ドイツ日記 Les plaisirs et les jours

ドイツに滞在して26年経過。2年後に日本へ本帰国予定。ゴルフを始めて4年半ですが相変わらず下手な初心者ゴルファーです。

ラスト・タンゴ・イン・パリ

2005年02月16日 | 映画
ラストタンゴ・イン・パリ〈オリジナル無修正版〉

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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1972年 イタリア・フランス
監督:Bernardo Bertolucci キャスト:マーロン・ブランド、マリア・シュナイダー

最初に上映された1972年当時、世界中で賛否両論、イタリアでは上映禁止になったりといろいろ物議をかもしたらしいけど、何で?と不思議に思えるくらい普通の映画。最初に上映された当時は見てなくって、今からおよそ15年くらい前にうちの会社にバイトに来ていた女の子といっしょに見に行き、「いやー、バター技、勉強になりましたねえ。」などと笑った記憶がありますが、こんなところだけがセンセーショナルに騒がれたんでしょうね。
ゲテモノ趣味と言われるかもしれませんが、私はこの映画のマーロン・ブロンドが大好きなのです。くたびれた中年男を演じているのだけど、ゴッド・ファーザーのドン・コルレオーネよりも地獄の黙示録のカーツ大佐よりもずっとずっとこの映画のポール役の彼が好きだ。愛人がいた妻に自殺され、その理由がわからず泣くポール、理由知りたさに妻の愛人に話を聞きに行くポール、死んだ妻の遺体に向かって話しかけるポール・・・。最初行きずりの男と女で素性も明かさない関係を望んだポール、でも女はいろいろ知りたがったがそれを拒否していたのに、最後に彼女が離れていこうとしたときになって、自分の妻の話などを始め、「愛している」と女を追いかける側になり挙句の果てには恐怖を感じた女に殺されてしまうポール。アパートで2人でいるときにポールが昔のアメリカでのことを話したりハーモニカを吹いたりする場面があるのだが、この2人の場面がフィクション映画というよりまるでドキュメンタリ映画のような自然な感じがして・・こんな普通のマーロン・ブロンドってとっても意外な感じがして新鮮だった。マーロン・ブロンド(1924-2004)はこの映画の頃48歳くらいだったんだ。最初妻の自殺に打ちひしがれた感じだったのに最後の出会いの日はネクタイ・ジャケット・髪もちゃんときれいにして、まるで別人のようだった。ああそれなのに・・。ベルトルッチはこの映画を撮ったとき30歳くらいだったらしい。大人だわ。
ガトー・バルビエリの音楽もいいし、パリの街もいい・・。