今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ブラジャーの日

2008-02-12 | 記念日
1913(大正2)年の今日(2月12日)、アメリカ人女性マリー・フェルブ・ジャコブ(Mary Phelps-Jacobs)がブラジャーを発明し、この日特許をとったそうで、発明当初は、ハンカチをリボンで結んだだけという単純なものだったそうだ。
ブラジャーは、女性が胸部に着用する下着で、乳房を支えることが基本目的であるが、また、補正下着としても使用されている。この場合はバストの形を整形するだけではなく、バストの形が崩れることを防ぐという目的もある。日本の場合サイズはJIS L4006に規定されている。
ブラジャーのことを略して「ブラ」とか呼んでるが、アメリカでも、口語で「ブラ(Bra)」と呼ばれている。以下参考に記載の「語源由来辞典」などを見ると、ブラジャーの語源は、”フランス語の「ブラシェール(brassiere)」を英語音化したものだといわれているが、この「ブラシェール(brassiere)」は、婦人や赤ちゃん用の袖付き胴着を意味しており、「bras」というのはブレスレット(bracelet)」にも通じる言葉で、腕を意味し、「ブラシェール(brassiere)」の基となる古フランス語「braciere」は、腕の防護具を意味していたのだそうだ。
ブラジャーの歴史を辿ると、古いものとしては、古代ギリシャ時代にさかのぼるが、紀元前2000年頃の中期のクレタ文明(ミノス王にちなみ、ミノア文明ともよばれる。)時代、クレタ島クノッソス宮殿の絵画や彫刻などの中に見られるミノアの女性達は、バストを露出しており、クノッソス宮殿遺跡の櫃の中より発掘されたとされる”両手に蛇を持った「蛇の女神像」(イラクリオン考古学博物館蔵)”を見ると、コルセットのような袖付きの胴着を着ているがバスとは覆わず、むしろ、胴部分を絞ってバストを枠のように囲い、バストを寄せあげたような状態になっている。(以下参考に記載の「ギリシャ・エーゲ海クルーズ~クレタ島―クノッソス宮殿遺跡〔その2〕 」の中に掲載されている写真を参照)非常に開放的な文化を感じる。
もう少し後のギリシア・ローマ時代になると、女性達はバストを覆うようになる。それも、不思議なことに、胸を小さく見せるためにバストを押さえつけていたようで、バストの小さい女性がモテた時代なのだろう。
又、中国・内モンゴル自治区では、2004(平成16)年に時代(916年 ~1125年)の墳墓から、精巧な刺繍が施された、現代のブラジャーと酷似した形態でベルトに相当する部分とストラップ(strap=ひも。つりひも。)に相当する部分のある、女性が胸部に着用した絹製の下着が発見されたという(フリー百科事典(Wikipedia)が・・・。
しかし、16世紀になると、宮廷の女性達はコルセット(Corset)でウエストを締め上げ、バストを持ち上げるようになる。コルセットは胸から腰にかけての体型を整え、ヒップの豊かさの強調する為の婦人用下着であるため、ブラジャーが発明されるまで、バスト部分には何も着けていなかった。形状を維持するためのボーンは鯨の髭、ないしは鉄鋼製であった。通常、背後にはハトメ(ここ参照)に紐を通したレース部分があり、ウエスト部分から取り出された紐を締め付ける事によってウェストをぎゅっと細くする(装着を手伝ってもらっている絵参照)。このような下着であるコルセットは動きにくい上に、装着に時間も手間もかかるため、次第に衰退してゆくが、その先駆けとなったのが19世紀フランス革命期のフランスで、この頃のフランス国内の女性の間では一般にこのような窮屈なコルセットを外したファッションが流行したようで、ナポレオン・ボナパルトの妻ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネの肖像を見れば、コルセットをしていない事がわかる(ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネの肖像参照)。
以下参考に記載の「大きいサイズのブラジャーガイド」によると”、現代のような形のブラジャーの原型は、19世紀に入ってからであり、1893年にMarie Tucekという人が「バストサポーター」という名前でブラジャーの特許をとっているそうだ。1907年のVogue(ボーグ)誌には、初めて「Brassiere」という言葉も登場。Oxford(オックスフォード)の辞書に載ったのもこの頃だという。1913年になって、アメリカのMary Phelps-Jacobsという女性が、「Backless Brassiere」という名前でブラジャーの特許を取ったのだそうだ。シルクのハンカチとリボンで作ったシンプルなものだが、現代のブラジャーの原型として知られるようになった。その後MaryはCaresse Crosbyという名前を使って、ブラジャー製作用の機械を作ったりするが、わずか1500ドルでブラジャーの特許を大手コルセットメーカーに売り渡してしまった。”・・・といい、これ以降、ブラジャーが普及するようになったそうだ。そして、この時の特許をとったといわれる1913年の今日・2月12日を「ブラジャーの日」としているようだが、私には1893年Marie Tucekと言う人の特許を取ったという「バストサポーター」と言われるものの方が、今のブラジャーに近いようにおもうのだが(ブラジャーの歴史その2:中世・近代参照)、当時は、まだ普及するまでには至っていなかったということだろうね~。
日本には、、第2次世界大戦後、ブラジャーが輸入されるようになった。ちょうど庶民の服装も和装から洋装が主流に変わった頃である。 当初輸入物のブラジャーが販売されたが、日本人は欧米人とは胸のサイズも体格も違い。日本人女性は、仕方なくサイズの合わないブラジャーを着けていた。 1946(昭和21)年復員後、和江商事を創業(現在のワコールさん)し、アクセサリー販売を行っていた塚本幸一氏が、1948(昭和23)年取引先からブラジャーを紹介され、翌・1949(昭和24)年京都百貨見本市で初めてブラジャーを出品したそうだ。その後、試行錯誤によって、日本女性の体型に合ったブラジャーが開発され、今では、日本を代表するランジェリーのメーカーとなっている。
私は、昭和30年代前半に、大阪の商社で繊維部門にいたが、その中で、ブラジャーなど補正下着であるファウンデーションではないが、スリップネグリジェなどといったインナー関係のランジェリーを担当していた。当時、旭化成のベンベルグ(Bembergとは参照)のトリコットの織物が出来て間もないころであり、田舎の方では、まだ、綿などで出来たスリップ、(当時はシミーズなどと呼ばれていた)物が、着られていたときである。
材料の生地をメーカーから仕入れ、それを、加工業者へ販売、同時に、自分でも、ランジェリーの企画をし、数社の下請けの加工業者に、作らせ、その見本帳をつくり、他の営業部門の
販売員に問屋へ売ってもらい、自分でも、大阪市内や名古屋・広島の間ぐらいの問屋には、応援で販売していた。その商品を作るにあたって、先ず、自分で企画したデザインのものを、京都のワコール本社へ持って行き、そこで、3~4アイテムは、ワコールの定番として採用してもらっていた。一番、記憶に残っているのは、社内アナウンスで、自社の従業員を呼び出すとき、ミスター○○、ミス○○と呼んでいたことである。ランジェリーなど初めて十数年しかたっていないのに当時、もう、日本を代表する会社に急成長していた。このブログを書きながら当時を懐かしく思い出したよ。
(画像は、ワコールオリジナル壁紙カレンダー。イラストレーター:東山容子。ワコールHPで、壁紙やスクリーンセーバー用としてダウンロードできるよ。ここ
参考:
ブラジャー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC
コルセット - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88
Wacoal(ワコール)ホームページ
http://www.wacoal.jp/
ブラジャーのリサイクル ( 金沢 ランジェリーキノ )
http://blogs.yahoo.co.jp/lingeinbrog2006/28815945.html
大きいサイズのブラジャーガイド
http://shitagi.100page.net/index.html
イラクリオン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3
エーゲ文明
http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_761561580/content.html
ギリシャ・エーゲ海クルーズ~クレタ島――クノッソス宮殿遺跡(その2 )
http://plaza.rakuten.co.jp/yoriichi/diary/?ctgy=1
1000年前のブラジャー、中国の古代墓地から見つかる
http://dqn.news2ch.net/read.php/1086706685/
ルネッサンスから中世へ/ファッションの変遷
http://kuni.milky-web.net/f.html
ヴォーグ (雑誌) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%B0_(%E9%9B%91%E8%AA%8C)
塚本幸一 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%9A%E6%9C%AC%E5%B9%B8%E4%B8%80
旭化成せんい キュプラ繊維「ベンベルグ」「bemberg」サイト
http://www.asahi-kasei.co.jp/fibers/bemberg/index.html