私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

パスト ライブズ /再会

2024-04-13 21:01:55 | 映画鑑賞

女性と男性の違いを改めて感じずにはいられないストーリーだ。

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幼い頃一緒に韓国で過ごすも、少女の両親の海外移住の為に12歳で別れる事になる少女と少年。12年後、ネットで繋がりオンライン上で再会するも現実に会う事はかなわず、実際に再び出会う事になるのは更に12年後、女性が結婚して生活するニューヨークの街だ。

12年後のオンライン上での再会。24歳の女性は若くて未来も輝いているように思える年齢だが、選択の年齢でもある。恋に生きるのかキャリアに生きるのか。両方を手に入れる事も出来るかもしれないが、彼女たちの場合はそこに距離が立ちはだかる。先に進みたい女性と違い、兵役を済ませ現実社会に戻って来たばかりの男性には、24歳はまだ大人になるための猶予期間なのだ。彼女に会いたくて熱意が実り再会するも、その再会の喜びに満足してしまい男性はその先の一歩を先延ばしにしてしまう。しかし、両親についてカナダに渡り、更にキャリアを積むべくニューヨークに移り住んだ彼女にとっては人生はどこかに向けて進んでいくものなのだ。二人の歯車はかみ合わず、再び出会うのは男性がやっと重い腰を上げる事になった12年後の36歳だ。

諍いがあって別れたわけではない二人の関係故、そのもどかしさは見る者に様々な感情を連想させる。今更会っても何も変わらないはずなのに、男性は何故女性に会うのか、会ってどうするのか、ただの懐かしさなのか。そしてその再会に更なる感情を付け加えるのは、女性が自分の夫に語る韓国語のイニョン(因縁)という言葉。前世という言葉と一緒に使われる事の多い因縁が24年ぶりの再会にどんな意味をもたらすのか。

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私は24年ぶりの再会に心揺れる二人の感情に思いをはせていたのだが、私の後ろの席で観ていた20代前半と思われる大学生らしい二人の男性は違ったようだった。

言葉も分からずに二人の24年ぶりの再会の様子を隣で観ていた女性の男性に感情移入したようで、「アーサー(女性の夫の名前)が可哀そうで涙が出そうになった。俺だったら絶対メンヘラになる・・・」と二人で熱く語りあっていた。

映画館で映画を観る醍醐味は、こんな風に自分とは全く違う視点からの感想が自然に耳に入って来る事だ。

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二人が再会するニューヨークの景色はどこまでも綺麗だ。映画を観ながら、中国本土から香港そしてニューヨークと長い年月をかけた男女の関係を追ったピーター・チャンのラブソングを思い出していたのだが、やはりそんな風に思う人はいるようで、監督にその事を確認しているインタビュー記事を目にする。

 



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