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花*花・Flora

野の花・山の花・外来植物・果実や種子などなど、観察したことを気ままに綴るBlogです。 

ムラサキ Lithospermum erythrorhizon Siebold et Zucc.

2015年06月27日 | 山の花



春はあけぼのやうやう白くなり行く、山ぎは少しあかりて紫だちたる雲の細くたなびきたる・・・
「枕草子」にも紫が最初に登場します。



冠位十二階の最高位の色は濃い紫、二位の色は淡い紫(うすいろ)は有名ですね。 
ムラサキは江戸時代、武蔵野に多く生育していて、武蔵野の紫草(むらさき)で染めた色を江戸紫とよんでいたそうです。 



今は日本全国の野山から姿を見なくなり、絶滅危惧ⅠB類とされています。


ヒトリシズカの正名

2015年01月05日 | 山の花



ヒトリシズカは、日本に滞在していたシーボルトによって1828 年に新種として発表されたもので、その学名はChloranthus japonicus Sieboldです。 しかし最近の研究で、どうやらシーボルトはヒトリシズカとフタリシズカを混同していたらしいことがわかりました。 

オランダのライデン大学にはシーボルトが日本で採集した標本がありこれらを検討したところ、シーボルトがヒトリシズカとして採集した標本にはフタリシズカとヒトリシズカが混じっていて、主体はフタリシズカであることが判明しました。 さらにヒトリシズカについてはその変種ではないかとシーボルトは考えていたこともわかりました。



したがって、ヒトリシズカにつけられた学名 C. japonicus はフタリシズカに対してのものとなるのですが、フタリシズカには1818年にすでに別の学者によってC. serratusという学名が発表されているため優先権があり、シーボルトの1828年の学名は使われず現行のままです。

 ではヒトリシズカの学名はどうなるのでしょう。 
これはシーボルトが発表した以後の学名のなかから最も古いものが正名として浮上します。1857年に、Asa Gray により記載された Tricerandra quadrifolia がそうですが、現在 Tricerandra は使われていないので 新しい組み合わせとして Chloranthus quadrifolius (A.Gray) H.Ohba&S.Akiyama の学名が与えられました。

 

今年の春はヒトリシズカとフタリシズカをあらためて見直してシーボルトに思いを馳せてみたいと考えています。


ヤマシャクヤク

2013年05月08日 | 山の花


昨年庭に植えていたヤマシャクヤクが根付いたようすで、無事冬を越し新芽を1つ出しました(2月15日)。


葉が脇から出てきました(3月10日)。


葉を広げはじめています(3月16日)。


葉がかなり展開してきました(3月18日)。 この後写すのを忘れていましたところ・・・


10日間ですっかり大きくなりました、もう蕾をつけています(3月27日)。


この日は朝まで蕾でしたが、暖かい日だったので一気に花が開きました(4月15日)。


今年は4日間ほど花を咲かせてくれました(4月16日)。


オサバグサ Pteridophyllum racemosum Siebold et Zucc.

2013年03月28日 | 山の花



花屋の店先で野草を・・・の第3弾は「オサバグサ」です。
シダのような葉が独特ですぐに見分けがつく植物です。 属名の Pteridophyllum は「 pteris(シダ)+phyllon(葉)」の意味ですから、まさにこの葉のようすからから属名がつけられています



ちょうど花序を伸ばして白い花を咲かせ始めています。 
やや下向きにつく花を見て合弁花だと思って図鑑を見ましたが載っておらず、花びら4枚の離弁花でした。
萼片は2枚ありますがル-ぺで見ないと良く確認できないくらい花弁に良く似ています。 雄しべは4本あります。



中部地方以北の亜高山植物ですから九州で育てるのは困難ですが、会津駒ケ岳や燧ケ岳を登った時に良く目にしましたので、懐かしくなって衝動買いをしてしまいました。



日本特産で1属1種の多年草です。 
ケシ科だったものが、APG植物分類体系では(ケシ科もしくは)独立のオサバグサ科とされましたが、最新のAPGⅢでは再びケシ科に含まれています。


セツブンソウ Shibateranthis pinnatifida (Maxim.) Satake et Okuyama

2013年02月22日 | 山の花



今頃はいろんな野草も園芸店で売られているんですね。 
先日久留米市の植木市に立ち寄って、ロウバイやウメやマンサクの花など見ていたところ、この節分草も店の片隅で販売されていました。
 


萼は白くて大きく5枚あり、花弁はY字状になって先が黄色くよく目立ちます。 先端からは蜜を分泌しています。



根出葉はかわいい形で深く3裂しています。



スプリング・エフェメラルの花として有名なセツブンソウは九州には分布しておらず、いつか自生の花を見てみたいと思っていましたので、少し迷いましたが購入してみました。


平尾台 初秋

2012年09月23日 | 山の花



今年久しぶりに平尾台を散策してきました。 ちょうどキセワタの花がたくさん咲いていました。
最近この花をみつけると美味しそうな和菓子のことが同時に浮かんできます。 ”着せ綿・和菓子”で検索してみてください、名前の由来や和菓子がヒットします。



アマドコロの果実が濃いグリーンになっていました、良い色合ですね。 これからさらに黒く熟していきます。



萩の中で白い花を咲かせるメドハギもこれから見ごろを迎えます。



今年はナンバンギセルの当たり年でしょうか。 例年よりもあちこちにたくさん咲いているのが見られました。



今年初めて目にしたサギソウ。 いつもながら優雅で美しい姿でした。