Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

お人好しバカ、反撃する

2016-02-05 01:00:00 | 雪3年4部(彼との対話~健太との対決)
また月曜日か‥



怒涛の週末が過ぎ、再び月曜日がやって来た。

しかし何も変わらないなんてことはなくて、その証拠にこの二人の関係は、

明らかにおかしなことになっている‥。



物凄い形相で後ろをじっと睨む聡美と、それを睨み返す太一。

雪は振り返りこそしなかったが、二人が同じ表情をしていることは見なくても分かった。



いつも雪&聡美と一緒に居る太一が一人離れて座っているのを見て、同期は不思議そうにしていたが、

太一は不機嫌そうに「フン」と言うだけだった。

ドロドロとしたオーラを隣と後ろから感じながら、雪は白目を剥いて自身に言い聞かす。

私は‥もう知らんぞ‥





健太、ファイティン!このまま大企業に就職よ!



一方同じ教室の片隅で、柳瀬健太の携帯が震えた。

そこに表示された母からのメッセージを見て、健太は大きな声で嘆き出す。

「あー!マジで‥!就職就職就職!」



なかなか就活が思うように行かず、健太は苛立っていた。

クッソ‥もっと頑張っておくんだった‥

面接がダメだったら試験‥!くそぉー!


「あたし直美の話聞いたけどさぁ」



頭を抱える健太の近くで、女学生達は過去問盗難事件のことについて大っぴらに話し合っている。

「海にもどうして過去問あげたんだとか何とか言ったんだって?」

「そうみたいですよー」

「マジありえないね。どうしてそんなこと出来るんだか。

あげるのは嫌だけど、盗むのはアリってこと?」




その直ぐ側に、糸井直美が居た。

直美がその話を聞いていることに気づいた彼女らは、素知らぬ顔で話題を変える。

「あ、てか今度あのネイルサロン、キャンペーンで安くなるみたいよ」「マジですかー?」



悔しそうに顔を歪めながら、直美はそのまま足早に離れた席へと向かった。

そんな光景を、雪はじっと見つめている。



どうやら直美さんの友達は、もう完全に彼女をハブる流れのようだ

まだ三年生なのになぁ‥



眉間に皺を寄せて考え込む雪の隣に、柳が「赤山ちゃんオハヨー」と言いながら着席した。

しかし雪の胸中は過去問事件と糸井直美のことでいっぱいだ。

私はただ誰がやったのかを知って決着をつけたかっただけなのに、

まさかこんな風に事態が展開していくなんて‥




想定外の事態へと転がって行く現状を前にして、雪もまた戸惑っていた。

けれど今の状況を、冷静に客観視する自分も居る。

勿論率直な感想は、



机に過去問を置いた人も問題だけど、それを破いて捨てた直美さんも共犯といったら違いない



たとえあの弁解が事実だとしても、

過去問をそのまま私に返してくれていれば、こんなことにはならなかっただろう。

結局本人が、まるで自分が犯人であるかのような墓穴を掘り、今のような事態を招いてしまったのだ。




客観的事実はもう分かりきっている。

けれど割り切れないのは、直美の横顔を見て感じる、自身の心だ。

けど‥あんなに悔しそうな顔をされてしまっては、気にせざるを得ない‥



すると突然、柳瀬健太が皆に向かって口を開いた。

「みんな止めよーぜぇ」



「人をそんな風に追い詰めるもんじゃねーよ」



まぁまぁ、と言いながら女子達に近づく健太を見て、

また首を突っ込んで来た‥ と雪は思った。

そんな健太に向かって、黒木典は自身の言い分を口にする。

「だって謝るならともかく、

ずっと自分は間違ってないって言い張ってるじゃないですかー」




その典の言葉を聞いた健太は、「ま~それはだな」と前置きをした後、

雪の方を見てウインクを飛ばした。

「赤山が許せば全て丸く収まることなんだけどなっ」



はは?



いつもながらのウザめなその言動に、肩をすくめて乾いた笑いを立てる雪。

そのまま頭を抱える彼女を見て、柳がこう声を掛けた。

「赤山ちゃん赤山ちゃん、

糸井とちゃんと話してみた?この空気感、やっぱ嫌な感じじゃね?」


「いえ、特に何も‥」



いつも現状に頭を抱え、予測できない出来事に振り回されている自分。

すると頭の中で、聞き覚えのある声がした。

もっと凛として生きてみろっての。このお人好しのバカが



そう言ったのは、河村亮だった。

言われてやたら腹が立ったのは、きっとそれが図星だからー‥。



いつまでも”お人好しのバカ”ではいられない。

亮の一言が、雪をそこから一歩踏み出させる‥。





雪が鋭い視線を送る先に居るのは、黒木典と話をしている柳瀬健太だ。

雪は彼から視線を外さぬまま、隣に座る柳に向かって静かにこう言った。

「いずれにせよ」



「話をするなら健太先輩と、です‥」



柳はそう口にした雪の横顔を、じっと凝視していた。

あくまで口調は冷静で、その表情は極めて真面目だ。



それでもやはり柳瀬健太への苛立ちを隠せない雪だったが、柳はそれももうあまり気にならなかった。

先程の彼女の言葉とその態度で、真犯人が一体誰なのかが、ハッキリしたのだから‥。

「‥‥‥‥」






そして健太の携帯は、ひっきりなしに母からのメールを受信し続ける。

健太!健太よ!ファイティン!

弟達は内定ゲット‥




伸し掛かるプレッシャー。思わず健太は頭を抱えた。

あーーーもう止めてくれ!

ちっとは気ぃ遣ってくれよ!




健太は三人兄弟の長子だが、

未だ就職出来ていないのは自分だけになってしまったのである。



ノートに赤字で丸された数字の10の後には、「卒業試験合格発表日」と書いてある。

「クソッ‥」



健太は焦燥を持て余しながら、一人悶々とし始めた。

つーかどうしてメール来ねーんだよ?まさか面接落ちた‥?!



このままじゃ駄目だこのままじゃ‥!

ただでさえこの前卒業試験落ちたってのに‥面接も落ちて卒験も落ちて‥ってマジでヤバイって!!

俺がどんだけ苦労して大学生やり続けたと思ってんだ!




どんだけ‥!



柳瀬健太、二十九歳。

何度後輩が先に就職し、卒業して行くのを見て来ただろう。

絶対にもう留年は出来ない、そんなプレッシャーが、健太をおかしな方向へと向かわせてしまったのだ‥。



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<お人好しバカ、反撃する>でした。

雪に焦点が当たるこんなコマでも‥↓



聡美を睨む太一が印象的ですね(笑)


さて次回は<事件簿・その顛末>です。


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