行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

百匹目の猿

2006年08月24日 | 自己啓発

「『百匹目の猿現象』を起こそう!」(著:船井幸雄)を読みました。

日曜日にファシリテーションの本を探しに行ったのですが、なにげに目に付き、なんとなく引かれて買ってしまった本です。

常にあるテーマを考えていたとき、ふと本屋でその関係の本を見つけたり、新聞を読んでいるときに記事が目に飛び込んできたりというのは良くあることですが、そういったことを探してないのに(アンテナをたててないのに)飛び込んでくると言うのは珍しいパターン。

さして難しい本でもないので、すぐ読んでしまいました。


「百匹目の猿現象」とは、ある行動(特に良い行動)が一定限度以上の個体数を超えて行われると、物理的距離を越えて別のグループに伝播するという現象です。

宮崎県の幸島に棲息する猿の一頭がイモを洗って食べるようになり、同行動を取る猿の数が閾値(仮に100匹としている)を越えたときその行動が群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山にいた猿の群れでも突然この行動が見られるようになったという話から来ています。

著者は、良い行動を率先して行い、その人数が一定数を超えると世界に伝播する。そうやって世界を良い方向に変えていこうと書かれています。

実際にそのような現象が起こるのかというと、実はネタ元のライアル・ワトソンはたとえ話として取り上げたとか、その又ネタ元の河合雅雄の論文には実はそんなことは書いてないとかいう話もあり、信頼性は薄そうです。

ただ、1人が走り出しても変人だが、5人なり10人なりが同じ方向に走り出すと、その他大勢もつられて走り出すということはある話であり、改革を進める立場としては、「百匹目の猿現象」は勇気をもらえる話だと思います。

そういった意味で、真偽をただ批判してしまうのではなく、同じ目標を持つ職員が百人(というくらいのある一定の数)になることで、組織の改革が加速度的に成功する。そのための最初の1匹となるんだという気持ちと勇気を持つきっかけとして考えたいと思います。

本の内容にはだいぶスピリチュアルな話が出てきます。その点が嫌いな人もいるかも。その一方で、著者が有名な経営コンサルタントであることから、経営的な話もあり、まあ楽しめる本ではあります。

この本からの収穫は、読む人の考え方次第だと思いますが、一つのムーブメントを作り出そうという気持ちにさせてくれる本だと思います。





コメント
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