ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

新しいいのち

2010年01月01日 | 医療
大晦日から元旦にかけて、4人の赤ちゃんが産まれました。
ひとりは36週とちょっと早めでしたが、さほど小さくもなく元気そのものでした。

昨年、年の瀬になってから、お正月をどこかで過ごそうと夫が急に言い出しました。
母も結構な年だし、大学生の子どもたちも、来年の正月はどうしているかわかりません。
家族水入らずで過ごせるのは、今年が最初で最後かもしれない、と思ったようです。
(病院の当直は別として)大晦日を自宅以外のところで過ごすのは、
母はもちろん、わたし達家族も、これまた初めてのことです。
とはいえ、お産がどうなるかわからないし、近いところじゃないと行けません。
うちの助産師も看護師も、ベテランだからこそ、の計画です。

車で20分ほどの温泉宿に、ダメモトであちこち問い合わせたところ、
やっと1軒だけ予約が取れました。
でもそこは、お料理が美味しいことではかなり有名なお宿。

わくわくして出かけたのはいいのですが、
案の定、夜9時過ぎに、夫の携帯が鳴りました。
まぁ、お産の予定日状況からは夫は予想はしていたようで、
(どうりで、あんまりお酒も呑まないと思いましたよ。)
出された料理はさっさと食べ、温泉には2回も入り、
(モトは取らねば! と思ったらしい(^_^;) )
さっさと着替えてタクシーを呼んで病院に戻りました。

お産は1件だけかと思いきや、夜10時過ぎに夫から連絡がはいり、
あと3人ほど陣痛が来てるから、多分今夜は戻れないから・・・。とのこと。
ま、こういうのは、いつものことなので、覚悟の上です。
万が一分娩が長引いたり、赤ちゃんに何かあれば、わたしも戻らなければなりません。
内心ハラハラしながら紅白を観て、その後も心配で寝付けませんでしたが、
赤ちゃんは幸いにもみんな元気で、わたしが呼ばれることはありませんでした。

元旦の朝、ほとんど寝ていない夫は、それでも朝食をとりに宿に戻ってきました。
昨夜からの雪はやんで、家の前の街路樹の枝には雪の花が咲いていました。
すがすがしい元旦です。

 赤ちゃんが無事に産まれること。
 お母さんのからだが無事であること。

この願いさえ叶うのなら、わたし達はどんなことだって我慢できちゃいます。

新しい年の、新しいいのち。
ねぇ、きみたち、きっとこれから先、いろんなことがあるけれど、
しっかり生きてくださいね。

謹賀新年

2010年01月01日 | 日々のつぶやき
あけましておめでとうございます。
大晦日から降り始めた雪で、今朝は庭が真っ白になっていました。
この足跡は多分、この頃時々訪れるトラ猫のもの。
トラならぬトラ猫の新年のご挨拶です。

こんな猫ちゃん♀ です。
最初に現れたのは、数ヶ月前でした。
毛並みがツヤツヤしてるので、ご近所の飼い猫かと思ってたのですが、
どうもそうではないらしい。
近寄ろうとするとささっと逃げるし、
おいで、と手をだせば「シャーッ!」と威嚇して引っ掻くところをみると、
どうもノラ猫らしい。
でも、時々忘れたころに、こうしてやってきます。
はじめは警戒して、こんなに近くまでは来ませんでした。
軒下のエサを私たちが見ているところで食べたのは、ほんの最近です。

野生のまま成長した動物は、決して人には馴れませんが、
こういう付き合いもいいかな、と・・・・。

彼女はきっと、あちこちでこういう距離でニンゲンと付き合っているのでしょう。
気高く、たくましく。

知らないふりをするのでもなく、近づきすぎるのでもなく、
相手の立場に思いをはせながらお付き合いをする。
人と人も、このようなかかわり方ができれば、心がひりひりすることも少ないでしょうにね。

彼女(彼猫?)のつけたまっすぐな足跡から、いろんなことを考えた新年でした。