行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

開物成務

2006年02月10日 | 名言・格言
開物成務(かいぶつせいむ)

「易経」の中の言葉で「国家の経世は人物を育てることにあり。その人物をして物事を立派に成し遂げることに意義がある。」という意味で、明治維新の文明改革の際によく引用されていたそうです。

元の文は『子曰く、それ易は何するものぞ。それ、易は物を開き努めを成し、天下の道をおおう。かくのごときもののみ成るものなり。この故に聖人はもって天下の志に通じ、もって天下の業を定め・・・もって天下の疑を断ず』
とあります。

国家の経世に限らず、組織をマネジメントするうえでも「人を育てる」ということは最も重要なテーマです。

自治体のプロ職員としての自覚と能力を持つ職員を育成し、その職員が住民により質の高い行政サービスを提供できるようにすることが、職員研修をはじめ人材育成の担当をする者の大きな務めであると実感しています。


最近議論されている公務員の総人件費削減について、私は行政コストをきちんと管理する意味で評価はしています。

しかし、その一方で不満なのは、職員をコストでしか見ていない一面的なとらえ方です。

国・地方ともに財政状況が悪化している現在、行政コストの削減は喫緊の課題です。

しかし、縮小再生産を続け、新たなビジョンを描けないケチケチ運動の限界は早くから言われていることです。

早急な行政コストの圧縮と同時に、自律的に行動し改革を先導する人材の育成こそ、今急いで取り組まなければならない課題だと思います。

そもそもの「公務員制度改革」は、それがテーマでした。

しかし、総人件費ばかりを議論し、目先にこだわるケチケチ運動に墜ちた気がします。

人材育成によりことを成す「開物成務」の考え方こそ、本来の公務員制度改革であると思います。

コメント
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