花*花・Flora

野の花・山の花・外来植物・果実や種子などなど、観察したことを気ままに綴るBlogです。 

ヒナタイノコズチ

2006年10月31日 | 野の花

イノコズチはどこにでも咲いている「ひっつき虫」としても有名な野草です。 イノコズチにはヒナタイノコヅチとヒカゲイノコズチがありますが、今まであまりよく見たことがありませんでした。 そこでこの2つの種をとりあげてみることにしました。

ヒナタイノコヅチは小苞の基部の付属体が小さく、長さは約0.3mmほどです。 花序は密で、花序の軸には毛が密生しています。

葉はやや厚くて毛が多くみられ、しばしば縁が波状にちぢれています。 ただこの毛は後に落ちてゆくようです。

・・・明日はヒカゲイノコズチです。


キセルアザミ

2006年10月30日 | 山の花
 
アップで頭花を見ると、筒状花が整然と並んでいてとても綺麗です。 花粉をさかんに出しています、雄性期です。

この花粉を出す仕組みですが、雌しべの花柱が葯の花粉をただ下から押し出しているだけだと思っていました。

ところがこの花柱の作りを見てみると、ただ真っ直ぐなのではなく、途中がふくらんでいます。 そして、その付近には上向きの細かい毛が生えています、集粉毛というそうです。 

この花柱が伸びてゆくと、このふくらみと集粉毛がちょうど合着した葯の内側にぴったりとあたり、 無駄なく花粉をトコロテン方式に押し出していくようです。 こんな小さな所にも驚くようなつくりになっていたんですね。

ウメバチソウ 仮雄しべ

2006年10月29日 | 山の花

昨日の続きです。
仮雄しべの球形の腺体の付け根付近には、2ヶ所 液体が分泌されている部分があります。 図鑑には蜜を出さないと書いてありますので、蜜ではないのかもしれません。 
昨日ue*taiさんが、>蜜でないとしたら、何かが虫を誘引しているかも知れません。・・と面白いコメントを下さいました。 なるほどフェロモンかもしれません。

今日ウメバチソウの咲いている場所に行きましたので、咲いている花をまた観察していましたら、アリが来ている花を見つけました。 アリを惹きつける液体・・・やはり蜜かもしれません。 この部分をなめてみました・・ ほんのすこ~しですが甘いような気がしました(が思いこみかもしれませんね)。


ウメバチソウ 蜜?

2006年10月28日 | 山の花
秋も深まり、ウメバチソウの花が綺麗な季節になってきました。
ウメバチソウの仮雄しべには、球状の黄色い腺体が美しく並んでいます。 その付け根のあたりを見ると液体が分泌されています。 今まで、この液体をずっと蜜が出ているものだとばかり思っていました。
ところが、平凡社の「日本の野生植物」の記述を読んでみたところ、「蜜を分泌しないウメバチソウの花に、・・昆虫がよく訪れる。」となっています。
では、いったいこの液体は何なのでしょうか?? 

シュウメイギク

2006年10月27日 | 野の花

キクの名がついていますが、キンポウゲ科 イチリンソウ(Anemone)属で、春に咲くイチリンソウやユキワリイチゲの仲間になります。 キク科のように見えるので ちょっとびっくりですが、雄しべ・雌しべのあたりをみるとなるほどと納得できます。 紅紫色のものは萼片で約30枚ほどあります。

日本のものは中国から渡来したものだといわれ、本来の野生かどうかは不明だそうです。 秋に菊に似た花をつけることから、秋明菊の名があります。 
また、明月草(メイゲツソウ)と同じく「明」の字がでてきました。 「赤い」という意味も含まれているのでしょうか・・。


センボンヤリ 閉鎖花

2006年10月25日 | 閉鎖花

昨日の続きです。 
センボンヤリの秋型の花は閉鎖花で、すべて筒状花からなっています。 中の様子を観察してみました。 

総苞片の中では、すでに冠毛が長く伸びていて前側の半分が色づいています。 小花を取り出してみました。 冠毛の中にそれぞれに細長い筒状花が1つづつあります。

1つの筒状花の白い花冠を開いてみると、中には色づいた雄ずいがあります。

その色づいた雄ずいをさらに開いてみると、中にはすでに柱頭に花粉がついた雌しべがありました。

秋型の花ではこのように、花を開くことなく、確実に自家受粉を行なって子孫を残す方法をとっています。


センボンヤリ

2006年10月24日 | 山の花

センボンヤリの綿毛が日当たりの良い土手にたくさんできてきました。
秋の花は見つけにくくて、この綿毛があるとようやく『 センボンヤリだ! 』と気がつくことが多いです。

センボンヤリの頭花には2型があって、春型はふちに舌状花が1列に並び、中心部に筒状花があります。 

春に咲いていたセンボンヤリの開放花です。 ムラサキタンポポの別名があります。

秋型は閉鎖花で、すべて筒状花からなっています。 この形を槍に見立てたそうです。 この秋型をもう少しくわしく観察してみました・・・明日へ続きます。


マルバツユクサの閉鎖花

2006年10月23日 | 閉鎖花

マルバツユクサの閉鎖花を先日記事にしましたが、その後ふと思いつきました。
土の中の白い茎を掘り起こして、地上に出してみたらどうなるのだろう・・・? 』 

さっそく試してみました。
土の中から掘り出したばかりの地下茎は真っ白ですが、2~3日すると光をあびて白色からうっすらと緑色に変わっていきました。
そして10日ほどたつと、ついに先端の苞からは、青い花弁が現れてきました。

これには、驚きました!! 
マルバツユクサは土の中に閉鎖花をつけますが、地下茎が土の中に入っていない場合には、周りの条件が良いと花を咲かせようとするたくましさがあるように思いました。

カラスノゴマ 仮雄しべ

2006年10月21日 | 野の花

カラスノゴマには5本の仮雄しべがあります。 花粉を出さないはずなのに、中には花粉をたっぷりつけている仮雄しべがあります。 完全な雄しべの花粉がついたのでは・・と思いましたが、長さがかなり違っていますので無理そうです。

もしかしたら、まだ長さがあまりかわらないつぼみの時についたのかも・・と思いましたので つぼみを見てみました。 

まだ花粉を出していないものが多い中、すでにこの時期に花粉を出していて、仮雄しべにたっぷりつけているものもありました。


カラスノゴマ

2006年10月20日 | 野の花

少し前に花の時期は終わってしまいました。 シナノキ科という草本では珍しい科の花です。 
花には完全な雄しべが10~15本あり、雄しべよりもずっと長い仮雄しべが5本あります。 ちょうど雌しべの周りを取り囲むようになっていて、雌しべによく似ていますが、よく見ると区別できます。

この仮雄しべは花粉を出さないらしいのですが、中には花粉をたっぷりと着けているものがあって「なぜだろう・・?」と疑問がわいてきます。 

  ・・・明日につづきます。