花*花・Flora

野の花・山の花・外来植物・果実や種子などなど、観察したことを気ままに綴るBlogです。 

’06 思い出の花ベスト8・・ 第 1・2 位

2006年12月31日 | 思い出の花ベスト10

06 思い出の花ベスト8・・ 第 1 位 雪のセリバオウレン   

 

今年1番の思い出の花は、雪の中で咲いているのを見つけたセリバオウレンです。  3月のなごり雪で山が真っ白になった翌日でした。 

この積もった雪の中から、白いセリバオウレンの花を見つけ出すのは無理だろうなぁ・・とあきらめかけていた時に、ついに発見しました!!  この時の詳しいようすは「雪のセリバオウレン」をご覧下さい。

今年冬季オリンピックで、女子フィギアスケートの荒川選手が金メダルを取ったビックニュースのすぐあとでした。 セリバオウレンもまさにイナバウアーを決めていました!!

06 思い出の花ベスト8・・ 第 2 位 伊吹山の花

今年の1位か2位かですごく迷いました。  台風の影響が強く残った暴風雨の伊吹山でしたが、花の群落は本当にすばらしかったです!!  ただ、1つの花に絞れなかったので、第2位としました。


テンニンソウ(フジテンニンソウ)の群落


サラシナショウマの大群落

 

ルリトラノオ・・日本では伊吹山のみに自生し、その瑠璃色の花びらに
真白い雄しべの葯がマッチして、奥深い美しさをかねそなえている花でした。


’06 思い出の花ベスト8・・ 第 3・4 位

2006年12月30日 | 思い出の花ベスト10

06 思い出の花ベスト8・・ 第 3 位 ムラサキ  

昔から高貴で貴重な紫色の染料として、また生薬としても使われた有名な植物です。  ムラサキの花は真っ白でとても清楚な感じを受けます。  中央の副花冠がほんのわずかですが黄色がかっているようです。  全体には長い粗毛が生えていて、さわるとザラザラした感じがします。

ムラサキの学名 Lithospermum erythrorhizon の Lithospermum は、「石のような種子」という意味でこの4分果の特徴から名づけられました。  また種小名の erythrorhizon は 「赤色(紫色)の根」で こちらも染料に用いられる特徴を表しています。

このムラサキは、現在では絶滅がもっとも危惧されている植物の一つになっています。  残念なことは、心ない人たちの盗掘がいまでも絶えないそうです・・。 いつまでも自然のままに、美しく咲き続けてほしい花ですね。

06 思い出の花ベスト8・・ 第 4 位 クロカミラン

クロカミランは、ウチョウランの地域変種にあたります。  かつては「岩スミレ」と呼ばれ地元の人たちに親しまれたこの花も、乱獲により絶滅寸前に追い込まれています。 
種の保存のために、2年に一度原種から増やした株を移植していますが、その9割以上が盗掘されているのが現状だそうです。 

今年移植されたという場所を訪れてみましたが、そこの場所にはもうすでにまったく花の気配すらありませんでした。・・・寂しい限りでした。


’06 思い出の花ベスト8・・ 第 5・6 位

2006年12月29日 | 思い出の花ベスト10

06 思い出の花ベスト8・・ 第 5 位 ミチノクフクジュソウ   

フクジュソウは1種類しかないと思っていたのですが、最近の研究でなんと4種類もあることがわかったそうです。  そこで、熊本県に咲くフクジュソウは4種類のどれに当たるのだろう・・と思い見に行ってきました。  

大きなポイントは萼片です。 5枚しかなくて、長さも花弁の1/22/3と短いことから、ミチノクフクジュソウに間違いなさそうです。   詳しくは「 ミチノクフクジュソウ 」のページをご覧下さい。

06 思い出の花ベスト8・・ 第 6 位 サクラソウ

九州にはまだまだ、美しい自然の姿があちこちで見られます。 全国的には絶滅が心配されている「野草界のプリンセス」ともいわれるサクラソウも、野生のものを身近で見ることができます。


’06 思い出の花ベスト8・・ 第 7・8 位

2006年12月28日 | 思い出の花ベスト10
いよいよ今年もあと4日となりました。 そこで今年1年間をふり返って、『心にのこる思い出の花のベスト10』を紹介しようと思っていましたが、あと4日になってしまいましたので、ベスト8を紹介させていただきます。 
’06 思い出の花ベスト8・・ 第 7 位 オオマツバウンラン     

今年4月の頃、マツバウンランが咲き始めたなぁ・・と思って花を見ていたら、なんとなくどこか違うような感じの花が咲いてるのに気がつきました。 帰ってから調べてみると、マツバウンランの変種にあたる、オオマツバウンランだとわかりました。 
詳しくはオオマツバウンランをご覧下さい。
 
’06 思い出の花ベスト8・・ 第 位 マツバウンラン
 

北アメリカ原産の帰化植物で、4月頃から初夏まで青紫色の花をいっせいに咲かせ、風に揺れる姿はとても綺麗です。 花は仮面状花冠といいます。  
さっそく仮面状花冠の様子を観察してみました。 マツバウンランをご覧下さい。
 

サネカズラ

2006年12月27日 | 種子

ビナンガズラとも呼ばれます。以前はモクレン科でしたが、最近はマツブサ科に分類されています。 秋になると直径5mmほどの球形の赤い果実が、肥大した花托の上に集まって、集合果をつくります。 ちょうど、手で握ってツボを刺激する健康器具のようにみえます。

見た感じは堅そうですが、1つ1つの果実は意外に柔らかくて、中に2個の種子が入っている液果です。 種子は淡褐色をしていて腎臓の形をしています。

学名には「日本のカズラ」という意味の Kadsura japonica がつけられています。 

(APG植物分類体系では 原始的被子植物)

サルトリイバラ

2006年12月26日 | 種子

この時期野山を歩くと、サルトリイバラの赤い実が目にとまります。 くねくねと曲がった茎にトゲと巻きひげをつけ、丸くてかわいい赤い実をつけています。 実は液果で中には3~4個の種子が入っています。 

種子は赤茶色をしていて、先端に黒くて丸い模様がついています。 ちょっとみると何かの幼虫のようにも見えますね。

(APG植物分類体系では 中核単子葉植物)

ヤブムラサキ

2006年12月25日 | 樹木

ヤブに生えるムラサキシキブという意味です。 紫色の丸い果実はとても美しく、この実を見つけると立ち止まって見入ってしまいます。 学名の Callicarpa も『美しい果実』という意味だそうです。 

果実は直径4mmほどで、果肉は白くてフワフワしています。その中に茶色ですこしカールした種子が4個入っています。

(APG植物分類体系では 真キク類Ⅰ)


クロキ 奇形花

2006年12月24日 | 樹木

冬の頃に咲くクロキの花は、なんだか変わった形をしているなぁ・・・と思っていました。 この花は花弁やおしべがとても不揃いです。 そして雄しべはどうやら花粉を出していないようです。 

めしべはちゃんとあるものもあれば、無いように見えるものもあります。

実は、この花は正常な花ではない「奇形花」ということがつい最近わかりました。  どうやら、種子を作らない花のようです。 クロキの正常な花は3~4月に咲くそうです。

幹が黒いことからクロキの名が付きましたが、見るかげんによっては樹皮は白っぽくも見えます。


アオツヅラフジ

2006年12月22日 | 種子

花が咲いている頃は見つけにくいのですが、この時期になるとこの藍色の丸い果実が目にとまります。 種子はうっすらとブドウのような果肉に包まれていて、 この果肉に包まれた種子は、アンモナイトの化石にそっくりなことでよく知られています。 

アンモナイトの化石にそっくりな種子を割ってみました。

種子は核果(石果)とよばれ、実は内果皮の部分がとても堅くなっています。 桃などの種と同じです。 本当の種子に当たる部分は、堅くなった内果皮の中にクルッと丸まった形で入っています。

(APG植物分類体系では 初期真双子葉植物)


シラン

2006年12月20日 | 種子

ラグビーボールを思わせるようなさく果には、縦にスリットが入っています。 その隙間から果実が揺れるたびに、とっても小さな種子がこぼれていきます。 スリットにそって、そっと さく果を開いてみました。

中には白っぽい糸くずのような種子がものすごくたくさん入っています。 1つのさく果には、なんと数万個もの種子があるそうですよ。 

ラン科植物の種子は、一般的な種子植物のように胚乳や子葉に相当するものがなく、未分化の胚の周りを種皮がおおっているシンプルな構造だそうです。

(APG植物分類体系では 中核単子葉植物)