行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

視座を高める

2006年03月01日 | 行革・人材育成
2月27日の日経新聞・経済教室に、興味を引く記事があったので紹介します。
産業再生機構マネージングディレクター小城武彦氏の「日本的組織のトップの役割」という記事です。

要旨を簡単に書きますと、
○ 日本的経営の特性は、時により強みの原因となったり、弱みの原因となったりする。
○ 強みとするためには、経営トップが愚直に経営理念を実践し、社内に浸透させなければならない。
○ 安易な欧米の手法の導入は、強みをなくす恐れがある。
というものです。

日本的経営の強さを4つ挙げてありましたが、特になるほどと思ったのは、「年功的要素を加味した人事評価体系」、「権限委譲による中間管理職層の裁量権の大きさ」という点です。
民間企業の話なのに、なんとなく行政と一緒。

筆者は、これらが強みになるか弱みになるかの分水嶺は、「会社が社会に存在する意義と使命、そしてそのために各自が果たすべき役割の認識度」であると言います。

これが弱ければ、「社外のことが視界に入らず、日本的組織の特徴から周りの人間との調和を優先する形となって現れ、自らが生きる職業的世界観が社外との接点が希薄な同僚との世界に矮小化し、その中で生きる心地よさに埋没していく。会社とその使命への忠誠心が小世界への忠誠心へと変質してしまう。」と言います。

“水は低きに流れる”ではありませんが、人は安易に流れます。
組織の中で生きる心地よさは、顧客や組織の存在意義よりも、組織の人間関係や心地よさを優先させる心へと変質させていきます。
そのためにも、外部の人と交流し、学び、外部の視点を持つよう心がけることが必要になると思います。

筆者はトップの役割として、「これを防ぐために、社員の視座に働きかけることが必要である。。『なぜ、我々は人生の貴重な時間をこの会社で費やしているのか、この会社が社会に存在している意味は何か、我々はそのために何をするべきか』。この問題意識を社員に思い出してもらうことが重要な意味を持つ。」
そのためにも、「トップが自ら社員に語りかけ、愚直に実践し、本気度を見せないと社員は行動を起こさない」と言っています。

トップでなくても、自らの職場で、青臭くこういう議論が出来る職場ならいいなと思います。

コメント
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