Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

健太との対決(1)

2016-02-11 01:00:00 | 雪3年4部(彼との対話~健太との対決)


赤山雪はじっと足元を見つめながら、長いことその場に立っていた。

ここ、講義室の裏にある駐車場にて、先ほど柳瀬健太と会う約束をしたのだ。



やがて連続講義を終えた健太は、急ぐことなくこの場所へとやって来た。

そして俯いている後輩に向かって、素知らぬ顔でそのわけを尋ねる。

「さて何の用かな?赤山よ」






互いに目を合わせようとしない二人の間を、ひゅうと北風が吹き抜けていく。

雪はやはり健太の方へは視線を向けないまま、ポツリと話を切り出した。

「大体見当ついてると思いますけど‥」

 

その雪の言葉に、わざとらしく首を捻る健太。

「ええ?何をだぁ?」



しらばっくれるのは想定内。

雪は冷静に、その続きを口にした。

「なぜ直美さんに、あんなことなさったんですか?」



「ん?何‥」

「不自然なほどお節介を焼いて、大きな声出してゴタゴタに発展させて‥」



続ければ続ける程、健太の顔がみるみる歪む。

「一体どうして私個人の問題をそんなに気にするんですか‥」

「ちょ‥何だよ‥」



そして健太は、いつもながらのオーバーアクションで大きな声を上げた。

「どういうことだかサッパリだぜ?

糸井が何をしたのかは、赤山の方がよく知ってるだろ?」




「先輩として俺が、赤山の代わりに言い出してやったってのに‥」

「だからこれは、私の個人的な問題です。健太先輩が関与してくるのはー‥」



「違うでしょう」



雪は強い意志を持って、健太に自分の気持ちを伝えた。

しかし依然として、健太と目は合わせられない。

 

健太は先輩の厚意(表向きだが)を無下にする赤山雪のことを、ぽかんとした表情でじっと見ていた。

しかしその不満そうな顔を見ている内に、健太の心が苛立ちで騒いで行く。



そして遂に、健太は声を荒げた。

「おい赤山!ひどくねぇ?!」「?!」



「俺ゃあこんなにも赤山のことを‥」

「それとも、」



雪はそこで、健太の芝居がかった言動の流れを切る。

「何か後ろめたいことでもあるんですか?」



その言葉が放たれた瞬間、健太がピタリと止まった。

沈黙が落ちる二人の間を、吹き抜けて行く風の音だけが聞こえる。



健太は、あからさまに動揺していた。

パクパクと言葉にならない声が、その青白い唇から漏れる。



「は‥はぁ?何言って‥」

「だって明らかにおかしいですよ。

正直健太先輩って他人事に無関心な方なのに、わざわざ首を突っ込んで事を荒立てて‥」




そして雪の持つ秘蔵カードが、遂に健太に差し出された。

「学科長の所にも‥お一人で行かれたんですよね」

「!!!」



健太が受けたその衝撃は、かなり凄いものだったらしい。

健太は両手をぶらんと下げながら、差し出されたジョーカーの前に言葉を失くす。

二連打‥



”明らかにおかしな言動”と”学科長の元を訪れた”という二段コンボの雪の攻撃。

それは見事に、健太の図星を突いたようだ。

やっぱりね‥



その証拠に、目の前の健太はおかしいくらいに動揺している。

なんだ?なんの話?意味分かんな~い‥。

誰に聞いたの?学科長の件‥




雪は改めて確信した。過去問を盗んだ真犯人は、柳瀬健太だと。

そしてその事実は、俯いてばかりだった雪を奮い立たせる。

「やっぱり」



「どうやら私に対して謝らなければならないのはー‥」



「直美さんではなく、健太先輩のようですね」







健太は目を丸くして固まっていた。

さっきまで下を向いていた後輩が、強い眼差しで自分の方を睨んでいるーー‥。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<健太との対決(1)>でした。

健太‥ちょ‥ごまかすのが下手すぎる‥

よくこれで今までやって来れましたよね‥。逆に感心しますよ‥。

では彼氏彼女の事情の雪野さんに、健太に言ってやってもらいましょう。



こんな風にね!




さて雪ちゃんの追及はまだまだ続きます~


次回<健太との対決(2)>です。

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