ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

個人の愚行?組織的犯行?

2021-02-12 08:01:59 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「意図は? 誰の指示?」2月8日
 『調査内容 生徒に質問 兵庫いじめ自殺 教諭、第三者委聞き取り後』という見出しの記事が掲載されました。『女子生徒がいじめを原因に自殺した問題で、市教委の第三者委員会から聞き取りを受けた同級生に対し、同じ中学校の教諭らが調査内容を教えるよう働きかけていた』ことを報じる記事です。こうした行為について、『識者は「調査の公平性や中立性を損なう行為だ」と批判し、いじめの重大事態への対処を定めたいじめ防止対策推進法に違反すると指摘している』とも書かれていました。
 愚かな行為です。記事では明らかになっていないのですが、この教諭らの行為については大きな疑問があります。それは、この愚行が、組織的に行われていたのか否かという点です。分かりやすく言えば、①一部の教員が勝手に行ったのか、あるいは②いじめ問題で責任を問われそうな教員たちが共謀して行ったのか、または③学校への責任追及を逃れるために校長等管理職の指示で行われたのか、考えたくありませんが④管理責任を問われる市教委から指示があったのか、更に疑えば⑤損害賠償請求などへの対応の一環として市長部局からの指示があったのか、ということです。これ以外にも、⑥いじめ加害者とされる生徒やその保護者と、いじめを放置していた教員らが結託して行ったという可能性も考えられますが、そこまで疑っていくときりがありません。
 教員らはこうした疑惑を否定するだろうと思われますが、私が抱いた疑問は特別なものではなく、おそらくこの事実を知った保護者や生徒、市民の多くが感じたものであるはずです。そしてそれはいずれであっても、教員や学校、市教委への信頼を損なうものではありますが、①~⑥のいずれであったのかによって、学校教育が受けるダメージは大きく異なります。
 ①や②、⑥であるならば、少なくとも学校という組織や市教委という教育行政に対する信頼へのダメージは少ないでしょう。しかし③であるならば、学校という組織そのものの自己保身体質への不信感が深まってしまうことは避けられません。④であるならばその不信感は教育行政全般に向けられるようになり、管轄下の他の小中学校に対しても同じような体質があるのではないかという疑念の目が向けられることになり、信頼の回復は難しく、出来たとしても長い年月を必要とすることになります。⑤であれば、政治問題と化し、最終的には選挙という形で決着をつけざるを得なくなります。
  続報が待たれます。そしてその結果を全国の学校関係者は他山の石として胸に刻み、同じような愚行を犯さないことを固く決意すべきです。

 

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