福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

韓国映画で法華経を知る

2020年10月27日 |  〇語彙と表現
△姉と仕事仲間の会話シーン<映画より>

韓国映画「지금,이대로가 좋아요」(今、このままがいい)の
ワンシーンから。

主人公姉妹の姉が魚市場の仕事仲間と会話する場面で、
がらにもなく(?)仲間の女性が難しい漢文を口にした。

회자정리 거자필반
会者定離 去者必返

映画とは言え、庶民の口から出てくるほどの漢文なので、
映画を見終わった後、ネットで検索し、正確なつづりと
漢字を確認した。

「会う者は別れる定めにあり、また、去った者は
必ず返ってくる」くらいを意味する漢文だ。

映画全体のテーマにもかかわる非常に重要な意味を
持つセリフだったわけだ。

一説によればこの漢文の出典は、仏教の経典である
法華経。日本語同様、韓国語にも仏教由来の漢字語が
多々あるようだ。


(終わり)

韓国映画とイモの真実

2020年10月27日 |  ┣銀幕のチャジャン

지금, 이대로가 좋아요 「今、このままがいい」
(1224) 〇〇〇〇〇



2009年に公開された異色の家族ドラマ。

主人公は異父姉妹の2人の女性。姉は30代で
妹は20代。

姉の父親は若くに亡くなり、妹の父親は妹が
生まれる前に家を出て、どこにいるのかも
わからない。妹は自分と母親を捨てた父親を
ずっと恨んで生きて来た。

母親が亡くなった後、妹は、彼女の父親の顔を
知っている姉に同行を頼み、父親の故郷を訪ねる
ため済州島に向かう。


△済州島を訪れた異父姉妹<映画より>

その旅路が終わりに近づいた頃、姉は、それまで
隠してきた事実を妹にやんわりと告げる。

妹は、これまでの自分の人生とイモ(母親の妹)との
関係を振り返りながら、全てを悟る。

妹の実の父親は、同じ家で母娘とずっと同居して
きたイモだったのだ。

妹の父親は、若い頃、姉妹の母親をヌナ(姉)と
慕う性同一性障がいの男性だったが、母親に乞われ、
2人の子ども(妹)を作った。

そして、その後、日本で性転換手術を受けた後、
母親の妹(イモ)として母娘と同居するようになり、
それ以降ずっと、実の娘を姪として見守り続けて
きたのだった。

なかなか見ごたえのある心温まる映画だった。


△おいしそうにチャジャン麺を食べる姉の娘と娘の父親<映画より>

なお、この映画にも「ヲタク」こだわりのチャジャン麺が
登場していた。



(終わり)