナイトをやることに。母のとった行動には、最後まで納得いかない私ですが、論里の成長ぶりが読んでいて清々しく感じました。ましろという名前、素敵だと思います!
読了日:3月10日 著者:市川朔久子
にわか大根 猿若町捕物帳にわか大根 猿若町捕物帳感想
近藤さんの江戸物は初読みです。三十過ぎの独身の同心玉島千蔭が痴情のもつれに絡んだ殺人事件を追う連作中編。男女の機微には疎い千蔭が何となく面白く、吉原の梅ヶ枝や女形の巴之丞など脇を固める人物も中々魅力的。シリーズ3作目らしいので、さかのぼって前作も読みたいと思います。
読了日:3月10日 著者:近藤史恵
優しい死神の飼い方優しい死神の飼い方感想
丘の上に建つ、古い洋館を改装したホスピス。そこに現れた1匹のゴールデンレトリバー。レオの口調が何ともユーモラスでやや時代錯誤というのが良かったですね。そうか、死神は本当は◎◎だったのね。
読了日:3月9日 著者:知念実希人
川の光2 - タミーを救え!川の光2 - タミーを救え!感想
悪質動物販売業者ツヨシとマモルに囚われた、ゴールデンレトリバーの「タミー」救出大作戦。大東京の西から東へ様々な困難を乗り越え、知恵と勇気を持って戦う犬、ネズミ、スズメ、クマタカ。彼らの友情は素敵です!新聞連載時も楽しく読みましたが、一気に読めて幸せ。外伝もあるということなので、そちらも読んでみたいですね。
読了日:3月8日 著者:松浦寿輝
ブラックボックスブラックボックス感想
便利だから、キレイだから、安全らしいから…。私もつい手軽なものに手を伸ばしたくなるけれど、この本を読むとパック詰めされたカット野菜は怖くて食べられなくなりそう。カットされていなくても、スーパーに置いてある葉物野菜は工場のような場所で作られているものも多いわけだし。食の安全について深く考えさせられる1冊ですね。
読了日:3月7日 著者:篠田節子
14歳のノクターン (teens’hert selections)14歳のノクターン (teens’hert selections)感想
初めての作家さん。昭和30年代の中期、東京オリンピックを前に高度成長の始まった東京の小田急線沿線の私学の中等部に通う14歳の少女たちの物語。携帯もPCもないこの時代、少女たちの悩みはいつの世も変わらない。児童書コーナーで見つけて読了。思春期前半の少女たちにお勧めですね。
読了日:3月6日 著者:さとうまきこ
引き出しの中の家 (ノベルズ・エクスプレス)引き出しの中の家 (ノベルズ・エクスプレス)感想
「花明り」という小さな人と、瑠璃という虫よりも小さい小鳥。花明りの住まうところは美しい花が咲き、人々に幸せをもたらすと言う。七重さんと独楽子さん、薫ちゃんと桜子ちゃん、世代を超えたつながりがとても素晴らしく、良い読書の時間を持つことが出来ました。アリエッティやコロボックルを連想出来たり、お花の周りで良い香りがすると、花明りを思い出しそうです。
読了日:3月6日 著者:朽木祥
鉄童の旅鉄童の旅感想
かつて「鉄童」と呼ばれた少年がいた。その子供は成長し、列車の車両を検査する職業に就くことになる。彼には幼い日の記憶がない。その事実を知るための長い長い旅路、鉄道好きなら間違いなく楽しめる1冊だと思います。
読了日:3月5日 著者:佐川光晴
雉猫心中雉猫心中感想
猫、というタイトルにつられて読みましたが、正直不快感でいっぱい…。やっと読み終えました。私には理解不能な世界でした。不倫ものはやはり苦手です。
読了日:3月5日 著者:井上荒野
GO! GO! アリゲーターズGO! GO! アリゲーターズ感想
地方都市の独立リーグ球団「アリゲーターズ」の球団職員兼マスコットのアリーちゃんに扮するシングルマザー茜の奮戦記。個性豊かな選手やGM、監督やオーナーも良い人ぞろい。これもお仕事小説ジャンルになると思いますが、やはり安定の面白さでした。
読了日:3月5日 著者:山本幸久
身をつくし 清四郎よろづ屋始末身をつくし 清四郎よろづ屋始末感想
よろづ屋清四郎、元南町奉行所筆頭与力の彼の元に持ち込まれる様々な困りごと。これ、シリーズ化希望です。田牧さん、期待を裏切らない面白さ!
読了日:3月4日 著者:田牧大和
猿の悲しみ猿の悲しみ感想
風町サエは、とある弁護士事務所の調査員。表の雑務も裏の仕事も請け負う。彼女の生きるよすがは、16歳で産んだ一人息子の聖也。うーーん、何だかスッキリしない結末で不完全燃焼な読書でした。残念!
読了日:3月3日 著者:樋口有介
くるくるコンパス (一般書)くるくるコンパス (一般書)感想
修学旅行を抜けだして、転校した女子生徒の家をたずねようと計画した男子中学生3人組。大阪駅で迷子になりかけ、不良に恐喝されそうになり、ようやくたどり着いた彼女の家は留守。そしてその場所で待っていたものは?ゴリ先生が素敵で良かった!3人のその後は修学旅行がきっかけになったという、ちょっと胸の熱くなる物語です。
読了日:3月2日 著者:越谷オサム
聖夜 ― School and Music聖夜 ― School and Music感想
オルガン奏者の高校生の物語。牧師の父とピアノ・オルガンの奏者の母の間に生まれた一哉。信仰への疑問、両親への不信、様々なことを乗り越えて、オルガン部の友と奏でる聖夜の音楽。『このオルガンが弾けてよかった。このオルガンを聴けてよかった。この曲をやってよかった。』この本を読むと、パイプオルガンの音色を聴いてみたくなります。
読了日:3月2日 著者:佐藤多佳子
彼女の時効彼女の時効感想
夫をひき逃げ事故で失った久子は、命日に彼の好きな野の花を供えに事故現場を訪れる。そこで出会ったのは17年前に殺された政子。彼女の姿は久子にしか見ることが出来ない。罪を犯して逃げている人を許せるかどうか、奇しくもこの二人の女性に関わった犯人の現在の状況は悲惨なものになってしまっている。「罪を償う機会を与えられない限り、罪を犯した人間自身が救われない」このことを作者は訴えたかったのでしょうね。
読了日:3月2日 著者:新津きよみ
パパは今日、運動会パパは今日、運動会感想
楽しく読了。カキツバタ文具の社内運動会、日頃会社で見せる顔とは違う一面が垣間見えるイベント。高城母、まるで四次元ポケットのようで笑わせてもらえました。気分転換に良い1冊です。
読了日:3月2日 著者:山本幸久
生存者ゼロ (『このミス』大賞シリーズ)生存者ゼロ (『このミス』大賞シリーズ)感想
あぁ、こんなに苦戦した本は久々です…。人類を襲う恐怖の正体が明らかになってからは、どんどん読み進めることが出来ましたが。この国を引っ張る政治家の資質が問われると言うことと、能力があるのに報われない研究者が哀れだったと言う感想でおしまいです。
読了日:3月1日 著者:安生正

読書メーター

3月の読書記録その1

2014-04-01 12:49:06 | 読書
3月もせっせと図書館に通いました。

限度いっぱい予約して、限度いっぱい借りてくるので、〆切り
に追われるように読み飛ばすこともあって、そこは反省


3月は印象に残る本が多々ありました。


さだまさしさんの「風に立つライオン」
篠田節子さんの「ブラックボックス」

あと、児童書のジャンルですが、市川朔久子さんの
「紙コップのオリオン」「よるの美容院」も良かったです。

あと、これぞエンタメっていうジャンルでは
恒川光太郎さんの「金色機械」
これ、ホントに面白かったですよー!





2014年3月の読書メーター
読んだ本の数:47冊
読んだページ数:15315ページ
ナイス数:4253ナイス

野川野川感想
両親の離婚で2学期から都下の野川の崖地にある中学校に転校してきた「井上音和」。自然豊かな野川の風景、教師河井の語る様々なこと、新聞部と伝書鳩。春生まれの若い鳩「コマメ」とともに少しずつ成長する音和が愛おしくてたまらなかった。じんわりと感動をする良書だと思います。
読了日:3月31日 著者:長野まゆみ
幻夏 (単行本)幻夏 (単行本)感想
夏休みに友達になった小6小3の兄弟と、同じく小6の男の子。新学期が始まってすぐに兄弟の兄、尚が行方不明になる。23年の時を経て兄弟の母親から一人の探偵が行方不明になった尚の捜索を依頼され、そこから物語が動いて行く。背景には、切ない冤罪事件が。警察、検察、裁判官、寄ってたかって冤罪者を作るような現状はあってはならないと思いました。袴田さんが48年に渡る牢獄から出られたタイミングで読めて良かったです。太田さん、初読み。もっと他の作品も読みたくなりました。
読了日:3月31日 著者:太田愛
蛍の森蛍の森感想
石井さん、初読み。60年前にあった激しい差別と人権蹂躙、悲劇の連鎖が現代の日本にまで続いていた。とても重い物語ではあるけれど、こうしたことから目をそらしてはいけないと思いました。最後の数ページで明かされた事実、涙々で読了しました。
読了日:3月31日 著者:石井光太
海と月の迷路海と月の迷路感想
読み応えがありました。N県警の警察学校校長まで勤めた荒巻が、定年退職を迎えたその時に語った、若き日の事件。端島=作中ではH島とされ、炭鉱の島として栄えた軍艦島。その町で起きた陰惨な事件を駆け出しの派出所巡査の荒巻が追いかけた顛末。島の人間関係、鉱山会社の職員、鉱夫、組夫の上下関係。狭い島に5000人の人口、生活はお互いを知り尽くしているその中で何故事件が起きたのか。さすが大沢さん、一気に読ませてもらいました。
読了日:3月29日 著者:大沢在昌
追憶の夜想曲追憶の夜想曲感想
御子柴弁護士シリーズ第2弾。高額な報酬と引き換えに弁護を行うという評判の御子柴が、お金のためではなく、夫殺しの妻の弁護を引き受ける…。岬検事との息詰まる法廷劇と、過去の…。禍々しい犯行シーンは読んでいて気分は良くありませんが一気に読ませる筆力はさすがだと思います。さて、御子柴さん、これからどうなるのでしょうか?
読了日:3月28日 著者:中山七里
空色メモリ空色メモリ感想
地味な文芸部のさえない男子の青春物語。楽しかったです!
読了日:3月26日 著者:越谷オサム
よるの美容院よるの美容院感想
ひるま美容院を営むナオコ先生の素敵な手で、私もシャンプーをしてもらいたくなりました。声を出せなくなったまゆ子の成長と、それを見守り寄りそう素敵な大人や友達。児童書ですが大人も読んで欲しいですね。
読了日:3月25日 著者:市川朔久子
金色機械金色機械感想
あー、面白かったです!これぞ、読書の醍醐味。人里離れた山奥に住む金色様。彼はどこからやって来て、どこへ行くのでしょうか?本当に奥山の人の分け入ることの難しいところに、極楽園いや、鬼御殿があったのかも知れませんね。
読了日:3月25日 著者:恒川光太郎
等伯 〈下〉等伯 〈下〉感想
狩野派との熾烈な争い、権力者の横暴さ、それに付随する権謀術数。様々なものに翻弄されながらも絵師としての高みを目指す等伯。気迫のこもった松林図屏風を書きあげる場面は息がとまるほどの感動でした。
読了日:3月24日 著者:安部龍太郎
等伯 〈上〉等伯 〈上〉感想
時の権力者に翻弄された長谷川信春(等伯)の前半生。能登七尾を追われ、妻子とともに苦労を続けるその暮らしぶり。一流の絵師としての記述は下巻で明らかになるのかな?中々苦戦しましたがようやく読了。下巻にて感想をまとめたいと思います。
読了日:3月23日 著者:安部龍太郎
せきれい荘のタマルせきれい荘のタマル感想
大学入学と同時に入居したアパートせきれい荘の隣人は、田丸大介=タマル。熱くてお人好しで、強引なこの男。最初は寿史同様にこんな男は迷惑だなあと思って読み進めていたら、グングン彼の魅力に惹き付けられます。タマルくんの興奮した時の新潟弁が面白かったです!
読了日:3月22日 著者:越谷オサム
チョコレートの町チョコレートの町感想
故郷が嫌いで高校卒業と同時に町を飛び出した「早瀬遼」。トラブルの後始末のためにいきなり実家のある町の支店に出向くことに。チョコレート工場のある地方都市の閉塞感、同級生たちの考え方、両親や兄との関わり。1ヶ月半を過ごして東京(川崎)へ戻ることになった遼の胸の中は、きっと今までとは違った故郷への思いでいっぱいだったでしょうね。上司、吉村さんが素敵でした。大きな事件が起きるわけではないけれど、読み心地の良い1冊です。
読了日:3月21日 著者:飛鳥井千砂
風に立つライオン風に立つライオン感想
ケニアと南スーダンの紛争地帯の病院で働く日本人医師「島田航一郎」と少年兵だった「ンドゥング」の出会い。時を経て震災直後の石巻で「ンドゥング」が見て感じたこと。涙なくして読めませんでした。久しぶりに聴いた「風に立つライオン」、やはり名曲ですね。これは、お勧めです。
読了日:3月21日 著者:さだまさし
昭和の犬昭和の犬感想
昭和33年生まれの「イク」の半生記と言えるのかな?犬たちと猫、そしてシベリア抑留から10年を経て復員した父と、教員としての矜持を強く持つ母との間に育ち、家族的には恵まれたとは言えないその生き方。本人は「私の人生は恵まれていた」と語っているけれど、切ない物語でした。姫野さんの作品としては「リアルシンデレラ」の方が好きです…。
読了日:3月20日 著者:姫野カオルコ
シリウスの道シリウスの道感想
祐介・勝哉・明子、3人の幼なじみの25年前の出来ごとと、38歳になった祐介の広告代理店での仕事。どういうつながりになるのかとどんどん読み進めました。新宿のバーのマスター朝井さん、あの朝井さんだったのか…。もう、藤原さんの新作を読めないと思うと残念です。。
読了日:3月19日 著者:藤原伊織
緑ヶ丘小学校大運動会緑ヶ丘小学校大運動会感想
6年生のマサルは運動会当日の朝、優勝杯の中に隠されたビーズ細工のピルケースを見つけてしまう。タイトルから想像した楽しい小学校の運動会ではなく、ミステリーでした。登場人物が多くて少し混乱したけれど、一気に読了。イマドキの小学校運動会事情やPTA事情なども絡め、中々考えさせられる内容です。
読了日:3月18日 著者:森谷明子
星火瞬く星火瞬く感想
シーボルトが2度目の来日をした折に同行した息子アレキサンダーを通して描かれる幕末の日本。歴史上の有名人が多々登場して、面白く読めました。ロシアの革命家バクーニンのことが主に語られていたけれど、父シーボルトのことをもう少し読みたかったですね。
読了日:3月18日 著者:葉室麟
三日間の相棒三日間の相棒感想
正体不明の新宿からやって来た探偵と、元県警捜査一課の刑事で左遷され所轄の警察署の会計係の男が、埼玉の田舎町で6年前のホスト殺害事件の真相を追う。このコンビ、正反対のキャラクターで面白いのでしょうが、何だか中途半端な感じがして読み心地は今一つ。残念!
読了日:3月17日 著者:永瀬隼介
チェンジングチェンジング感想
小学校5年生の大夢(タイム)が、大好きな本と大切な友達、料理を作ることを通していじめのあるクラスを立て直していく物語。児童書ですが、大人にもうったえる部分が沢山ありました。小学校中学年以上のお子さんをお持ちの皆さん、親子で読まれたら良いと思いますよ。
読了日:3月16日 著者:吉富多美
帝王、死すべし帝王、死すべし感想
息子の日記を盗み見て、いじめがあるのではと、妻にも相談しないで学校に乗りこむ父。日記の中に記されたいじめの首謀者「帝王」は誰?ラストの展開に驚愕、久しぶりに折原ワールドを堪能させてもらいました。面白かった!
読了日:3月16日 著者:折原一
虹色の皿虹色の皿感想
大阪のあべのにある調理師学校を卒業し、神戸の一流フレンチの店に就職して頑張る「小西比呂」。まあ、作者の体験を元に書かれた物語なのでしょうが、あまりにもこの主人公のキャラクターがいい加減で、好きになれず。。残念!
読了日:3月15日 著者:拓未司
花鳥の夢花鳥の夢感想
室町時代末期、戦国、安土桃山の時代を生きた絵師「狩野永徳」。絵師としての才気あふれる姿と、才能の劣る父への思い、ライバル長谷川等伯への嫉妬。読み応えのある1冊でした。山本さんに謹んで合掌。
読了日:3月15日 著者:山本兼一
冬虫夏草冬虫夏草感想
この世界観は何とも言えぬ雰囲気があり大好きです。綿貫征四郎が愛犬ゴローを探しに家を出る。イワナや河童、そして様々な植物。ゴローは何の役目を果たしていたのかしら?
読了日:3月14日 著者:梨木香歩
検察者検察者感想
検察審査会とは、不起訴処分になった事件を起訴相当か不起訴かを審議するもの。企業の管理職のためのセミナーで、しごきによるものと見られた死亡事件が起き不起訴となった事件を、この審査会で取り上げるようにと依頼された一人の女性。しごき事件と、一人の男の殺人事件がつながって行くプロセス、中々読み応えがあり面白かったです。小杉さんの法廷ものは良いですね~。
読了日:3月14日 著者:小杉健治
小説 友情無限  孫文を支えた日本男児小説 友情無限 孫文を支えた日本男児感想
壮大な日中の近代史とも言うべき本。中国の民衆を救おうとした「孫文」と、彼を支援した日本人実業家「梅屋庄吉」。彼らがもう少し長く生きていたならば、あの悲惨な日中戦争も起きていなかったかもしれない。孫文の生前最後の神戸での講演『欧米は物質文明中心で、武力を持ってアジアを支配しようとした。それを覇道という。アジアは仁義と道徳をもとに、人を圧迫しない文化、それを王道という』という趣旨。これには感動した。結局日本も軍部が実権を握り覇道を持って中国を支配しようとしたことで孫文の理想も叶わず。意義ある読書。
読了日:3月13日 著者:井沢元彦
マタタビ潔子の猫魂(ねこだま) (ダ・ヴィンチブックス)マタタビ潔子の猫魂(ねこだま) (ダ・ヴィンチブックス)感想
田万川潔子は冴えない派遣OL。飼い猫メロは潔子が放つ負のパワーを受け止め猫魂となり憑依する。憑き物退治のお話は、鬼ヒトデ、アライグマ、西洋タンポポ、フェレットと多様で興味深い。狸とのバトルが笑えて面白かった!朱野さん2作目。
読了日:3月12日 著者:朱野帰子
快挙快挙感想
小説家を目指す「俊彦」と、それを支える妻の「みすみ」。その道のりは平たんではなく、俊彦の作家デビューは中々実現しない。夫婦の間にも病があったり、迷いがあったり。最後のページが素晴らしく、読み始めはやや苦戦したけれど、いい読後感でした。私にとっての「快挙」は何でしょうか。。
読了日:3月12日 著者:白石一文
家族収容所―「妻」という謎家族収容所―「妻」という謎感想
うーーん・・・。この方の文章、私には少し合わないようです。もし、私が家族に問題が起こってカウンセリングを受けるような事態になったら、この方を相談相手にはしたくないかもと思ってしまいました。
読了日:3月11日 著者:信田さよ子
光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島感想
ずっと忘れないで伝えていくこと。読友さんの感想から出会えた素晴らしい1冊でした。語り継ぐこと、耳を傾けること、その大切さが身にしみました。
読了日:3月11日 著者:朽木祥
歩いても歩いても歩いても歩いても感想
再読。しかし以前読んだ記憶が全くなかったことに驚く。家族とは難しく、特に親に対する想いというものは、ひと言では語りつくせない。父を亡くした今読んでみて、ストンと心に落ちる文章が沢山あったことに気づく。良い時期に読み返せたことに感謝です。
読了日:3月10日 著者: -->

国際アンデルセン賞

2014-03-25 12:12:34 | 読書
今、ニュースを見ていたら、とっても嬉しいニュース!


大好きな「上橋菜穂子」先生が、国際アンデルセン賞を受賞
されたと。

大好きな守り人シリーズや、獣の奏者シリーズを書かれていて
文庫本でそろえてあるのです。


日本人では1994年の「まど みちお」さん以来の受賞と。



すごいな~、本当におめでとうございます!

2月の読書記録

2014-03-01 10:47:31 | 読書
2月も良い本に沢山出会えました。

イチオシは 乙一さんの「暗いところで待ち合わせ」

新潟が舞台の「ミッドナイト・バス」伊吹有喜さんも良かった!

泣けたのは、有川浩さんの「旅猫リポート」
これは、人前で読んではいけません!




2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:42冊
読んだページ数:13304ページ
ナイス数:3899ナイス

さようなら、オレンジ (単行本)さようなら、オレンジ (単行本)感想
難民としてアフリカの母国を追われ移民してきたサリマ、夫の仕事で住まうことになった日本人のsayuri、現地人の夫と結婚を機に住まうイタリア人のパオラ。現地の言葉を学ぼうとして語学学校で出会った彼女ら、主にサリマを中心に物語は進む。サリマの文字を読めるようになった時の喜び、次男の学校での授業、そして駅のシーンは何とも感動的。3人それぞれの明るい未来が暗示されるラストも好みでした。
読了日:2月28日 著者:岩城けい
子育てはもう卒業します子育てはもう卒業します感想
ほぼ、私と同世代の母親三人とその子供たちの物語。女子が地方から東京の私学に入学して就職する難しさ、子育てに関わる様々な悩み、夫や実家に対する思い、共感する部分が沢山ありました。子供は自分の思うようには育たない、自立させることが出来たらそこで子育ては卒業、自分の人生を生きた方がずっと幸せだと実感しますね。
読了日:2月28日 著者:垣谷美雨
疾風ロンド (実業之日本社文庫)疾風ロンド (実業之日本社文庫)感想
一気に読み切れる面白さですね。雪のある時期に読めて良かった。最後までハラハラドキドキ、落ちが面白くて爆笑です。
読了日:2月27日 著者:東野圭吾
水晶婚水晶婚感想
玉岡さんの短編集は初めてかも?様々な、結婚や恋愛に悩む女性たちを描いている。どこか心に引っかかる、何となく重たいけれど同性として分かる部分が多い。でも、やはり玉岡さんは長編の方が好きですね。
読了日:2月26日 著者:玉岡かおる
かんかん橋を渡ったらかんかん橋を渡ったら感想
山間の小さな町津雲で暮らす「ののや」の娘真子。元高校球児だった寡黙な父と暮らす。町中にある石で出来た「かんかん橋」、小さな町で暮らす人々の暮らしぶりが丁寧に描かれていて素敵な作品でした。奈央さんが素敵で、懸命に生きる珠美が愛おしくて、何と言っても真子の成長ぶりも見ていて清々しい。大将…!
読了日:2月26日 著者:あさのあつこ
暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)感想
とある駅の目の前の一軒家に住む目の不自由なミチル。駅のホームで起きた殺人事件の容疑者アキヒロが、ミチルの家に逃げ込む。他人の気配に怯えるミチル…。あー面白かったです。名作ですね。
読了日:2月25日 著者:乙一
桜ほうさら桜ほうさら感想
父を陥れた凄腕の代書人をさがして、江戸の富勘長屋で暮らす古橋笙之介。長屋の人情あふれる隣人たちと、何やらきな臭い国元のお家事情。明らかになる冤罪事件の真相は、悲しくて切ないものだけど、和香さんと笙之介の未来が明るいラストで良かった。
読了日:2月25日 著者:宮部みゆき
おにいちゃんのハナビ (朝日文庫)おにいちゃんのハナビ (朝日文庫)感想
日本一の花火の町片貝に、病弱な妹ハナの健康のために東京から移住してきた須藤家。中3という微妙な時期の転居に心に屈託を抱えた兄太郎。持病のぜんそくは癒えたのに白血病になったハナ。兄妹、それをかこむ両親や同級生、町の人々。映画をノベライズした本ということですが、花火の情景が目に浮かぶような素敵な1冊です。これも人前で読んではいけませんね~。泣けます。
読了日:2月24日 著者:小路幸也
沈黙のエール沈黙のエール感想
父が何者かに殺害され、同日実家である洋菓子店が放火されてしまう。パリへのパティシエ修行出発を目前にした里菜の前には、親戚の子という10歳の見知らぬ少年陽介も現れる。家族の謎と絆、沈黙のエールというタイトルに納得。真犯人には、やや興ざめ。
読了日:2月24日 著者:横関大
第二音楽室―School and Music第二音楽室―School and Music感想
音楽がテーマの4編の短編集。タイトルの第二音楽室は小学生、デュエットとFOURは中学生、裸樹は高校生。音を奏でることの楽しさ、演奏をやり遂げた時の満足感。素敵な1冊でした。リコーダーアンサンブルがテーマのFOURが一番好きです。
読了日:2月23日 著者:佐藤多佳子
狼と兎のゲーム狼と兎のゲーム感想
こんなひどい父親、こういう人物は親になってはいけない。さらにこの父親の職業。夏休みにDVの父から逃亡する小学5年生の息子と親友。冒険というにはあまりにも切なく、幕切れもスッキリと納得はできません。
読了日:2月23日 著者:我孫子武丸
旅猫リポート旅猫リポート感想
猫の日記念の1冊。サトルとナナの強いきずな、途中から涙が止まりませんでした。猫の視点からみた物語、賢くて愛らしい猫ナナ。あぁ、ダメだ感想になりません。。
読了日:2月22日 著者:有川浩
つづきの図書館つづきの図書館感想
柏葉さん、初読み。小学生時代を過ごした町の小さな図書館に司書として勤めることになった桃さん。その目の前に現れたのは絵本の中から抜け出してきた、様々なキャラクター!その絵本を読んでくれた子供のその後、つづきを知りたいと。面白かったです。子供向けというより、大人が読んでも共感出来る本ですね。
読了日:2月22日 著者:柏葉幸子
風のマジム風のマジム感想
さとうきびの島で、さとうきびのお酒ラムを作る。夢を諦めずにひたすら突っ走る「まじむ」。うちなー言葉で真心、素敵な名前の女性が主人公のサクセスストーリー。南大東島、台風のニュースでよく耳にするこの島へ行ってみたくなりました。面白くて涙あり、大好物の1冊です!
読了日:2月22日 著者:原田マハ
土井徹先生の診療事件簿土井徹先生の診療事件簿感想
土井徹先生=ドリトル先生??動物と話が出来る老獣医師の土井先生が、キャリア警察副署長の立花令子に事件解決のアドバイスをする。連作短編で、サラリと読めます。シリーズ第1作らしいから、続編があったら読んでみたいです。
読了日:2月21日 著者:五十嵐貴久
白い疵(きず) 英雄の死白い疵(きず) 英雄の死感想
震災後の混乱の時期、当時の総理を支えた少壮の政治学者月尾雄大。そのカリスマ性に民衆は魅かれる。彼の警護を請け負った元警視庁の女SPで探偵業の黒木莉子。うーん、実際の政治家が脳裏にちらつきスピーディーな展開は面白かったですが。英雄は死してこのあとどうなるのか?ここで終わってあとは読者が想像すべきものなのか?
読了日:2月21日 著者:永瀬隼介
御師(おんし) 弥五郎―お伊勢参り道中記御師(おんし) 弥五郎―お伊勢参り道中記感想
江戸時代、お伊勢参りに出かけることは、現代の人間からみたら至難の業。元武家の出でありながら下命により材木商になった巽屋清兵衛が、御師弥五郎の助けを受けながらお伊勢参りと旧主を尋ねる旅の顛末記。西條さんの作品は安定の面白さ。
読了日:2月20日 著者:西條奈加
美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)美雪晴れ―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)感想
澪の目指すべきものへは、あとひと息。芳さんの一柳への輿入れ、佐兵衛の料理への思い、みんな良い方向に向かって行きそうですね。大好きなシリーズがあと1冊で完結するのは楽しみであり、寂しさもあり。8月を楽しみに待ちたいですね!記念すべき読メ登録2000冊目になりました。
読了日:2月19日 著者:高田郁
世界でいちばん美しい世界でいちばん美しい感想
音楽の才能に恵まれた「せったくん」こと雪踏文彦と、一流音楽家の孫である主人公の30歳までの音楽を通した生きざま。「船に乗れ」のあの子の小学生時代を見ることが出来て嬉しかったですね。才能を見いだされ、一流になれる人というのは、稀有な存在なのでしょう。でも、せったくんの楽曲が陽の目を見るようなラストならもっと好ましいと思いました。
読了日:2月19日 著者:藤谷治
階段途中のビッグ・ノイズ (幻冬舎文庫)階段途中のビッグ・ノイズ (幻冬舎文庫)感想
これぞザ・青春!面白かったです。ほとんど部活動をしていない先輩が起こした不祥事のために廃部させられそうになった軽音楽部の「神山啓人」。気弱な彼が猪突猛進の伸太郎に引っ張られ、文化祭での一発ドカンを目指す!カトセンが、滅茶苦茶良い味でした!ロックンロール、聴きたくなりますね。
読了日:2月17日 著者:越谷オサム
きみ去りしのち (文春文庫)きみ去りしのち (文春文庫)感想
幼い息子を喪った男が、前妻のもとに残してきた娘明日香と旅をする。亡くした人への想いや悲しみは簡単に癒されるものではないが、この主人公のように旅をして妻や子と暮らした現実から逃れようとしている感じにはあまり共感出来ず…。娘明日香と前妻美恵子の関係や生き方も何だか好きではない。前妻の病と死と、幼い息子の死、これはこの本1冊で絡めて描いて欲しくなかったような。。うーん、あまり好きではなかったかもしれない1冊でした。
読了日:2月17日 著者:重松清
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)感想
今回もあっという間に読了。大輔と栞子の恋の展開も楽しめたし、ブラックジャックにまつわる謎も面白かったです。母智恵子との関係はこれからどう進んでいくのかな?次の巻が待ち遠しいですね。
読了日:2月17日 著者:三上延
ローカル線で行こう!ローカル線で行こう!感想
第三セクター「もりはら鉄道」は、県から廃線を画策される赤字線。その鉄道を立て直すために雇われたのはカリスマアテンダントの篠宮亜佐美。社長となった彼女と県庁から出向した副社長の鵜沢。立ちはだかる難問をものともせず突っ走る社長と支える社員たち。とんとん拍子に物事が進み過ぎるけれど、面白いから良しとしましょう。
読了日:2月14日 著者:真保裕一
ジョン・マン 青雲編ジョン・マン 青雲編感想
万次郎のアメリカでの学びの日々。フェアヘブンの町で小学校に通い、教会の日曜学校で子供たちに航海の話をする。差別もあるが、ジョン・マンの優れた資質と彼自身の性格で満ち足りた日々を送る。これから先、長く続くシリーズになるのでしょうが面白くて次が楽しみですね。
読了日:2月14日 著者:山本一力
RE*PAIRRE*PAIR感想
父の跡を継ぎ皮製品の修理をする工房を営む透子。川沿いの工房の向かいのマンションにかつての婚約者が妻子と共に引越して来て心が揺れる。仕事に向かう姿勢は潔く素敵な女性なのに、恋を引きずる姿は痛々しく感じました。ラストに少し明るい兆しが見えたので読み心地は悪くないですね。
読了日:2月13日 著者:吉永南央
坂道の向こうにある海坂道の向こうにある海感想
介護福祉施設で働く男女4人の恋物語。朝子・梓・正人・卓也の4人を中心に彼らの周りの家族や職場、友人を交えて話しが進む。自分の子供たちの年代の恋愛模様、親目線で読んでしまいがちです。複雑な恋愛の話しなのに、爽やかに読み終えることが出来たのは、椰月さんの文章の力かもしれません。小田原城の象の名前がウメ子だったと言うのは初めて知りました。
読了日:2月13日 著者:椰月美智子
しらない町しらない町感想
映画監督を夢見る門川。大阪のアパート管理のアルバイトで、孤独死した帯屋老人の遺品の中から見つけた8ミリフィルムに強い興味を持ち、彼の来し方をドキュメンタリーとして作成することを思い立つ。ラストの一文に感動しました。鏑木さんらしい、人情味あふれる作品で読み心地は良かったです。コメント欄に抜粋。
読了日:2月12日 著者:鏑木蓮
ミッドナイト・バスミッドナイト・バス感想
東京で若くして家庭を持ち仕事に頑張ってきた利一、故郷新潟に戻って来たものの妻と母の不仲で家庭は壊れる。16年の時を経て白鳥バスの長距離運転手となった利一と、別れた妻美雪が再会。置いていかれた子供たちの気持ち、嫌いになって別れたわけではない二人、失われた時は戻せないけれど、家族の再生と希望の見えるラストは良かったと思います。新潟の風景が目に浮かぶようで、素敵な文章です。高速道路と新幹線が並走する新潟平野、信濃川にかかる万代橋、弥彦山からの眺望。
読了日:2月11日 著者:伊吹有喜
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
読メで好評価なこの本、図書館の返却棚で発見して早速読破。いやぁ、本当に面白かったです。解剖学者とその弟子たち、18世紀のロンドンの風物、歴史背景。皆川さん、初読みでしたが今まで読まずにいたことを反省。
読了日:2月11日 著者:皆川博子
月の上の観覧車月の上の観覧車感想
8編の短編からなる。タイトルの「月の上の観覧車」が一番好みの作品。「トンネル鏡」も同世代の人間として共感出来る部分があり好きです。作者と同年代の読者なら、おそらく読みやすくて好きな本ではないかと。
読了日:2月9日 著者:荻原浩
凍雨凍雨感想
亡き夫の慰霊登山をする母と子、時を同じくして山に入り込む無頼の男たち、その男たちを追う中国人組織。次々にバイオレンスなシーンが現れスピーディーな展開。でも、内容的には今一つ。残念でした。嶺雲岳1922m、どの山がモデルになっているのだろう?
読了日:2月8日 著者:大倉崇裕
向かい風で飛べ!向かい風で飛べ!感想
ソチで金メダルを期待される女子ジャンプ。競技開始前に読めて良かったです。天才少女と呼ばれる小山内理子と札幌からジャンプの盛んな町へ引越してきて、ジャンプを始めた室井さつき。二人の少女の成長譚として、そしてジャンプ競技の基礎的なことを知ると言う意味でも良い本でした。今までの乾さんの作品とは違っていて、良い意味で驚かせてもらえました。
読了日:2月8日 著者:乾ルカ
花合せ――濱次お役者双六――花合せ――濱次お役者双六――感想
女形濱次が突然見知らぬ町娘に押し付けられた「変化朝顔の鉢植え」をめぐる謎を追う。中々面白く読めました。
読了日:2月7日 著者:田牧大和
消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生 (『このミス』大賞シリーズ)消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生 (『このミス』大賞シリーズ)感想
横浜市消防局の新人女性消防士の成長譚。消火活動の最中に命を落とした父の背を追い、男社会の中で頑張る高柳蘭、中々面白かったです。シリーズもののようなので、次作も読みます!
読了日:2月6日 著者:佐藤青南
海に降る海に降る感想
まだまだ未知の部分が多い深海探査。宇宙飛行士は約500人に対して海底探査機のパイロットはわずか40人!その半数の20人が日本人だとも。太陽の届かない深海に降り積もるマリンスノー、未知なる生き物を探しに行くというロマン。とても読み心地の良い物語でした。勧めて下さった読み友さんに感謝です!朱野さん、初読み。
読了日:2月6日 著者:朱野帰子
百物語 浪人左門あやかし指南 (講談社ノベルス)百物語 浪人左門あやかし指南 (講談社ノベルス)感想
甚十郎の怖がりと剣の強さのギャップが面白くて一気に読了。やはり2作目になり、作者の文章に慣れたと言うこともあってスイスイと読めました。黒幕は、なるほどと思われる人物。妖しい出来事や物事より、人間の方が怖いんだよねぇ。昔、人に言われたことを思い出しました。死んだ人は悪さをしない、生きてる人間の方がずっと怖いって。。
読了日:2月5日 著者:輪渡颯介
掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南 (講談社ノベルス)掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南 (講談社ノベルス)感想
輪渡さんのデビュー作。シリーズの3~4を先に読了してからこちらへ。やはりデビュー作というせいなのか、やや文章が堅くて読み進めにくい感あり。でも甚十郎の国元のきな臭い暗殺にまつわる謎や、平松左門の人となりが何となく理解できたので良かった。このシリーズはここで止めたら損ですね。先を読まないと勿体ないです。
読了日:2月4日 著者:輪渡颯介
マキリ (100周年書き下ろし)マキリ (100周年書き下ろし)感想
マキリ=魔切り。山形県の山間の地で鍛冶を営む家と、そこに伝わる氷室と即身仏の関わり。定められた地から逃れられない女の一生。ヨモツヒラサカと即身仏を関連付けた何とも不思議な物語。登場人物が皆動物の一文字を持っている。
読了日:2月3日 著者:安達千夏
甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺感想
熱いお茶と一緒に上生菓子を食べたくなる!!江戸は神田で兄弟で営む「藍千堂菓子舗」。和菓子作りの腕は一流の兄晴太郎と、たぐいまれな商才をもつ弟幸次郎。二人を支える職人の茂市。叔父からの度重なる嫌がらせにも負けず、最後はハッピーエンド。こういうお話は読み心地が良くて良いですね!装丁も素敵で眺めていても楽しい本です。
読了日:2月2日 著者:田牧大和
昨夜のカレー、明日のパン昨夜のカレー、明日のパン感想
結婚1年で夫を亡くしたテツコと夫の父ギフの、何ともホンワカとした暮らしぶり、7年の時を経た二人とその周辺を描いた物語。出来ればテツコとカズのエピソードをもう少し垣間見たかったかも?大きな感動とかそういう観点で語れる物語ではないけれど、このご夫婦作家さんの他の作品も少し興味ありです。
読了日:2月2日 著者:木皿泉
上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部感想
デパートは夢の場所、キラキラ輝く憧れの。田舎のパティスリーの営業からデパートの売り場へ転職、更にバイヤーを経て外商部で働くことになった鮫島静緒、バツイチ37歳。一般のお客様とは違う上流のお客様と関わる静緒の成長譚として、楽しく読了出来ました。お仕事小説は、知らない世界を垣間見せてくれるので、大好きです!
読了日:2月1日 著者:高殿円
家族家族感想
認知症の老女が殺害された事件を巡る裁判員裁判の物語。歳をとり、家族に迷惑をかけずに逝きたいと思う心。介護に自身の人生を翻弄される子供の気持ち。実際の法廷ではこのように積極的な裁判員の発言は難しいだろうと思えますが、家族の在り方を考えさせられる一書です。
読了日:2月1日 著者:小杉健治

読書メーター

1月の読書記録

2014-02-01 09:16:24 | 読書
寒い日が続くと、家に居る時間が長くなります。

その結果、読書が捗るw


今月のイチオシ、中脇初枝さんの「わたしをみつけて」

原田マハさんの「キネマの神様」も良かったですよ~。




2014年1月の読書メーター
読んだ本の数:42冊
読んだページ数:12585ページ
ナイス数:3301ナイス

つむじダブル (一般書)つむじダブル (一般書)感想
10歳の妹の視点と、17歳の兄の視点で描かれる家族の物語。それぞれのパートを別な作家さんが書かれたと言う違和感は全くなく、楽しく読了出来ました。やはり母親目線で読んでしまうけれど、二人の子供たちがどちらもいい子で可愛かったですね。
読了日:1月31日 著者:小路幸也,宮下奈都
悪いものが、来ませんように (単行本)悪いものが、来ませんように (単行本)感想
なっちゃんと紗英、仲良しの女性二人。お互いをかけがえのない存在だと思い、依存してしまう。子育て、不妊、夫との仲、重く辛い現実をこれでもかと書き綴られる。仕掛けにはまんまと引っ掛かってしまいましたが、何だかスッキリしない幕切れにやや不完全燃焼な読み心地です。
読了日:1月30日 著者:芦沢央
検事の死命 (「このミス」大賞シリーズ)検事の死命 (「このミス」大賞シリーズ)感想
佐方検事の真っ直ぐな正義感、惚れぼれしました!「秋霜烈日の白バッジ」を与えられた人たちの、権力に屈しない強い姿。こんな検事ばかりならば素晴らしいでしょうね。父の陽世の13回忌の「業をおろす」、これも感動もの。この本は、検事の本懐を読んでからお読みください。お勧めです。
読了日:1月30日 著者:柚月裕子
展覧会いまだ準備中展覧会いまだ準備中感想
八王子郊外の市立野猿美術館で学芸員をつとめる今田弾吉。館内での立場は下っ端で個性の強いお姉さま方に圧倒されっぱなしの大男。凸凹メンバーの登場があったり、クスっと笑えるシーンがそこかしこにあって楽しく読了出来ました。企画展示はまだ準備中だけど、明るい未来が想像できて良い作品でした。
読了日:1月29日 著者:山本幸久
雨のなまえ雨のなまえ感想
5編の短編集。どの物語も重苦しい気持ちになる内容のものばかりで、読むのが辛くなりました。窪さんの文章は好きなのだけど、残念ながらこれは私には合わなかったです。
読了日:1月28日 著者:窪美澄
MEMORY (集英社文庫)MEMORY (集英社文庫)感想
神田・森野とその周辺の人々との物語。お互いを想う気持ちがその時々のエピソードを絡めて語られる。最後がとても素敵で思わず笑顔に。
読了日:1月27日 著者:本多孝好
ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫)ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫)感想
鉄道にまつわる9編の短編集。どの物語もじんわりと心が温かくなるお話でとても良かったです。どのお話も素敵で甲乙つけがたい。
読了日:1月27日 著者:高田郁
アフリカの蹄 (講談社文庫)アフリカの蹄 (講談社文庫)感想
絶滅したはずの天然痘を使った卑劣なテロ、黒人差別と天然痘の子供たちを救うために立ちあがった日本人医師作田。南アフリカを舞台にした、極右の白人たちとの戦い。これは読みごたえがありました。面白かったです。
読了日:1月26日 著者:帚木蓬生
ファントム・ピークス (角川文庫)ファントム・ピークス (角川文庫)感想
安曇野の地に相次ぐ女性の失踪事件。山に潜む魔物は一体なに?恐ろしい魔物の正体が分かっても対峙する人間たちとの戦いにページをめくる手が止まらない面白さ。北林さん、お亡くなりになられたとは、本当に残念。ご冥福をお祈りいたします。
読了日:1月26日 著者:北林一光
スポーツドクター (集英社文庫)スポーツドクター (集英社文庫)感想
膝の怪我をきっかけにスポーツドクター靫矢と知り合った女子高生夏希。スポーツクリニックを訪れる患者たちの身体と心の悩みを解決しようと靫矢を手伝う。実際一人の経験の浅い女子高生がここまで踏み込んだ行動が取れるかとか、突っ込みどころは満載。サラリと楽しく読む分には問題ないと思いますが、今一つ主人公に感情移入出来ずに終わりました。
読了日:1月25日 著者:松樹剛史
歌舞伎町セブン (中公文庫)歌舞伎町セブン (中公文庫)感想
歌舞伎町を舞台に暗躍する謎の企業と相次ぐ急死や失踪事件。黒幕が明らかになるまでやや展開が長かったけれど、一気にたたみかける後半のテンポは良かった。ミサキ、東、聞き覚えのある名前の登場が嬉しかった。歌舞伎町セブン、これは続編ありそうなので楽しみに待ちたい。
読了日:1月24日 著者:誉田哲也
プリティが多すぎるプリティが多すぎる感想
大手出版社で週刊誌の編集者をしていた新見。文芸部移動を切望していたのに、配属されたのはティーンズ向けのファッション誌「ピピン」。1冊の雑誌を作る大勢の人たちの仕事ぶり、面白くて一気に読みました。意に染まない異動に腐っていた新見くんの成長ぶりも良かったですね。
読了日:1月24日 著者:大崎梢
狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南感想
シリーズ第4弾。左門と甚十郎のコンビ、今回は水死体を見て川に引きずり込まれる子供と関わる話。水内さんの登場が面白く、その演技力にも感嘆!早めにシリーズ1作目2作目を入手して読みたいです。
読了日:1月23日 著者:輪渡颯介
無縁塚 浪人左門あやかし指南無縁塚 浪人左門あやかし指南感想
シリーズ物とは知らずに読了。でも、中々楽しめました。元百姓家の、とある商家の寮で起きた幽霊騒動。因縁の元を探る左門、最後はまんまとしてやられた感の無縁塚の真相。面白かったです。前2作を探して読みたいと思います。
読了日:1月23日 著者:輪渡颯介
ワン・モアワン・モア感想
6編の連作短編集。二人の女性内科医と一人の男性レントゲン技師、この3人をベースに物語が進む。「十六夜」は離島の診療所、残りの5編は道東の湿原のある作者の地元が舞台になる。親友の病を機に動き始めた物語、読み心地は爽やかでとても良かった。「ラッキーカラー」のベテラン看護師の物語が一番好きです。
読了日:1月21日 著者:桜木紫乃
「とうさんは、大丈夫」「とうさんは、大丈夫」感想
児童相談所の職員、澤村が主人公。虐待を通報してくれた善意の一般人が逆恨みから怪我を負う。責任を感じた澤村はうつになってしまう。家族の協力で立ち直ったかと思いきや…。後半の児童養護施設の部分はどこまでが現実なのか分かりにくく、本当に「とうさんは、大丈夫」なのだろうかと痛々しく感じられた。結局スッキリとした解決にはなっていないようで、残念な感じの読み心地に。
読了日:1月20日 著者:佐川光晴
近藤史恵リクエスト!  ペットのアンソロジー近藤史恵リクエスト! ペットのアンソロジー感想
10編のペットを描いた短編集。様々な作家さんの作品を読めるのは楽しいですね。柄刀一さんの「ネコの時間」が一番好きですね。可愛がっていた猫と少女の物語、涙でボロボロ。大倉崇裕さんの「最も賢い鳥」も好きな作品。
読了日:1月20日 著者:近藤史恵
アマルフィアマルフィ感想
映像化を念頭に書かれた本ということで、それなりに楽しめました。でも、少し現実離れしてい過ぎるかな?
読了日:1月19日 著者:真保裕一
キネマの神様キネマの神様感想
50席しかない小さな名画座で、私もスクリーンの中の世界に浸っていたい。そんなじんわりとした感動をさせてもらいました。父と娘の物語。ギャンブル好きで借金癖のある父としっかりものの母、何だか自身の親の姿を見ているようなそんな懐かしさとともに素敵な読書を終了。上手く行き過ぎな物語、でも良いのです、楽しければね。
読了日:1月16日 著者:原田マハ
漁港の肉子ちゃん漁港の肉子ちゃん感想
日本海側の小さな港町の、焼き肉屋の店員肉子とその娘キクリン。奔放で男に騙されやすい母と、しっかり者の娘の日常というだけの物語ではなく、娘から見た母のこと、学校での女の子ならではの悩みごと等々、素敵な本でした。あとがきによると漁港は石巻を想定して書かれたとのこと。しかし、言葉はしっかりと新潟弁。故郷のなまりと言い回しがツボにハマっておかしくてたまりませんでした。読み心地はとても良いですね。
読了日:1月16日 著者:西加奈子
わたしをみつけてわたしをみつけて感想
感動しました。准看護師として働く弥生は、親に産院の前に捨てられて施設で育ってきた。「いい子」でいることにこだわる弥生、彼女が藤堂師長と出会えたこと、菊池さんに出会えたことは、決して偶然ではないのだと思いたいですね。「きみはいい子」の桜ケ丘が舞台だったということに途中で気づきました。まだ年が明けたばかりですが、この本は間違いなくトップ10に入ると思います。強くお勧めします!
読了日:1月15日 著者:中脇初枝
冷たい校舎の時は止まる  (下) (講談社ノベルス)冷たい校舎の時は止まる (下) (講談社ノベルス)感想
一気に読み切りました。自殺していたのは予想していたあの子。この年代の狭い人間関係と、思春期の傷つきやすい精神世界を鮮やかに描いていて、これがデビュー作。やっぱり辻村さんは凄い才能の持ち主だと思いました。名前、鍵になっていますね。ロードムービー、また読みたくなってしまいます。
読了日:1月14日 著者:辻村深月
冷たい校舎の時は止まる (中) (講談社ノベルズ)冷たい校舎の時は止まる (中) (講談社ノベルズ)感想
誰もいない学校に閉じ込められた8人。この巻ではとうとう4人まで…。結末が気になるので一気に下巻へ!
読了日:1月14日 著者:辻村深月
冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ)冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ)感想
文庫版で読了していたけど、「ロードムービー」読んで内容をうろ覚えだったので再読。寒さがヒタヒタと迫りくるという実感。先を急ぎます。
読了日:1月14日 著者:辻村深月
手の中の天秤手の中の天秤感想
犯罪被害者が、加害者の執行猶予期間を預かる制度が出来たと言う設定。2年間監視を続けてその後に刑務所に収監するかどうかを被害者の側が決定出来ると言うもの。作中ではその加害者を監視する係官となった男の回想として物語が進む。チャランと呼ばれた上司と語り手井川の関わりが興味深く、若者の成長譚なのだろうと読み終えました。「人それぞれ」とは言うものの、加害者も被害者も家庭が壊れる事例は悲しいものです。
読了日:1月13日 著者:桂望実
物語ること、生きること物語ること、生きること感想
上橋さんの物語を書きたいと言う強い思い、その思いを諦めなかったからこそ、あの壮大な守り人シリーズや、獣の奏者シリーズが生まれたのだと言うことが分かりました。文化人類学者と作家という二つの世界を持つ上橋さんならではの、作品群なのだとあらためて納得!次なる作品を楽しみに待ちましょうか。
読了日:1月12日 著者:上橋菜穂子,瀧晴巳
太陽の坐る場所太陽の坐る場所感想
女優になった「キョウコ」をクラス会に出席させること。何故にそこまで拘るのか、クラスメートそれぞれの視点から描かれる。わずか2~3年という濃密な時間を過ごす高校時代。女王と呼ばれる少女とその周辺。女の子から女性へと変貌するこの年代を描く作者の力量はさすがと言えますね。
読了日:1月12日 著者:辻村深月
疫神 (単行本)疫神 (単行本)感想
アメリカ人エミリーと、二海士郎、幼稚園児桂也。3つの方向から話しが進む。人間にとっての最終的な敵は細菌でもウイルスでもなく、真菌と呼ばれるカビなのだろうか?面白さに一気に読破しましたが、「あの人」が見える夫婦はいったいどういう役回りだったのだろうかと思いました。
読了日:1月11日 著者:川崎草志
ミストレスミストレス感想
濃密な男女の関係を描いた5編の作品集。「宮木」の夫の身勝手さに腹が立ち、「ライフガード」「赤い蕎麦の実」は割に好きな部類。さらりと読めたけれどあまり印象に残らないと思います。
読了日:1月10日 著者:篠田節子
花咲小路四丁目の聖人花咲小路四丁目の聖人感想
イギリスの伝説の大泥棒が、日本の田舎の商店街でひっそりと暮らしている。その設定自体は面白いし、克己と北斗のキャラも好きです。しかし主人公の亜矢さんが、今一つ好きになれませんでした。内容は軽めでサラリと時間をつぶす読書には向いていると思います。
読了日:1月10日 著者:小路幸也
ちゃんちゃらちゃんちゃら感想
みなしごの「ちゃら」は、千駄木の植木職人「植辰」の弟子になる。どんなに高い木にもするすると登って仕事をする赤毛の職人。物語のテンポも良くハラハラドキドキの展開もあり楽しく読了しました。最後のシーンにやられました。
読了日:1月9日 著者:朝井まかて
母性母性感想
読み終えて、どっと疲れを覚えました。母の手記の何とも言えない粘り気、娘の回想との祖語。母でもあり、娘でもある自分からみても、この親子には共感しかねます。たとえ我が子であっても思い通りの人間にすることなど不可能であると思いました。重くて読みにくい本ではあるけれど、一読の価値はあると思います。
読了日:1月9日 著者:湊かなえ
骨を彩る骨を彩る感想
読み終えて、装丁の美しさにあらためて感動。5編の連作短編集ですが、「指のたより」は妻を亡くした夫の、「やわらかい骨」はその娘の物語。5編とも表現の美しさ、色彩を感じる作になっていて、いつまでも印象に残る一冊になりました。お勧めします。
読了日:1月8日 著者:彩瀬まる
ねずみ石ねずみ石感想
田舎の神社の祭礼の日に起こった陰惨な殺人事件。その当夜、宝探しの最中に行方不明になった主人公のサト。4年の歳月を経て中学生になったサトにお祭りの由来をたずねて来た新しい友人セイ。サトには4年前のその夜の記憶がない…。子供目線で話しが進むけれど、かなり重い読み心地。少年たちの友情と成長譚としても面白く読めました。
読了日:1月8日 著者:大崎梢
ヒカルの卵ヒカルの卵感想
ムーミンのような風貌の養鶏場経営者のムーさんが、村おこしのために「卵かけご飯」のお店【ヒカルの卵】を立ち上げる。限界集落と呼ばれるような螢原集落はムーさんの計画に懐疑的。幼なじみの直子と大吉、陶芸家のワカメくん、居酒屋の富美子さん、登場人物も善人ぞろい、思わずクスリと笑ったり涙がにじんだり、楽しい読書が出来ました。『裕福と幸福は別物』、『財産を失うのは小さな痛手だけれも、勇気を失うのは人生を失うのと同じ』等々心に響く言葉もいっぱい。美しい山間の螢原へ行って卵かけご飯を食べたくなります!お勧め本!!
読了日:1月7日 著者:森沢明夫
おとぎのかけら 新釈西洋童話集おとぎのかけら 新釈西洋童話集感想
怖い怖い…。「ヘンゼルとグレーテル、みにくいアヒルの子、白雪姫、シンデレラ、マッチ売りの少女、ハーメルンの笛吹き男、いばら姫」7編の西洋童話をモチーフにした千早さん流の解釈。好みは分かれると思います。私はこういうのは苦手でした。金の指輪、アマリリスは救いがあって読みやすいと思いました。
読了日:1月6日 著者:千早茜
片耳うさぎ片耳うさぎ感想
父の事業の失敗で、田舎の大きな元庄屋屋敷に住まうことになった小6の奈都。大きなお屋敷には誰にも知られていない隠し階段や隠し部屋があると言う。同級生の姉さゆりと一緒に屋敷や家族の謎を追う奈都。間取り図と家系図が巻頭にあったらもう少し読みやすかったかと。片耳のうさぎ、タイトルが素敵!
読了日:1月6日 著者:大崎梢
ファミリーツリーファミリーツリー感想
夏休みにだけやってくる親戚の女の子リリーと、穂高で暮らす田舎の少年リュウ。互いに魅かれあい反発しあい、根っこのところは深くつながっている…。菊さんの人生と思いを遺した木のこと。まさにタイトルの通りの物語、じんわりと読み心地のよい作品でした。
読了日:1月5日 著者:小川糸
天使の屍天使の屍感想
14歳の息子の突然の自殺。真相を探るために息子と仲の良かった同級生に自殺の原因を聞く父親。自殺は連続し、2人が飛び降りて死亡。3人目も大けがを負う。14歳の14歳らしい狭い世界観と幼さ、そして危うさ。男の子を育てた経験はないので、この年代の少年の気持ちは分からないが、生きづらさを乗り越えて大人になるんだよね。。
読了日:1月4日 著者:貫井徳郎
恋歌恋歌感想
幕末の水戸藩の内紛と、明治の歌人中島歌子の生涯を描いた一書。豊かな旅館「池田屋」の娘が水戸天狗党の林に嫁ぎ、諸生党と天狗党の戦いに翻弄されて。幕末ものは京都や会津のものは読んでいたけれど、水戸からのものは初読み。読み応えがありました。装丁も素敵で幕末ラブストーリーとしても良い作品だと思います。
読了日:1月4日 著者:朝井まかて
ロードムービーロードムービー感想
ロードムービー、道の先、雪の降る道の3編。スピンオフ作品集だったのね。「冷たい校舎」、かなり前に読んだ気がするけれど、内容を覚えていないので、また読み返してみなければ。ワタルの応援演説が素晴らしくて泣けました。ヒロくんを思うみーちゃんの優しさがよかった!
読了日:1月3日 著者:辻村深月
風が強く吹いている (新潮文庫)風が強く吹いている (新潮文庫)感想
年明けに読むのは、これ! 10人の襷をつなぐ姿は何度読んでも素晴らしい。ゴールの大手町、今年はどんなドラマが待ちうけているのだろう?
読了日:1月3日 著者:三浦しをん

読書メーター

12月の読書記録

2014-01-01 11:39:38 | 読書
12月、一日1冊は達成ならず。

先月一番印象に残った本は、小池真理子さんの「沈黙のひと」

やはり、父を亡くした直後ということで、娘の目からみた父を描いた
本として何とも言い難い感慨を持ちつつ読了しました。

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a href="http://book.akahoshitakuya.com/u/3670/matome?invite_id=3670">2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:29冊
読んだページ数:8496ページ
ナイス数:2310ナイス

巣立ち お鳥見女房巣立ち お鳥見女房感想
次男の養子縁組と婚儀、長男と鷹姫恵以の婚儀、多津の出産と慶事が続いた矢島家、久右衛門の命を賭しての活躍で窮地を逃れたお鷹狩り。最期は悲しい別れとなったが、珠世さんのいつもの笑顔で安心の読書を楽しめた。
読了日:12月31日 著者:諸田玲子
狐狸の恋 お鳥見女房狐狸の恋 お鳥見女房感想
矢島家の長男、次男とも想う相手とめでたく祝言の運びと相成り、ハッピーエンドの今巻。珠世さんの気配りがいつもながら素敵。
読了日:12月30日 著者:諸田玲子
存在の美しい哀しみ存在の美しい哀しみ感想
何とも素敵な物語でした。じんわりと余韻を楽しみたくなる。幼いわが子と離れざるを得なかった母奈緒子の哀しみ。奈緒子の犯した過ちより、そうせざるをえなくなった原因を作った芹沢を責めたくなった。介護施設で働く芳雄の話が良いアクセントになっていて良かった。プラハの美しい町並みと、チェロの音色を思い浮かべながら読了。
読了日:12月29日 著者:小池真理子
モップガールモップガール感想
面白くないわけではないけれど、何となく乗れなかった。終わり方も中途半端で、当然シリーズ化されたのでしょうね。気が向いたら続編を読もうかな。
読了日:12月29日 著者:加藤実秋
おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生感想
ひたすらに、1人の男を愛し尽くした、「おそめ」こと、上羽秀。数々の文化人に愛された1人の女性の一代記をドキュメンタリーとして読ませてもらった。著者の真剣な取材ぶりに好感が持てた一書。モノクロの写真のおそめさんの美しさに圧倒される。
読了日:12月28日 著者:石井妙子
星の民のクリスマス星の民のクリスマス感想
父親が書いた童話の作品の中に入り込んだ娘。金銀のトナカイと、キツツキの子と厚い雲と雪に閉ざされた町の物語。文体がまるで翻訳小説を読んでいるようで、少しなじみにくかったけれど、この時期にぴったりのファンタジー。お父さんが少し気の毒過ぎる気がしました。
読了日:12月27日 著者:古谷田奈月
実さえ花さえ実さえ花さえ感想
江戸は向嶋、花師「なずな屋」を営む新次とおりん夫婦。修業を積んだ霧島屋との因縁、預かりっ子の「雀」、上総屋六兵衛と孫辰之助、吉原の花魁吉野。魅力的な登場人物が盛りだくさんで、とても面白く読めた。ハッピーエンドとは言い難いラストだけれど、あの、みんなに愛される花の由来が少しわかってよかった。みなさんの感想にも多数あるように、理世さんとのことはない方が良かったですね。
読了日:12月27日 著者:朝井まかて
無宿島無宿島感想
江戸時代中期、無宿人になり済ました男らが幕府の隠し金十万両を掘り起こそうと企むと言うことを軸にした物語。プロローグの話がどこでつながるかと思ったら…。あの有名人の妾腹の子供が登場したり、中々面白く読めました。
読了日:12月26日 著者:翔田寛
人は、永遠に輝く星にはなれない人は、永遠に輝く星にはなれない感想
病院に勤務するソーシャルワーカー猪口千夏の物語。事故で体の自由を失った36歳の加藤、1人暮らしの西原寛治老人、子宮体がんの福谷真紀など、1人1人の相談者の気持ちに寄り添い真摯に対応する姿に頭が下がる。人の一生は一瞬の輝きかもしれないが、限りある人生を無駄に生きたくないと思った。好みは分かれるかもしれないけど、私には読み応えのある一書です。
読了日:12月25日 著者:山田宗樹
ファイヤーボールファイヤーボール感想
世界を股にかけて来たビジネスマンの咲元が、ひょんなことから飛び込んだ町内会。そこで「火の玉祭り」なる熱く、危険で、ばかばかしいほど盛り上がるイベントを催すことに。旧来の地域と新興住宅地の確執や、町内会を仕切ってきた役員たちとの対立、家族の再生と盛り沢山な内容だけど、面白くてサラリと読了。
読了日:12月24日 著者:原宏一
凍原凍原感想
桜木さんの作品の中でも、好きな作品になりそうです。17年前に湿原で行方不明になった10歳の弟。高校を卒業して警察官になった姉が釧路署へ刑事として戻ってきたときに起こった殺人事件、そして戦後の混乱期に樺太からの引き上げをしてきた女性の運命が交錯する。キク、克子、つや子、留萌で時を過ごした3人の運命が興味深く、事件を追う比呂と片桐のコンビも好み。この作品は「ホテル・ローヤル」だけしか読んでいない沢山の読者に桜木さんの良さを知ってもらうために読んでほしいと思いました。
読了日:12月24日 著者:桜木紫乃
ラ・プッツン・エル 6階の引きこもり姫ラ・プッツン・エル 6階の引きこもり姫感想
思春期のみなさんにお勧め。あとその世代のお子さんをお持ちの親世代の方々にも。14歳の14歳であるが故の視野の狭さ、世間を知らないこと、それを乗り越えた時彼女、彼らはどう成長して行くのか。短い物語なのでサラリと読了。
読了日:12月23日 著者:名木田恵子
鷹姫さま―お鳥見女房 (新潮文庫)鷹姫さま―お鳥見女房 (新潮文庫)感想
シリーズ3作目。矢島家の当主伴之助の心を労わりつつ、家族全員の幸せを念ずる珠世さんが素敵です。鷹姫さまと久太郎の縁談はどう進むか?二男久之助の恋はどうなる?君江の花嫁姿は素敵だろうなと嬉しくなり。珠世さんの優しいえくぼにまた会いたいので次も読みます。
読了日:12月22日 著者:諸田玲子
荻窪 シェアハウス小助川荻窪 シェアハウス小助川感想
元小助川医院を改装して出来上がった「シェアハウス小助川」。19歳の佳人はその契約第一号の住人として入居することになる。女4人と男2人、大家兼健康アドバイザーのタカ先生、登場人物が善人ばかりなのは、小路さんのお話では定番。安心して読める心地よさですね。1年の契約を終えるころには佳人の将来や、シェアハウスの未来も見えてくる。佳人が修行から帰ってきたあとのシェアハウスも読んでみたいものです。
読了日:12月20日 著者:小路幸也
ヴルスト! ヴルスト! ヴルスト!ヴルスト! ヴルスト! ヴルスト!感想
あと1年で取り壊されるボロアパートで、高卒認定試験の受験勉強をしようと目論んだ勇人は、奇妙な髭面の藤巻のヴルスト作りを無理やり手伝わされることに。元証券マンのこの男は、何故にヴルストに情熱を傾けるのか?原さんのお仕事小説はサラリと読めて楽しいです。勇人の成長物語でもあります。美味しいヴルストを食べたくなる一書。
読了日:12月19日 著者:原宏一
死もまた我等なり(下): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)死もまた我等なり(下): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)感想
怒濤の展開!息を継ぐ間もないくらいなスピードで物語は進んで行きますが、やっぱりこの終わり方はないですねー。次が待ち遠しくてたまらない。悪人ヒューゴーの最期は自業自得とはいえ、哀れでした。メイジー、賢い女性なのにあの失敗がすべての発端に。さて、物語はどう動いて行くのか、ひたすら待ちます。
読了日:12月18日 著者:ジェフリーアーチャー
死もまた我等なり(上): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)死もまた我等なり(上): クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)感想
さすがアーチャー、刑務所内部の事情に詳しい!自己の経験を無駄にしていないって妙なところに感心したり。物語は刑務所に入れられたハリーと、ハリーの死を信じられずに単身アメリカに渡ったエマ、ドイツ軍との戦いに身を投じた親友ジャイルズの章が交互に出てくる。面白さにページをめくる手が止まらない。下巻に行きます!
読了日:12月18日 著者:ジェフリーアーチャー
沈黙のひと沈黙のひと感想
先日父を見送ったばかりの私に、様々な父とのことを思い出させてくれた1冊。リクエストしたのは8月、まさか亡くした直後に読むことになろうとは…。本作は、脳の機能は失われていないのに、病のために話すことも文字盤を指し示すことも出来なくなり、沈黙の人となった父を、最初の結婚で生まれた娘衿子の視点で綴られたもの。衿子の母久子の気丈な生き方と対する2度目の妻華代の変節。老父の性の生々しさとどこか笑える生きざま。女性に対する愛は家族を傷つけることもあって。自分の父と重なる部分もあって、切ない読後感になりました。
読了日:12月17日 著者:小池真理子
神去なあなあ夜話神去なあなあ夜話感想
神去村の暮らしになじんできた勇気くんのその後談。成長ぶりが著しい!そして益々村のことが大好きになっているのが良くわかる。20年前の切ない出来事を経験した清一とヨキ、二人の深いつながりの淵源が理解できたり。親方として村の将来を見据える清一さんが滅茶苦茶格好よくて、山太への愛情あふれるクリスマスパーティーに思わずほっこり。私もまるで繁ばあちゃんになり変わって勇気のPCの文書ファイルを読んでいる気分になれた。直紀さんとのこれからも読みたいので、これは続編希望!ホントに面白かったです。
読了日:12月17日 著者:三浦しをん
蛍の行方―お鳥見女房蛍の行方―お鳥見女房感想
シリーズ2作目。密命を帯びて沼津にいったままの夫伴之助を待つ珠世さんと矢島家の面々。居候の源大夫一家も含め、人柄の良い人物が勢ぞろいする物語。大役を果たして戻った伴之助さんを支えて、これからの展開が楽しみ。次も予約しなくては。
読了日:12月16日 著者:諸田玲子
島はぼくらと島はぼくらと感想
瀬戸内の小さな島、冴島の4人の高校生の物語。島という閉塞感のある場所での人との関わり、将来への不安。でも暗い話しではなく、読後は爽やか。同じように島を舞台にした湊かなえさんの「望郷」は暗いイメージだけど、こちらは希望が見えて好きな物語です。
読了日:12月15日 著者:辻村深月,五十嵐大介
噂の女噂の女感想
高校までは地味で目立たなかった糸井美幸が、短大時代から男好きする色っぽい女に変身する。彼女をめぐる噂の数々、それでも何故か引きつけられてしまうのは、魔性の女ゆえの魅力なのか?地方都市では現実にこんな事例があるような気がする。一気に読める面白さでした。
読了日:12月14日 著者:奥田英朗
終活ファッションショー終活ファッションショー感想
父を見送った直後にたまたま手にした1冊、実にタイムリーな本だった。葬式は誰のために行うか、終わりというものはいつの日か確実に訪れるものだから、自分の生き方をしっかりと確立し、悔いのない人生を送らなければと思った。父の旅立ちの衣装はスーツにネクタイ。心臓を病んでいたため、最後の数カ月は歩くことも制限されていたけれど、お気に入りのウォーキングシューズと可愛い5人の孫たちからのメッセージの寄せ書きを納めて。
読了日:12月13日 著者:安田依央
ホテルローヤルホテルローヤル感想
釧路湿原を望む高台にある「ホテルローヤル」を舞台にした連作短編集。廃墟となったラブホテルを年代をさかのぼって描いて行く。パートのミコさんの話が心に残りました。桜木さん、直木賞おめでとうございます。素敵な作品だと思いました。
読了日:12月10日 著者:桜木紫乃
冬芽の人冬芽の人感想
自分をかばって亡くなった同僚刑事。きっかけとなった強盗殺人と、容疑者の死亡事故。すべての事件と人物のつながりを、警察を止めてOLになったしずりと、刑事の息子が追う。これは中々面白かった。
読了日:12月8日 著者:大沢在昌
あとかたあとかた感想
読んだタイミングが悪かったのか、今一つ入り込めませんでした。また機会をみて再読したらキチンと感想をかけるかな。
読了日:12月2日 著者:千早茜
まともな家の子供はいないまともな家の子供はいない感想
初読みの作家さん。タイトル通りの内容。働かない父親を疎ましく思う14歳のセキコ。セキコの友達も、みなどこか壊れた家庭の子供たち。我が家の子供たちもこの年代の頃、家族や家庭をこんな目線で見ていたのだろうか?家に居場所を持てないと言うのは子供にとって辛いことだと思う。
読了日:12月2日 著者:津村記久子
あずかりやさん (一般書)あずかりやさん (一般書)感想
商店街の一角に、紺地に白い「さとう」の暖簾のかかったお店がある。店主は目の不自由な青年。元々和菓子屋さんのこのお店は、一日100円でものを預かる「あずかりやさん」。とても素敵な物語です。白猫の社長が可愛くて、そして切ない。
読了日:12月2日 著者:大山淳子
はるひのの、はるはるひのの、はる感想
加納さんの新作、待っていました!「ユウスケ」くんが大きくなって、しかも素敵な少年青年へと成長している。「ささらさや」「てるてるあした」をもう一度読み返してみたくなった。ミヤのお話がよかったなぁ。
読了日:12月1日 著者:加納朋子

読書メーター

11月の読書記録

2013-12-01 11:05:52 | 読書
秋の夜長は読書にぴったり。

11月も楽しい読書が出来ました!


イチオシは

椰月美智子さんの「その青の、その先の、」

女子高生まひると、その同級生たちの青春模様。
初々しい恋愛と、彼の目的感の素晴らしさ。
登場人物の中で好きな人は、まひるのお父さん。
こんなお父さんに見守られて育ったら、いい子に
なることは間違いないでしょう~


原田マハさんの「星がひとつほしいとの祈り」

こちらは7編の短編からなります。
母として読むのと、娘の立場でとらえるのでは
感想も思い入れも異なるとは思いますが、良作です。




2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:37冊
読んだページ数:10872ページ
ナイス数:2750ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/3670/matome?invite_id=3670

■ジャッジメント
戦力外通告を受けた元プロ野球投手の宇土が、かつて所属していたチームの監督を殺害した容疑者として逮捕された。高校時代のチームメイトの中垣が弁護士として彼の容疑を晴らすと言う物語。序章のあのシーンが、何だったのかということが終章で明かされる。清々しい青春ものとして、良い作品だったと思う。
読了日:11月30日 著者:佐藤青南
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33746244

■誘う森 (ミステリ・フロンティア)
自殺防止のボランティアをしていた妻の突然の自殺。妻の死の真相を探る遺された夫。妻の実家の古い造り酒屋と水源の森、水を守る家族たち。物語は後半に来て一気に進むが、中々初めのうちは入り込めなかった。「お草さん」シリーズとはまたイメージの違う作品でした。
読了日:11月30日 著者:吉永南央
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33725938

■薔薇を拒む
面白かったです。一気読み。美しい薔薇を、他人のために作られた薔薇を愛でることは罪なのだろうか。人里離れた湖畔の洋館に住む、美しい母と娘。3年間そこで暮らして働くことで大学進学と学費援助を持ちかけられた孤児である美少年2人。ラストは驚愕の…。今までの近藤さんの作品とは少し違ったイメージだけど、こういう作風も好みです。
読了日:11月29日 著者:近藤史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33706095

■名もなき花の 紅雲町珈琲屋こよみ
紅雲町シリーズ第3弾。2弾は未読だけれど、図書館で目にしたので読んでみました。郷土史の研究者親子と新聞記者の間に立ち、心を波立てるお草さん。内容はかなり重くて、スッキリとはいかない。小蔵屋のようなお店には行ってみたいしコーヒーも飲んでみたいと思いますが、お草さんの年齢に近づく私には行く先が少し心細くなり寂しすぎるのが玉にきずですね。
読了日:11月28日 著者:吉永南央
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33687169

■お鳥見女房
お鳥見役という役職は初めて知りました。鷹匠は知っていたものの、鷹も毎日エサが必要なわけだし、確かにこういう立場の人は必要ですね。そして表の役割ではなく裏の役目も絡んで来る。主人公は4人の子を持つ40代の珠世。しっかり者で心根の良い魅力的な人物。転がり込んで来た居候6人と1人を文句も言わずに受け入れる太っ腹な奥方。これがシリーズの第一章なので、続きも読んでみたいと思います。
読了日:11月27日 著者:諸田玲子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33663184

■五郎丸の生涯
秋田犬「五郎丸」の不思議な生涯。大きな秋田犬を火葬するシーンから始まり、縁して来た人々との関わりを描く。転勤族の夫婦の身勝手さに腹立たしく思い、可愛がられた一家との別れに涙。震災との絡みも不自然なく読めた。関わった人に幸せを与えた「五郎丸」、感動の1冊に!ロクとおじいさんの未来が明るいものでありますように。
読了日:11月26日 著者:三浦明博
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33639852

■ハルさん (ミステリ・フロンティア)
若くして父となり、そして若くして妻を失い男手ひとつで娘ふうちゃんを育てるハルさん。ちょっと頼りない父としっかり者の娘の物語。ほのぼのとして、じんわりと感動する良書です。お勧め!
読了日:11月25日 著者:藤野恵美
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33624172

■星がひとつほしいとの祈り
7編の女性を主人公にした短編集。母と娘の関係を描いたもの。「長良川」が一番好き。「夜明けまで」も良かった。母の立場として読むのと、娘として読むのとでは違った感想になるかもしれない。これはお勧めです。
読了日:11月25日 著者:原田マハ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33617889

■その青の、その先の、
簑島まひるは高校2年生。まだ自分の将来も見えていない普通の女子高生。別の高校に通う彼、亮司には落語家になると言う夢がある。まひるの友人たちも亮司の友人ミナトも、みんないい子で爽やかな青春もの。物語は途中で大きく舵を切り思わぬ展開になり、泣けて泣けて。。でも、ラストが素晴らしくこれは感動しました!一番好きな登場人物はまひるのお父さん、こんなお父さんがいたら娘は真っ直ぐに育って行くでしょう。落語、奥が深いですね。
読了日:11月24日 著者:椰月美智子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33602029

■いちばん長い夜に
シリーズ完結編。あの日を境に芭子と綾香の二人の歩む道も変わって行く。タイトルの「いちばん長い夜に」に納得。作者ご自身があの日に仙台で被災されていたとは、あとがきを読んでまた涙。犯した罪は確かに重いものだが、背負って前を向き歩む人生もある。芭子と南君の未来が明るいものでありますように。
読了日:11月23日 著者:乃南アサ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33567330

■邂逅の森
マタギ松橋富治の生涯を描いた大作。東北の厳しい山の中で熊やアオシシと対峙する峻厳な姿。これは読んで良かった、お勧めです!
読了日:11月23日 著者:熊谷達也
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33556324

■幻想郵便局
狗山の上にある、登天郵便局は、不思議な郵便局。探し物が得意という特技を買われてアルバイトに採用されたアズサと、郵便局員やお客さんとのやり取りが面白い。ファンタジーと謎ときを絡めたような読み心地で、中々面白いと思いました。
読了日:11月21日 著者:堀川アサコ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33530051

■ナイン
野球が大好きでたまらない、たった9人の草野球チーム「ジンルイズ」。野球にまつわるおとぎ話として読めたら楽しいお話。ピッチャーは女性、最高齢の81歳のセカンド、アナウンサー兼プレイヤーのサード、元プロ野球の名バッター、運動神経抜群の大学生など個性豊かな面々が巻き起こす奇跡のストーリー。
読了日:11月21日 著者:川上健一
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33521215

■優しい悪魔
ヘビースモーカーの佐和子の禁煙にまつわるお話。私は一度もタバコを吸ったことはないけれど、両親がかなりのスモーカーだった。ダイエットと禁煙の共通点、分かっていても中々やめられない云々。禁煙外来の女医さんは、予想通りの。。まずまず面白く読めた。
読了日:11月20日 著者:垣谷美雨
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33503525

■善人長屋
江戸深川の千七長屋は別名「善人長屋」と呼ばれる。差配の質屋「千鳥屋」を始め店子はみな裏の稼業を持つ。そこに紛れ込んだ根っからの善人「加助」が巻き起こす人助けに絡む連作短編集。期待通りの面白さ、続編も読みます!
読了日:11月19日 著者:西條奈加
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33478098

■千年樹
とある町はずれの小高い神社の境内にそびえ立つクスの巨木と、それを取り巻く人々の時空を超えた物語。いじめっ子の彼があんな風に成長しているし、やったことが明るみに出ないなんて理不尽過ぎてあまり後味が良くない。昭子お祖母ちゃんの話が素敵でそこは良かったのになあ。
読了日:11月18日 著者:荻原浩
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33456801

■DOWN TOWN/ダウン タウン
高校生のショーゴが「ぶろっく」という喫茶店に集まる人たちとのつながりを通して成長して行く物語。小路さんご自身の高校時代もこんな感じだったのかな?サラリと読み終えたけれど、印象は薄いかも。
読了日:11月17日 著者:小路幸也
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33435638

■雪白の月
生真面目な女性編集者奈津子と、営業の若手課長関口の大人の恋。不倫ものだけど、あまり抵抗なく読めた。女の決断は潔く、男の方が引きずってしまうのだろうか?セクハラする大作家、こんな人が書く恋愛小説は読みたくないと思ってしまう。
読了日:11月16日 著者:碧野圭
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33412506

■迷える四姉妹
とある年末の同じ時期を四姉妹それぞれの視点で描かれた連作。実家に住まい続けるニートの四女、性に奔放な三女、不倫相手の後妻として経済的には恵まれた暮らしを営む次女、7年前に恋人を亡くし喪失感から逃れられない長女。自分に一番近いのは誰だろうかと思いながら読んだ。長女の未来が明るそうで読後感は良かった。
読了日:11月16日 著者:中居真麻
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33405601

■イノセントブルー 記憶の旅人
前世の記憶にまつわる物語。殺した記憶を持つ者、殺された記憶を持つ者。才谷梅二郎という謎の男の持つ不思議な力がカギになる。さらりと読めるけれど、あまり印象に残らなさそう。
読了日:11月15日 著者:神永学
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33381550

■恋愛小説
482ページ、正直やっと読み終えました。若い男女の恋物語だけれど、あまりにも奔放過ぎて、世代の違う私には理解不能の世界。今まで読んだ椰月さんの作品の中では最低、ごめんなさい、私には合わない物語でした。
読了日:11月14日 著者:椰月美智子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33361394

■おれたちの約束 (おれのおばさん)
仙台の進学校に進んだ陽介、親友の窮地を救うために隠していた自分の家族の事情を語ることに。陽介の成長とは逆に出所した父の情けなさや弱さが苛立たしかった。震災を絡めた物語になったけれども、それはなくても良かったというのが正直な感想。なくても陽介と友人たちの立場や国籍の違いを乗り越えた友情の物語として感動できる。
読了日:11月13日 著者:佐川光晴
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33336772

■ゼラニウムの庭
人よりもゆっくりと時が流れる人生があったなら…?明治に双子として生まれた豊世と嘉栄。孫のるり子が祖母豊世に聞いた話を記録するという形で、不思議な大叔母嘉栄とその一族のことを綴る。共に生まれた姉を見送り、姪やその娘を見送る。それでもまだ生き続けるという人生は不幸なのだろうなあ。今もこの日本のどこかに古い井戸のある庭を見降ろす館で生き続ける女性がいるのかもしれないと思ってしまう。好みは分かれるかもしれないが、私はこの作品好きです。
読了日:11月12日 著者:大島真寿美
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33327001

■シフォン・リボン・シフォン
田舎の寂れた商店街に開店した、高級ランジェリー専門店「シフォン・リボン・シフォン」。お店のオーナーかなえと、店にお客として現れる人々との関わりを描いた連作短編集。親も完璧な人間ではないということを子供が大人になって気づいて行く。第一話の佐菜子の両親にはやりきれない思いがしたが、かなえのお店でランジェリーと出会えたことで前向きになるのが良かった。
読了日:11月11日 著者:近藤史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33302405

■数えからくり―女錠前師緋名
女錠前師緋名、髪結い甚八がそれぞれ依頼された仕事先で不穏なものを感じる。座敷牢に閉じ込められた姫君が歌う謎の数え唄が、カギになる。物語の内容は重くて少し辛かった。猫の大福が大活躍。
読了日:11月11日 著者:田牧大和
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33296903

■つるかめ助産院
突然の夫の失踪で、二人の思い出の離島を訪れた「まりあ」。そこで出会った助産院の鶴田亀子や助産院を手伝う人々。自分の妊娠に気づき命と向き合う「まりあ」は、自分だけが不幸なのではない、人それぞれに闇や過去を抱えていることに気づく。お産はまさに命のドラマ、リアルな描写に思わず手に汗を…。サミーや小野寺くんが何に悩んでいたのか、曖昧なのが残念だけど、読み心地は良かったです。島の食べ物が全部美味しそう!
読了日:11月10日 著者:小川糸
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33275172

■キャベツ炒めに捧ぐ
惣菜屋で働くアラ還3人組のお話。出てくるお料理はみな美味しそうで、そして3人の個性と人生の来し方がストーリーを彩る。こんなお惣菜屋が近所にあったら良いだろうな。
読了日:11月9日 著者:井上荒野
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33256308

■真夜中の運動会
成績も見た目もぱっとしない高3の布施靖。彼女には頭が上がらず、家庭では祖父の認知症・父のリストラ・母の不倫と受験勉強どころではない日々。イマドキ、こんなにお祖父ちゃんの介護を頑張る子がいたら珍しいかな?彼女玲子の気の強さ、そのわけに納得のラスト。
読了日:11月8日 著者:池永陽
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33244096

■モップの精と二匹のアルマジロ (ジョイ・ノベルス)
モップシリーズの4作目、初めての長編。地味な妻と目が覚めるほど美形な夫、妻から夫の不審な行動を探るように頼まれたキリコと、思わぬ形で二人に関わるようになった大介。タイトル通りの切ない二人の間柄、でも少しは救いのあるラストで良かった。
読了日:11月8日 著者:近藤史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33217076

■モップの魔女は呪文を知ってる (ジョイ・ノベルス)
スポーツクラブ・希少種の猫を入手するためバイトを掛け持ちする女子大生・小児病棟に深夜現れる魔女と新人看護師のお話・妹を殺害してしまった通販会社社長の4編。病院のお話が胸に迫る。
読了日:11月8日 著者:近藤史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33215039

■秋の牢獄
やはり季節感を味わいたいので、本に書かれた日付けにもこだわりたいと思い再読。『秋の牢獄』やっぱりいいわ。藍ちゃん、11月8日を無事に迎えられているといいけど…。
読了日:11月7日 著者:恒川光太郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33197149

■モップの精は深夜に現れる (ジョイ・ノベルス)
大介と結婚して、おばあちゃんの介護と家事そして大好きなお掃除の仕事を両立させるキリコ。「悪い芽」「鍵のない扉」「オーバー・ザ・レインボウ」「きみに会いたいと思うこと」の4編。キリコさんを我が家に派遣してほしいと切に思う。面白かったです!
読了日:11月7日 著者:近藤史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33195671

■調律師
熊谷さんの今までのイメージと大きく違う作風に驚いた。ピアノの音を匂いとして感じ取る共感覚を持つ鳴瀬玲司が、様々なピアノとその弾き手と関わってゆく。作者熊谷さんも執筆中に震災を経験され、物語も大きく変わったということだが、私はそれも含め素晴らしい作品だと感じた。
読了日:11月5日 著者:熊谷達也
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33164584

■決壊石奇譚 百年の記憶
石に込められた人の想いを読み取る能力のある少年たちの物語。紫水晶・琥珀・翡翠、負の感情を丸ごと受け継いでしまうのはどれほどの負担になるのだろうか?大いなる友情の物語でもある。三木さん、初読み。
読了日:11月4日 著者:三木笙子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33141981

■幸福トラベラー (一般書)
上野公園に学校新聞の写真を撮影に来た‘小美濃春生’と修学旅行中になぜか単独行動をしている‘行方彩夏’の一日。アヒルバスのデコ&クゥが登場していて嬉しかった。おばあちゃんトリオが良い味出している。面白かった。
読了日:11月3日 著者:山本幸久
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33141701

■赤いカンナではじまる
書店員・出版社の営業・編集者がかかわる短編集。ストリッパーの話しの『美しい丘』と『最後の夏休み』が好き。
読了日:11月2日 著者:はらだみずき
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33141492

■思い出をなくした男
思い出探偵シリーズ。人探しではなく依頼人の思い出に関わるものを探す探偵社のお話。風変わりな医者がメンバーに加わったり、心に傷を持つ佳菜子が活躍したり。ただ由美はあまり好きになれなかった。文章は平易で読みやすいけれど、やや表現が嫌いな部分も。茶川のことを『テカったスキンヘッド』とか。ドラマ化したら面白くなるかも?
読了日:11月1日 著者:鏑木蓮
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33060620


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/

10月の読書記録

2013-11-01 08:59:58 | 読書
10月も楽しい読書ができました。

イチオシは、森沢明夫さんの「ミーコの宝箱」
      西條奈加さんの「三途の川で落とし物」






2013年10月の読書メーター
読んだ本の数:41冊
読んだページ数:12467ページ
ナイス数:3091ナイス
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■罪の余白
はじめましての作家さん。第3回野生時代フロンティア文学賞受賞作。高校生の娘をいじめで失った父の悲しみ、支える風変わりな同僚。いじめの首謀者の性格の悪さと、それに引きずられる同級生。スクールカースト、わずか数年間の学校時代にこんな息苦しい日々を送るのかと思うと、今どきの中高生たちが痛々しく思える。
読了日:10月31日 著者:芦沢央
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33038768

■太陽の石
シリーズ3作目。今回は魔導師9兄弟の壮大な兄弟げんか物語と。面白かったんだけど、何となく乗れずに終わってしまいました。人間の持つ闇、これは乾石さんにとってのテーマなのかしら?次作に期待したいです。
読了日:10月31日 著者:乾石智子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/33019904

■新編 風の旅
『花の詩画展』にて、購入。何とも胸に迫る素晴らしい絵と詩の数々。大切な宝物になりました。
読了日:10月29日 著者:星野富弘
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32989322

■天使はモップを持って (ジョイ・ノベルス)
オフィスビルを一人で清掃するうら若き女性清掃作業員キリコ。丁寧な仕事ぶりと冴えた推理で様々な謎を解いていく。兄やん、可愛い!
読了日:10月28日 著者:近藤史恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32969013

■ラブオールプレー (ポプラ文庫ピュアフル)
爽やかなスポーツ青春もの。バドミントンの試合開始時にジャッジがかける言葉「ラブオールプレー」。0対0から始めますという意味だと。主人公水嶋亮と横浜湊高校のバドミントン部の仲間たちとの成長譚。文句なしに面白かった。
読了日:10月28日 著者:小瀬木麻美
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32958903

■フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)
様々なエピソード満載の1冊。秋実さんと我南人のお話が読めてよかった。紺と亜美さんの出会いとか、藍子と真奈美さんの話とか、これまでの東京バンドワゴンのストーリーを更にふくらませてくれる。
読了日:10月26日 著者:小路幸也
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32919401

■リストラに乾杯!
一流大学を卒業してエリート銀行員として走り続けていた森本二郎が、突然リストラされる。夫の職業とその妻という座にしがみつく専業主婦の妻「みはる」、この人に猛烈な反発を感じてしまう。格安バスツアーで出会った山室老人が良い味出している。『所属する組織とか肩書きがはずれたあと、人の価値はどう計ったらよいか』最後はメデタシメデタシという結末で読み心地は良かったです。ちょっと半沢直樹を思い出しながら読んでしまった(笑)
読了日:10月26日 著者:汐見薫
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32913002

■もらい泣き
サラリと読み終えたが、すぐに内容を忘れそうだ。ジワリと感動する話もあった。やはりエッセーって苦手かも。
読了日:10月25日 著者:冲方丁
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32891044

■彷徨い人
日光での同窓会旅行から、戻って来ない妻。謎の失踪事件の顛末は?何だか釈然としない結末にややガッカリ。先が気になり、一気に読了はしたものの、法律って何だろうかと思ってしまう。
読了日:10月25日 著者:天野節子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32878978

■緋色からくり
からくり錠前師のお緋名が、姉とも慕ったお志麻の死の真相を追いかける。猫の大福が可愛い!田牧さん3作目ですが、大好きな作家さんになりました。
読了日:10月24日 著者:田牧大和
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/32858267

■光降る丘
2008年の岩手宮城内陸地震をベースに、栗駒山にほど近い栗原耕英地区をモデルに書かれた物語。本書の中では共英地区となっている、その地域に暮らす開拓民三世代の家族を中心に描かれていて、中々読み応えがあり面白かった。開拓一世の耕一の苦労、二世耕太・三世智志と続く開拓村の歴史としても。山が一つなくなるほどの直下型の地震、犠牲になられた方の冥福を祈りたい。
読了日:10月23日 著者:熊谷達也
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■ソロモンの犬
女の子に声も掛けられない、ちょっとダサい大学生秋内静が、犬に引きずられて道路に飛び出した小学生の事故現場に居合わせてしまう。亡くなった小学生は大学の教員の一人息子。犬は何故飛び出したのか、そして不幸なことに小学生の母までも自殺してしまう。4人の大学生のやりとりに少しやきもきしながら、間宮先生のステキなキャラにわくわくしながら読了。
読了日:10月23日 著者:道尾秀介
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■ミーコの宝箱
シングルマザー、ミーコが、一人娘チーコを慈しみ育てる。ミーコの育ってきた環境、祖父母の思い。とても素敵なお話でした。作中に、「虹の岬の喫茶店」がちらりと登場したりでちょっと嬉しかったり。クリスマスイブにおしるこを食べたくなりそうです。
読了日:10月22日 著者:森沢明夫
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■RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (カドカワ銀のさじシリーズ)
5巻を読了してから少し間が空いてしまったのが残念。こういう本は一気に読み切りたかったな。引っ込み思案な泉水子の成長譚として楽しめました。星降る夜、素敵!
読了日:10月22日 著者:荻原規子
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■一分間だけ
殺処分されかけていた、ゴールデンレトリバーの「リラ」と一緒に暮らすことになった編集者の藍。在宅で仕事をする年下の浩介と二人と一匹で調布の一戸建ての家での生活が始まる。多忙になる仕事、二人の心の行き違い、そしてリラに襲いかかる病魔。生き物と暮らすには責任と命を預かる重さがともなうことを教えてくれる。最後は涙で読了。藍にも素敵な未来があるといいな。
読了日:10月21日 著者:原田マハ
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■東京ポロロッカ
多摩川が大逆流?都市伝説のような噂に翻弄される流域の住人たち。お役所の下請けをする気象予報会社の若い社員や、噂に乗じて儲けを企む面々。カフェ栞の話が好きだ。
読了日:10月21日 著者:原宏一
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■捨て猫という名前の猫 (創元クライム・クラブ)
元刑事のライター柚木草平が、飛び降り自殺をした女子中学生の死の真相を探る。軽妙な草平と生真面目な小高直海のやりとりが面白かったが、事件の真実は何ともやりきれなく後味が悪い。捨て猫のように生きた麦ちゃんが哀れ。
読了日:10月20日 著者:樋口有介
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■僕僕先生 (新潮文庫)
仁木さん、初読み。ほのぼの系中華ファンタジーとでも言うのかしら、面白かったです。仙人修行というと、もっとハードで大そうなものを想像したけれど、こういう感じ好きです。続編も読みたくなりました。
読了日:10月19日 著者:仁木英之
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■闇の虹水晶
かけられた呪いと愛するものをすべて奪われた喪失感の中で生きるナイトゥル。人の持つ想いや苦痛を石に作り替えて取り除く「創石師」として生きる彼の運命を描く。石を産みだせばおのれの生命を削るという、過酷な生き方の中で闇の虹水晶が指し示したものとは?今までの作品より、やや読み難く感じたけれど、面白かったことは確か。1冊にむりやり詰め込んだ感があったような…。
読了日:10月19日 著者:乾石智子
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■春疾風 続・三悪人
面白かった!前作三悪人より、忠邦のお家騒動を絡めたり、金さんの想い人お夕を絡めたり。妖怪とも呼ばれた鳥居耀三が人間くさくて良い味を出している。時代物が得意でない人にも軽く読める良作。彦太の作る料理が美味しそうだ。
読了日:10月17日 著者:田牧大和
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■三途の川で落しもの
死者があの世に渡るための三途の川。そこで出会った奪衣婆と懸衣爺(ダ・ツ・エヴァと県営王)。叶人は死因が明確でないため、あの世に渡ることも出来ず、この世に想いを残し彼岸に渡ることの出来ない人が三途の川に落とした地蔵玉を探しに十蔵、虎之助とともにこの世に送り込まれる。生きていた時代と年齢のギャップから、噛み合わない3人の会話が面白くて最高!叶人の成長の物語としても素敵なもので、エピローグがとても良かった。
読了日:10月17日 著者:西條奈加
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■祈祷師の娘 (福音館創作童話シリーズ)
祈祷師の一家で暮らす春永は、家族の誰とも血のつながりはない。父とともに毎朝の水行を行ってもモノを見る力は宿らない。モノを見ることは出来なくても、春永の優しさ温かさはとても素敵だと感じました。逆にチカラを得てしまった和花の苦しみを想像して切なくもなり。。産みの母に逢いに行くくだりは少し切なく、戻って来た時の家族の様子がまた良かった。
読了日:10月16日 著者:中脇初枝
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■アイドル新党
ありえない!とか思いながらも、一気に読了。売れないアイドルの春乃マキが政治の世界に殴りこみ。このマキちゃん、元ヤンのレディース出身。声なき民衆の声を政治の世界に届けて行く、壮大な目標と行動力があれば、こんな政党が出来てしまうかも?マジョの声を国会に!
読了日:10月16日 著者:原宏一
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■魚神
日本のどこかにある、遊郭の島で暮らす姉と弟。白亜という美しい姉とスケキヨという賢い弟の何とも物悲しく不思議な物語。日本の本土ではそれなりの現代文明の世の中なのに、この島だけが時代が違っているようだ。大人のおとぎ話といった雰囲気。千早さん、初読み。
読了日:10月15日 著者:千早茜
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■沙羅は和子の名を呼ぶ (集英社文庫)
10の短編集。一番好きなのは「オレンジの半分」。「商店街の夜」の雰囲気もすごく気に入りました。読んだ時期が悪かったのか、ダークなものは少し私には重く感じてしまいましたが、手元に置いてまた繰り返して読んでみたいものです。
読了日:10月14日 著者:加納朋子
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■月曜日の水玉模様 (集英社文庫)
しっかりもののOL陶子と、調査会社社員萩くんの日常の謎ときストーリー。まだ携帯が普及する前の時代のお話で小田急線の通勤状況とか、代々木上原の乗り換え場面とか面白く読めた。愛甲石田から通勤する萩くん、それは眠いでしょうねww萩くんの想いが実りますようにと読了。
読了日:10月11日 著者:加納朋子
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■娘の結婚
父と娘、母を亡くして二人寄り添って生きて来た二人に、娘が「紹介したい人がいる」と。父の娘を思う愛情、娘の思い、さまざまな伏線がキレイに収束してくれて最後は涙で読了。彼のお父さんが素敵な人で、父の友人たちが良い人で、サラリと読めました。これは娘を持つお父さんにぜひ読んでほしい本ですね。さて、明後日の式で泣いちゃうかな?三女の方が大泣きしそうな…^^;
読了日:10月10日 著者:小路幸也
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■カマラとアマラの丘
動物を埋葬する特別な遊園地。読んでいて、とても辛くなるシーンも…。この遊園地のモデルと思しき場所には、思い出もあったり。バラが美しいのよね。
読了日:10月10日 著者:初野晴
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■れんげ野原のまんなかで (ミステリ・フロンティア)
交通の便の悪い位置に有る、あまり人の来ない図書館。そこを舞台にしたちょっとしたミステリー。主人公文子のキャラクターがあまり好きではなかったけど、図書館運営の大変さや、本に対する愛情愛着を目の当たりにして、嬉しくなる。近くにあったら、絶対行ってみたいなあ。レンゲの花畑、最近めっきり見られなくなっているので、少し郷愁を感じたりして。
読了日:10月9日 著者:森谷明子
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■虹の岬の喫茶店
亡き夫が描いた虹の絵を飾った、岬の小さな喫茶店。訪れた人にピタリと合う音楽と美味しいコーヒーを楽しめる。女主人の悦子さんが素敵で、こんなお店にふらりと立ち寄ってみたくなる。
読了日:10月8日 著者:森沢明夫
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■三悪人
田牧さん、初読み。面白かった!!遠山金四郎・鳥居耀蔵・水野忠邦の息詰まる騙し合い。天保の改革前の、若き日の三人を描いていて人物像も極めて分かりやすく良かった。田牧さんの作品を追いかけてみます。
読了日:10月8日 著者:田牧大和
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■入らずの森
愛媛県の石鎚山近くの山深い村。平家の落人伝説と、凶悪な事件が過去に起こったと言う因縁。人の悪意に取り憑く粘菌の謎。面白くて一気読みでした。後半のスピード感は素晴らしかった。宇佐美さん、初読み。
読了日:10月7日 著者:宇佐美まこと
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■プロメテウスの涙
不可解な行動を取る日本人の10歳の少女と、在米の末期癌に冒されながらも死ぬことのできない死刑囚S16。二つの全く関わりのなさそうな人物のつながりは、科学や医学でははかりしれない輪廻転生と赦しの物語だった。ぐいぐい引き込まれて一気に読了。死を許されずに生き続けることも、死刑より辛いことなのかもしれたい。プロメテウスの意味が良くわかる。
読了日:10月6日 著者:乾ルカ
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■スノーフレーク
函館の高校卒業を目前に、6年前に一家心中で突然亡くなってしまった速人の死の真相を探る真乃。5人で乗った乗用車から遺体が発見されたのは速人以外の4人。彼は生きているのか?幼なじみで一番の仲良しを失った真乃の心を救ったのは…。スノードロップは知っていましたが、スノーフレークは未知の花。見てみたい!
読了日:10月5日 著者:大崎梢
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■真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 (ポプラ文庫 日本文学)
午前3時にブランジェリークレバヤシに現れたのは、希実の従姉妹沙耶。居候の希実のもとに、さらに居候が増えて…。クレさんは長期の夏休み中、レモンを大量に携えてやってきたこの従姉妹が持ち込んだ騒動の顛末は、はからずも希実の記憶を呼び覚ますことになる。真夜中にお店を開けるその意味も納得。面白かったです。ドラマ、見るかどうかはまだ未定ですが…レモンの香りのする、ウィークエンドデニッシュを想像するだけでお腹が空くー!
読了日:10月5日 著者:大沼紀子
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■21 twenty one
21世紀に21歳になる21人のクラスメート。当時26歳の若い担任女性教師に言われたひと言で仲の良いまとまったクラスになった仲間たち。10年の時を経て、1人の男子が自殺する。何故自ら死を選ぶのか、残されたクラスメートの悲しみと困惑。心温まるラストとは行かなかったけれど、じんわり印象に残る作品。
読了日:10月4日 著者:小路幸也
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■あした咲く蕾
7つの短編からなる1冊。不思議な力を持つ人、あるいは不思議な体験をした人の物語。どれもみな、どこか懐かしく切ない気持ちの読み心地です。「雨つぶ通信」「空のひと」「虹とのら犬」が特に好きですね。
読了日:10月4日 著者:朱川湊人
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■友罪
逃れられない過去を持つ、鈴木・益田・美代子。3人の人生が川口の工場で交錯したときに大きく動いてしまったこと。何とも重い物語ではあるし、現実に起こったあの事件を連想してしまうが、鈴木には生き抜いて欲しいと切望する。それにしてもマスコミのやり方というのは、何ともやりきれない。薬丸さんの作品の中では、今のところ一番印象に残る作品。
読了日:10月3日 著者:薬丸岳
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■泣き童子 三島屋変調百物語参之続
おちかの三島屋での暮らしも一年が過ぎ、百物語もだんだんと重くて辛いものも出てくる。タイトルの「泣き童子」は親子の重い業が切ない。六編の中では「小雪舞う日の怪談語り」が一番好き。両国橋の上でおちかに語りかけたもの、怖いだけの百物語でないのが嬉しい。おちかの心の傷は少しずつ回復してきていると感じた。もう、次が楽しみでたまらない。
読了日:10月2日 著者:宮部みゆき
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■やがて、警官は微睡る
待ってました!武本・潮崎シリーズ第三弾。横浜に新規オープンしたホテルで発生した人質籠城事件。犯人グループの実態も不明のまま、たまたま居合わせた武本と新米ホテルマン西島が奔走する。人質は全員無事に解放されて、ホテルに仕掛けられた爆弾の処理も上手く行っても、犯人を逮捕出来なかったのは、続編ありということなのかしら?続きは早めに読みたいので、日明先生よろしくお願いします!
読了日:10月2日 著者:日明恩
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■短劇
今まで持っていた坂木さんへのイメージを覆させられるブラックな短編集…。出だしの「カフェオレのない日」「目撃者」「雨やどり」くらいまでは、ちょっとほっこりなイメージで読み進めていたけれど、どんどんダークな物語が続いてちょっと辛かった。だけど文章は読みやすく、力量を感じさせられるのはさすが。
読了日:10月1日 著者:坂木司
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