花*花・Flora

野の花・山の花・外来植物・果実や種子などなど、観察したことを気ままに綴るBlogです。 

ダルマギク

2005年11月18日 | 海辺の花
 
晩秋の冷たい風が吹く、日本海の岸壁に大輪の花をみごとに咲かせる菊があります。 
ダルマギクです。 全体に長い軟毛と腺毛があり、ビロードのようですがさわってみるとベタッとします。 
岩の上に咲き葉が円いその姿がから、達磨さんを連想したところから名付けられたそうです。
 
分布が限られていて、中国地方の日本海側~九州にしか見られません。
 
  
花がほとんど終わったこの時期に、日本海の荒波に向かっていっせいに咲く姿はとても見事ですよ。 

カササギ

2005年11月17日 | エピソード

鳥についてはまったくのど素人ですが、この鳥は佐賀方面に行くとよく目にします。
カササギ・・カラスよりひとまわり小振りで、黒と白のコントラストがはっきりしている綺麗な鳥です。
 
 
地元では「カチカチ」という鳴き声からカチガラスと呼ばれていて、
絵に描かれたり、陶磁器のデザインなどにも採用されていて親しまれています。
 
 
でも日本では佐賀平野とその周辺にしか棲息していないらしく、
分布を含め謎が多い鳥のようです。 
なんと国の天然記念物にされているそうですよ。

シチメンソウ

2005年11月16日 | 海辺の花

シチメンソウ(七面草)は季節により葉の色が変化するのを
七面鳥の面色が変わるのにたとえたものだそうです。

アカザ科の植物です。
塩生植物といって、満潮の時に海水が入ってくる土地にだけ生える珍しい種類です。
北海道のアッケシソウと並ぶ九州の代表的な塩生植物なんですよ。

日本では有明海沿岸など ごく限られた地域にしか生えていません。

ご覧下さい、シチメンソウの大群落です。
みごとに、一面が真っ赤に染まっていますよ。


晩秋に、真っ赤に色づく様子は、まさに『 海の紅葉 』といえますね。 


タコノアシ

2005年11月15日 | 種子

よくこんな名前をつけたなぁ・・ ほんとうにタコの足のようです。
近くの公園のため池のようなところに咲いていました。
タコノアシは水田や湿地に生える雑草ですが、
最近ではだんだんみられなくなってきた植物の1つです。
 
タコノアシは図鑑によってベンケイソウ科に分類されていたり、ユキノシタ科に分類されていたりしています。  またベンケイソウ科にもユキノシタ科にもあてはまらない特徴があることから、独立のタコノアシ科を設ける見解もあります。
さらに最近では新たな分類の報告もあるとのことで、まだ分類学上の位置がはっきりしていないみたいです。

 
秋には赤く染まり、おいしそうな「ゆで蛸」のようになるのもおもしろいですね。 

キツネノマゴ

2005年11月14日 | 種子
 
キツネノマゴの名は、花の穂が小さいので かわいい孫狐のしっぽに見えるところから名づけられたそうです。 秋になり果実がはじけてきました。 
熟すと勢いよく先から2つに裂け、4個の種子をはじき飛ばします。
近くで写真を撮っていたら、ちょうどはじけた種子が飛んできました。 
小さいのにそうとう遠くまで飛ばすのに驚きました。

キツネノマゴの果実の裂けた形を見ていたら、なるほど~っ!と思い当たることがありました。
以前ヤナギバルイラソウってなぜキツネノマゴ科なんだろう?と思っていた疑問が解けました。 
ヤナギバルイラソウの果実の裂けた形は、キツネノマゴのものにそっくりでした。 
 
【関連のページ】

日本の北限に咲くサザンカUPしました

2005年11月12日 | 山の花
 
サザンカの実はツバキの実よりもずっと小さく、
円くて細毛が生えているのが大きな特徴です。
この実は、今年の花のものではなく昨年の花のものだそうです。
なんと1年もかけて熟したものだったんですね。
 
漢字では「山茶花」と書きますが、牧野博士は「山茶」はツバキの漢名なのでよろしくない。 正しく書くならば「茶梅」もしくは「茶梅花」と書くべきだ・・と述べています。 
学名の種小名にはsasanqua(サザンカ)と日本の言い方がつけられています。
 
日本の北限に咲くサザンカをUPしました。
どうぞこちらをクリックしてご覧下さい。 

北限のサザンカ

2005年11月11日 | 山の花
 
山茶花 さざんか咲いた道~♪  たき火だ たき火だ落ち葉焚き~♪
の歌で有名なサザンカ。 寒い北風が吹く北国の木のイメージがありますが、
な・なんと南方系の樹木だったんです!!
 
日本の自生北限は佐賀県です。
自生地は九州・四国南部・沖縄の山中に限られるそうですよ。 
詳しくは、まもなくHPにUPいたしますので、また改めて紹介しま~す。 

ホトケノザの種子

2005年11月10日 | 種子
 
ホトケノザは花を咲かせて受粉し種子をつくったり、閉鎖花で種子をつくったりします。
花が咲いている下の段あたりをみると、ガクの付近に、黒っぽい種子をたくさんみることができます。
アリが、種子の付近をうろうろしていますよ。
 
 
ホトケノザの種子には、“エライオソーム”というアリが好む白い付属体がついていて、アリは種子についたエライオソームを食べるためにホトケノザの種子をせっせと巣に運びます。
 
 
そうすると、その種子は自然にアリの巣(土の中)に運ばれるというすごい仕組みになっているんですね。
 
ホトケノザは閉鎖花で確実に種子をつくるだけでなく、その種子を土の中まで持っていかせる方法まで備えていたんですね。 

ホトケノザ・・閉鎖花

2005年11月09日 | 閉鎖花


ホトケノザはふつう春に咲く花ですが、今年の秋は暖かいからでしょうか、
10月下旬から咲き始め、今ではあちこちで花を咲かせています。
画像は、3日前(11月6日)に田んぼのあぜ道で撮しました。

花は紅紫色の唇形花のほかに、つぼみのまま結実する閉鎖花をたくさんつけます。
閉鎖花は、つぼみのまま枯れていて、よく見ると種子ができていますので、これが閉鎖花だな・・とわかります。
でも、つぼみの時に開放花なのか閉鎖花なのかがわかりにくいので、受粉の状態をちょっと観察してみました。


       閉鎖花のつぼみ    開放花のつぼみ

   
   すでに受粉を終えています  花粉は出ていません  

閉鎖花のつぼみの中では、柱頭は雄しべの葯にぴったりくっついていました。
雄しべから花粉は出されていて、すでに受粉を終えた状態でした。
花がたくさん咲いているすぐ近くには、閉鎖花ばかりつけている個体もありましたよ。 


キッコウハグマの種子

2005年11月08日 | 閉鎖花


キッコウハグマの種子が綿毛を広げて、飛び立とうとしています。
種子はタンポポのようには多くなくて、3個しかありません。 
というのも、頭花が3個の小花でできているからです。
1個の小花は先が5つに深く裂け、3個集まってまるで1つの花のように配置しています。

つぼみが多くあるような感じがしますが、ほとんどが閉鎖花のようです。
広げてみると中にはもうすでに、ちゃ~んと種子が3個できています。

ハグマ(白熊)が耳慣れない言葉ですが、中国産のヤクの白い尾のことで、
旗や槍の装飾として使ったものだそうです。