「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「旧友の庭に」

2020年03月07日 | つれづれ噺

                                      
                 春雲りの空に向かって無心に花開く「ハクモクレン」

若干年下の旧い友を久しぶりに訪ねてみた。
東日本大震災の年に脳梗塞を発症し、9年目を迎えた今も後遺症に悩まされているという。
週2日のデイサービス通所。服用を勧められている薬は、血圧降下剤をはじめ片手では足りない種類を毎日欠かさないという。
最近では特に足が弱って、歩くのがおぼつかない、だから通所以外の日は、午前と午後2回、短い距離を歩く訓練をしている。という奥方の説明であった。
かつては、長年のマージャン仲間でありライバルであった。お互いの青春から中年、壮年まで、彼以上に長い付き合いの友はない、というほどの長い長い友であった。大きな諍いもなく延々マージャンで遊んだ挙げ句、彼の家の離れは恰好のカラオケスタジオに使わせてもらった。
裕福な家の一人息子として生まれ、姉と妹に挟まれた実におっとりした好青年である点は、私などと大きく違うところである。
一時期同じ職場も経験したし、結婚式の司会も仰せつかった。言うなれば若いころからの家族ぐるみのお付き合いであった。
そんな彼を何故病魔は襲ったのか。こればかりは誰にもわからない。神のみぞ知る不思議の一つである。
奥方の話では「段々記憶が薄れて、人の顔を思い出せなくなった」と言い、「この人は誰か分かる?」と私を紹介する。
ニコ~っと嬉しそうな笑顔で「〇〇ちゃんじゃ」とはっきり言う。覚えていてくれる。もっとも、1年半くらいの無沙汰なのだから、あの付き合いの長さから言えば、覚えていて当たり前である。と思うのは私たち健常者の言い分であるのだ。

介護する人の立場に立てば、日々大変なご苦労があるのだと分かる。先ず自分を捨てて寄り添う努力が要ることが透けて見える。
長年連れ添った夫婦ではあっても、辛いものは辛い。そこんところを、少し理解してあげられる旧友の訪れは、なにがしかのお見舞いになったようで、「また来るからね」という言葉に力が入った。

そんな彼の家の広い庭に、天を突くように咲くハクモクレンが見頃を迎えていた。
「自然への愛」という花言葉は、春の花が一斉に咲き誇る季節に、枝先に大きな花をつけ、自身も自然を謳歌しているようにみえることに由来する。と言われている。そして「崇高」「忍耐」という花言葉も。添えられている。

新型コロナウイルスの包囲網が狭められるような切迫した日々の中で、何かしらとても爽やかな気分の一日であった。

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「書くべからざるブログ!」

2020年03月05日 | 趣味・・エッセイ

                                         

書こうか書くまいか、書きたいけど辞めようか、我が家に咲いた菜の花で花弁占いを試みた。
「書きたければ書けばいいんじゃない」「悪いことしたわけじゃないよ」という結果が出たわけではないが、やはり事実を書き残す「勝手日記」との思いで、記録を残そう。
「自慢話などまっぴらごめん」と言われるむきには、これ以上読み進まれないことをお勧めしたい。

実は昨日の午後「ピンポーン」「郵便受けに入らないので手渡しです」と郵便配達員さんの声。
大きな封筒から出て来たのは、紙筒に入れられた賞状、盾、書状など。
本来なら3月14日に山口市の会館で表彰式が行われ、そこで晴れやかにステージに呼ばれ、うやうやしく受けとるはずであった賞状、盾。それが新型コロナウイルスのお陰で、表彰式が中止となり、郵送となってしまった。
なんとも間の悪い話ではある。

趣味の一つとして続いている、毎日新聞はがき随筆という252字の短編エッセイの世界。
昨年1年間の多数の投稿の中から選出される年間賞。その中の一つで、心秘かに狙っていた賞をついに射止めた。
単純に嬉しい。自分の中で今後の励みになる少し大きな、価値ある通過点である。
このはがき随筆の世界は、まさしく高齢者天国そのもの。90歳代、80歳代が主流であり、70歳代が中堅どころ。60歳代以下はまるで若手という、枯れた味、年齢を重ねた故の洒脱、そんな味わいの世界である。

価値感はそれぞれである。判断は読む人の感性にゆだねるとして、今回の受賞作品を。

タイトル『聞かぬが花』 2019、6、1 本紙掲載

「山笑う青葉若葉のすてきな季節に、防災スピーカーから「熊の親子発見、要注意!」の予期せぬ警報が発せられた。
幼稚園や小・中学校が多くある地域だ。「子ども達を守らねば」と色めき立った。
孫君の小学校でも、数日間保護者の送り迎えが義務づけられた。
「母さん、何かあったら大変じゃけー来なくていいよ。その代わり、じいちゃん迎えに来てよ」と彼は言う。
4年生にして、母親はこの世で最も大切な存在であり、看護師という仕事が忙しいことを知っている。
ならばじいちゃんはどうなん。聞かぬが花、言わぬが花。孫君に幸あれ。」

やはり、書かなきゃよかったかな? ま、いいか、これからも臆面もなく書き続けるのだから(笑)

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「レディースデー!」

2020年03月03日 | つれづれ噺

           

日本全国3月3日。年の初めから数えて63日目。普通は62日目に当たるが、うるう年の今年は1日多くて63日目。
5節句の一つ「桃の節句」。ひな祭り、女の節句、耳の日など、色々呼ばれる。
もう少し掘り下げてみると、耳の日にあわせて「耳かきの日」もある。それに「平和の日」「女のゼネストの日」など様々である。

とりわけ一番ポピュラーなのが、おひな祭りであろう。まさにレディースデーである。
♬ 灯りをつけましょ ぼんぼりに~ お花をあげましょ桃の花~ ・・・ ・・・♬
ジジババにとっては大いに物入りの節句ではある。と言いつつ、やれ七段飾りだの、お内裏様もおひな様も可愛くてきれいなお顔がいい。
などと言われて、ホイホイご要望に応じて大枚をはたく。それでもひな壇を飾るころは、愛らしくて愛おしくて、メロメロ。

段々大きくなるにつれて、言うことが辛辣になってくる。言葉の端々にトゲが付いてくる。などと一般的によく耳にする。
吾輩はまだそこまでの経験がないが、少し覚悟しておいた方がよさそうだ。
世間一般を長く見てきた経験と、若いころの職場における女性対応に苦慮した経験に照らしても、女性は怖い。
ならば嫌いか。そんな単純な質問に答えるほど野暮ではない。が、なかなかにして厄介であるという世間相場は当たらずとも遠からず。などとは言わない。たとえ思ってはいても言わない。腹に収めて口には出さない。・・・これが一番良くないパターンかな。ついでに言うと、男はもっと自我が強くてやりにくい。厄介な生き物だ。自分を見ていてつくずく思う。

ところで、日本人は古来から三という数字が好みのようだ。「三種の神器」「日本三景」「三十三間堂」「三方一両損」など他にもたくさん。
二本足では不安定だが、三本足を括ると安定するという経験則に基づいているのかもしれない。

最も身近なところでは、3月1日~7日までは、全国火災予防週間である。
現在のように家屋が密集する地域では、ひとたび火災が起きると、たちまち類焼に及ぶ。その恐ろしさは、今世の中を震え上がらせている新型コロナウイルスの伝染にも似ている。風(風邪)でも吹け(引けば)ばなおさらである。周囲に迷惑かけないよう、最新の注意を払いたいものだ。

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「弥生ついたち、控えめに・・・」

2020年03月01日 | ニュース・世相

                                    

本来なら大いに祝福されるべき、高校の卒業式を迎えた弥生ついたち。3月1日
新型コロナウイルス騒動のお陰で、卒業式の規模を縮小。式場に集結する人数を可能な限り減らして、卒業式だけは行うという高校が全国的に広がったようである。それでも、この緊急事態の中で卒業式が出来たことを良しとしなければならない。少し気の毒ではあるが。

出席予定していた母校の卒業式も、来賓の出席はご遠慮頂きたい、ということで自粛。
ただ、早くから予定していた行動が急遽変更となると、それでなくとも即応しにくくなった心身には、応用が利きにくくて困る。
それはそれで、無為にゴロゴロ過ごすわけではない。約半日の想定外の空き時間。無駄になどできようか。

しかし、今の世界を脅かすコロナ騒動も、高校3年間を頑張った子ども達には何の罪もない。そこで、学校サイドとしては、式場から少しでも早く教室に戻らせて、担任を中心にクラスメートとのお別れに時間を取って、それぞれに盛り上がりのあるお別れ時間を作らせたい、との配慮はなされたようである。それはそれで大いに意義あることだし、最後の学活も存分に出来たことだろうと、喜びたい。

それにしてもついにここまで来たのかと言う事態。国技大相撲まで無観客で実施するという。北海道のマスク不足に対しては、政府がメーカーから直接購入したマスクを北海道に提供する。兎に角、何が何でもここ数週間をめどに、ウイルスを封じ込めようという大いに評価すべきである。首相の記者会見時間が短いの長いのと、どっちでもいいことをとやかく言う前に、記者自身もしっかりウイルス対策を講じるがいい。

所用で出向いた大型ホームセンターのトイレットペーパーの棚という棚が完璧に空っぽ。
かつてのオイルショックを再現するようなありさま。人間の愚かしさを見せつけられたようで、気分のいいものではない。
普段から気をつけて、一月分は常に確保するくらいの知恵は働かないのか、と自分を含めて呆れる一幕でもあった。

そんなことも含めて今日から3月のスタートである。
だからどうなん?と言う話でもないが、寒さの冬から脱して、春の兆しに心浮かせる月にしたいと願う節目の一日である。
今年はさくらの便りも格別に早そうである。少しでも上を向く材料を見つけたい。そんな弥生ついたちである。

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