Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

事件簿・その顛末

2016-02-07 01:00:00 | 雪3年4部(彼との対話~健太との対決)
これは今から六日前、つまり先週火曜日のことである。

「おい、男らしくあの時のことは全て水に流そうぜ」



佐藤広隆のノートPC事件以来、健太のことを避け続ける柳楓。

健太は自身のプライドを捨て、柳にそう話し掛けたのだった。

「もう一度一緒に勉強‥」

「あ、イヤっすよ」



しかし柳は健太からのその提案を、点一秒で却下する。

「過去問は渡しませんから」



しかもその狙いもあっさり見抜かれて。

終いには、戻った教室にてダメ押しされる始末だ。

「それじゃグループ作って勉強会します?」「いいね~!」



ますます「青田淳の過去問」を持つあのグループには入りづらい。

そんな中、赤山雪が伊吹聡美と席を外した。

「ちょっと飲み物飲み行こう」「うん」



健太は雪が教室から出て行くのをじっと見ていた。

心の中にある、欲望の虫が騒ぎ出す。



するとそんな健太の方へ、糸井直美が近付いて来た。

健太はビクビクしながらサッと身を翻す。



直美は海の座る後ろの席へと着席すると、海に向かって話し掛け始めた。

「海ちゃんちょっと」「何ですか?」







チラ、と教室内を窺う健太。

自分の方を見ている人は誰もいない。



直美は依然として海に向かって、過去問についての不満を漏らしているようだ。

健太はさり気ない風を装いながら彼女達から離れ、目当ての席へとゆっくりと歩を進めて行く。

「う~んと‥試験範囲は~と‥」



そしてその席の真後ろに来た時、健太は手に持っていたプリントをわざと落とした。

「おっと‥」



拾う為を装い、身を屈める。

そして健太はそこに置かれた赤山雪の鞄を、じっと凝視した。



アレだ



薄紫のファイルに挟まれたプリントこそ、求めていた「青田淳の過去問」に違いない。

そう思った健太は、身を屈めたままプリントに手を伸ばした。






プリントを手に取った健太は、何事も無かったかのようにスッと立ち上がった。

すると雪の鞄の上に乗せてあったマフラーが、そこからスルリと滑り落ちる。

「!」



そこに置かれていたものがあからさまに乱れていては、すぐに気づかれる恐れがあった。

健太は超スピードで、マフラーを拾い鞄の下に敷く。



するとそのせいで、鞄の中に入っていたらしいペンが転がり出し、椅子の下に転がった。

思わず「あっ」と声を出す健太。



これも拾わないとと思ったが、どうやらタイムアウトのようだ。

うっ‥ペンが‥あっでも人が来るぞ







健太は迷ったが、とりあえずこの場所から去ることにした。

えーいもう知らん!コピーしてからまたこっそり返せば良いだろ



そう思いながら、後輩達に一緒に勉強しようぜと声を掛け、健太は元居た席へと戻って行った。

何食わぬ顔をしながら、いつも通り笑い声を上げる‥。









席に戻った赤山雪は、すぐに過去問が無くなっていることに気がついたらしい。

健太は彼女達の方へ聞き耳を立てながら、じっとその様子を窺っていた。

そして丁度良い頃合いを見計らって、赤山雪に声を掛けたのだった。

「何っ?!青田から貰った過去問が無いだとぉ?!」



しかしそこで健太は、思いも寄らないことを耳にすることになる。

「青田先輩から貰った過去問じゃないですよ。それは今ここにはありません」

「そうなのか?そんじゃ他の過去問ってこと?赤山は他にも過去問持ってんのか?」

「はい」



段々と狂い行く歯車。

健太は表情が引き攣って行くのを感じながら、柳楓が皮肉にこう話すのを聞いていた。

「誰かが淳の過去問狙ったものの、無駄骨折ったんじゃねーか?ww」



全く図星のその意見を聞きながら、健太は苛立った。

そして休憩時間に廊下へと飛び出して、赤山雪の鞄から盗み出したそれを改めて確認する。

あーもう!意味ねーじゃねーか!

青田の過去問じゃねーなら、ここまでする必要全く無かったじゃんかよ!




糸井の過去問ならもう既に俺の同期も持ってるやつだっつの!!いつでも手に入るヤツ‥

つーか糸井のヤツ、俺にこれくれるとか一言も無くなかったか?!




健太は頭をぐしゃぐしゃ掻きながら、その苛立ちの矛先を糸井直美へと向けた。

クッソ!!マジでありえねーっ!

「この前あたしが出したから今日はアンタがコーラ買ってー」「いいですよ」



するとすぐ傍に、糸井直美を始めとする三年生の女子達が歩いているのが見えた。

健太は息を飲みながら、サッと壁際に身を隠す。






そこから見えたのは、糸井直美の後ろ姿だった。

結構良くしてやったのに、持っている過去問を自分にくれなかった薄情な後輩‥。



彼女の後ろ姿を見ている内に、とある考えが健太の頭の中に浮かんで来ていた。

もしこの計画が上手く行けば‥と考えながら、チラと教室内を窺ってみる。



休み時間の教室はしんとしていた。

見る限り誰も残っていない。



今ならば、糸井直美のせいに出来るかもしれない。いや、逆に今やるしかないーー‥。

健太は急いで糸井直美の席へと走ると、机の上にこっそりと過去問を置いて来た‥。





二日後、健太はとんでもない話を耳にすることになる。

「雪ちゃん学科長に言いに行ったっぽいね」「えーそれはさすがに大袈裟すぎない?」

「嘘ついてるようには見えなかったけどなー」



「でも学科長まで出て来たら、マジで大事になるよねー」



その話を聞いた健太は、自身の心臓がドクンドクンと大きな音を立てるのを感じた。

しかし震える身体とは裏腹に、頭の中はなんとか平静を装おうとしている。

いや‥大丈夫だ。

教室に監視カメラがあるわけじゃねーし、バレるわけねーだろ




なんといっても、手元にあの過去問があるわけではないのだ。

健太は、前方の席に座る糸井直美をチラと窺ってみる。






彼女はソワソワした様子で、焦れたように爪を噛んでいた。

それを見た健太は確信したのだ。

彼女に罪を被せることが出来た、と。

そして健太は、自身から目を背けさせるカモフラージュとして学科長の所へ直訴しに行った。

「泥棒を早く捕まえて下さい」と。




これが「赤山雪の持つ過去問盗難事件」の、顛末であった。



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<事件簿・その顛末>でした。

やはり真犯人は健太ということが判明‥!

健太、都合が悪くなると人に罪をなすりつける、人間の小ささが浮き彫りですね!

けど今回の事件、時系列を考えるとちょっと混乱してくるのでまとめてみました。

<日曜>先輩と雪 家デート



<月曜> 海と過去問交換



<火曜> 柳、健太からの和解を突っぱねる

 

雪、勉強会提案



過去問盗まれる(健太盗む)

 

健太、盗んだ物は青田淳の過去問じゃないと知り、過去問を直美の机の上に置く



過去問が机の上に置いてあったことを受けて、雪に文句を言う直美



夜 先輩、柳から過去問事件のことを電話で聞く




<水曜> 雪の勉強会詳細話し合う



雪、典に過去問盗難事件を学科長に言うかもと伝える


   
<木曜> 勉強会スタート



典、過去問を破いて捨てる直美目撃



典、直美に確認 雪、典から直美が破いていたと聞く

 

健太 学科長の元を訪れる


   
<金曜> 直美がやったと学科に噂広まる



雪、遠藤から健太が学科長の元を訪れたと聞く



そして土日、聡美の襲撃と先輩とのデートキャンセルを挟んでの、

<週明けの月曜日>



ということになってます。

何気に過去問が無くなってから一週間経ってるんですね。

読者も雪ちゃんも、なんだか疲れる一週間ですね‥。


さて次回は<あの人は何故>です。



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