ほぼ週二 横浜の山の中通信

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水蒸気爆発はもちろん、マグマ水蒸気爆発の予知もダメだった

2015年08月22日 | 地震・火山

皆さんも同じ思いではないでしょうか。

2014年9月の御岳山の噴火では、「水蒸気噴火」の予知が難しいことが明らかになりました。「水蒸気噴火」は、地表に近い所に存在する水が熱せられて起きるので、マグマが上昇して起きる「マグマ噴火」と比べて火山性地震や火山性微動などの予兆が小さいと言う説明です。

 

今年6月の口永良部島新岳の噴火は、「マグマ水蒸気噴火」と発表されました。この噴火の経緯を見ると、「マグマ水蒸気噴火」の予知も難しそうです。

 

私の読んだ火山の啓発書では、火山噴火は地震と比べて予知が出来る可能性が高いと書いてありましたが、御岳山と口永良部島新岳の噴火の予知はできませんでした。

 

火山噴火予知が成功した例として、2000年の有珠山の噴火(マグマ水蒸気噴火)があります。気象庁が緊急火山情報を出してから2日目に噴火しました。この事実によって、噴火予知は出来ると思われていましたが、あれは一体何だったのでしょうか? 有珠山は観測体制が整っていたこと、噴火に至るデータが揃っていたこと、それに火山のホームドクターがいたからと言われていますが、実は偶然かラッキーだったからでは?と思ってしまいます。

 

火山の噴火には、「水蒸気噴火」「マグマ水蒸気噴火」「マグマ噴火」の3種類があります。

じゃあ、地下深くから上がって来るマグマによって起きる「マグマ噴火」は予知できるのでしょうか? 「マグマ噴火」は、予兆もハッキリ現れるし、しかも噴火したら影響が大きいので、是非予知して欲しい。しかし、私は期待していません。なぜなら、自然は単純そうに見えますが、実はそんなに単純ではないと思います。

 

今日は桜島がレベル4になってから1週間です。火山性地震の増加や山体が膨張している観測結果からマグマが上がってきているのは確かでしょう。じゃあ、桜島は大きな「マグマ噴火」をするのでしょうか? この1週間のうちに小規模な噴火が2回ありましたが、レベル4に相当するような噴火ではありません。自然はそう単純では無いようです。

 

それに、もし噴火の情報が出ても、「一週間以内に噴火します」ならまだ対応できますが、「一か月以内に噴火します」ではこっちの対応が難しい。家と仕事を残して一か月間も逃げていられるでしょうか? 

これが桜島であれば避難しなければならない人の数は限られますが、富士山ならそうはいかない。

 

(おまけ)風評被害はマスコミが原因

今年6月の浅間山の小噴火の時、あるTV局のニュース画面を見ていたら、群馬県にある火山博物館は規制区域に入っていました。ここも規制されたのかと思っていたら、他局のTVニュースでは規制区域外と言っていました。ややこしい時にややこしいこと言わんといてや。

 

2015.08.22


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