刑事として若い女性の殺人事件の捜査にあたるハヨン。犯人と思われる赤い帽子をかぶった男を検挙するも、真犯人は別にいるのではと疑うハヨン。
しばらくして今度は妊娠中の若い女性を殺害する事件が発生。恋人が疑われ、先輩刑事は彼が犯人だという決めつけの元、圧迫面接ならぬ圧迫取り調べで、亡くなった女性の恋人を犯人に仕立て上げる。疑われても仕方ないような経歴を持っていたとしても犯人とは限らない。納得できないハヨンは、あくまでも冷静に「真犯人は別にいる」と言い、先輩刑事もいる中で、再び事件現場に赴き、現場検証と証拠調べを始めるのだ。事件のあった家の門扉に書かれた数字から、デリバリーのドライバーに狙いをつけ、更には赤い帽子を被った小柄な男の目撃証言を探し求める。「犯人は別にいるはず」と言いながらも、一見するとハヨンのテンションは低い。事件の収束を図る先輩刑事にたてつくわけでもなく、いくつもの証拠を探し出し、それらの証拠が重なる部分にいるであろう犯人を見つけ出そうとする。更にそれだけでは飽き足らず、「犯人の気持ちが判るのは同じ犯罪者だ」とすでに収監されている人間から「犯罪者の心理」を探り出そうとする。
プロファイラーという職業は知らずとも、犯罪者の心理を知ろうとし、犯罪者の行動パターンをその現場に残された手がかりから知ろうとする姿は、もうすっかりプロファイラーのそれだ。
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刑事のハヨンを演じるキム・ナムギル。善徳女王に出演していた頃から「あの容貌と持っている雰囲気はサスペンスミステリーにピッタリだ」と思っていたのだが、心の奥底に秘めた感情を静かにコントロールするこの刑事役は、まさにそんな役だ。彼はどんなドラマでも、キム・ナムギル劇場にしてしまう妙なパワーがある。これもそんなドラマになるんだろうなと思わせる香りがする。