ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

トヨタザウルス、動きがトロい

2017年02月13日 | 会社

トヨタは、トランプ大統領から“No way!”と言われていますし、他の自動車会社もメキシコでの生産が先行き不透明です。自動車会社の前途は多難ですが、今回はトランプやメキシコと別の話。

 

図体のデカい会社は潰れそうに見えないけど、時々起きる技術革新の大きな流れに乗れないと傾くこともある。図体がデカいということは、身体の末端にあるセンサーからの信号が脳に到達するまでに時間がかかるし、逆に脳の指令が神経を伝わり末端の筋肉を動かすのに時間がかかるので、動作が遅くなる。

 

昨年201612月初めの新聞に、トヨタが電気自動車EVを開発する4人のチームを立ち上げたという記事が載っていました。4人のうち、一人はトヨタ本体から、残りの3人はグループ会社からで、グループ会社の人が最初から開発チームに参加するのは異例とか。

 

トヨタと言えば、ハイブリッド車HVで大きく先行し、水素を使った燃料電池車(FCV)を世界で初めて商品化して販売したことなど、最近は「技術のトヨタ」です。(我々の世代では、「販売のトヨタ」「技術の日産」だったのに・・)一方、トヨタは電気自動車EVを開発中と公式に言っていない(はずだ)けど、リスク回避のためHVFCVと併行してEVも開発していると私は思っていました。しかし、上記のニュースを見ると、そうではなかったようです。それに、「グループ会社の人が最初から開発チームに参加するのは異例」とかがニュースになるようでは、どうしようもない。

 

電気自動車EVと燃料電池車FCVに関しては、

2014年の112日の「~電気自動車は、リチウムイオン電池、それとも燃料電池、どちらが勝つ?~

2014年の112日の「~電気自動車と燃料電池車、どちらが勝つか?~その2

で、電気自動車EVが有利と書いています。

 

2014年の1月のブログの繰り返しになりますが、燃料電池車FCVの長所は

1回の水素の充填で走れる距離がガソリン車並み

・走行中はエコ

短所は下記のように、いずれもハードルが高そうです。

・現在のところ、水素は石油から作るので、製造時はエコではない

・水素と酸素を結合させるときの触媒に白金(プラチナ)を使うので高価になる

・設備に費用のかかる水素ステーションの設置が必要

 

一方、電気自動車EVの長所は

・エコ

・ランニングコストが安い

短所は

・一回の充電で走れる距離がガソリン車の1/3~半分と短い

 ただし、今後大きな技術の進展が期待できる

・電池の寿命がわからない(数年?)

 

現在でも、街乗りのような短距離の用途では、電気自動車EVはガソリンエンジン車と同じように運転できるし、近い将来は高性能電池の技術開発により、電気自動車EVの用途が近郊へのドライブなど中距離まで広がることが期待できる。

 

私は遠出が少ないので電気自動車EVでも十分な性能ですが、電池の寿命がわからないので、未だEVを買う気になれません。

 

一般的に考えると、将来の自動車として電気自動車EVは避けることのできない技術のはずで、トヨタでも電気自動車EVの試作車が既に完成していてもおかしくないのですが、トヨタはそう考えなかったようです。トヨタはハイブリッド車に多額の投資をしているので、新たな投資が必要になる電気自動車EVの開発は避けたかったのでしょう。「避けたい」のと「リスク回避」は別のはずですが、そうは考えなかったのかな。

 

しかし、それではソニーのテレビのように、ブラウン管から液晶への転換が遅れたのと同じことになる。またフィルム写真機からデジタル写真機への転換が遅れたコダックのようになる可能性もある。

 

大昔、地球に生息していた恐竜は、環境の変化で滅亡してしまった。図体のデカいトヨタザウルスも環境の変化についていけないと、いずれ滅亡する可能性も無いわけではない。

 

2017.02.13


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