ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

「子ども手当」より「子どもに手当て」を!

2009年11月04日 | 日々のつぶやき
表題は、私が参加している小児科医のMLでも話題になりました。

中学生までのお子さんがいる世帯には、子ども一人あたり、毎月2万6千円ずつ支給。
いただけるものは、勿論何でもうれしいかも知れないんだけど・・・。

前の政権の時にも、一時給付金なるものが支給されました。
その時にも書いたけど、そんなことより、「今現在」することが、あるんじゃないの!?
って言いたいのは、わたしだけじゃないはず。

アメリカでは、新型インフルエンザワクチンを全国民の子ども達に無料で接種することを、
早々にオバマ大統領が宣言しました。
日本だって、何らかの対策はないのでしょうか?
子どものインフルエンザワクチン接種は2回。
季節性インフルエンザと新型と、それぞれ接種すれば、合計4回です。
どちらかだけでも、無料にするか、せめて1000円とか500円だっていいです。
そのぐらいの補助を、国ではできないのでしょうか。

昨年からやっと導入されたヒブワクチンだって、有料です。
水ぼうそうやおたふくかぜワクチンも、いまだに有料です。

保育所の待機児童もたくさんいます。
保育所が決まらなければ、母親は就業できないんです。
保育所の毎月の負担を安くするだけだって、ありがたいと思います。
小学生の学童保育も足りません。

奥さんを病気で亡くして、3人のお子さんを男手一人で育てているお父さんがいます。
子ども3人分のワクチン代を捻出するには、自分の分はできない、と・・・。
でも、もしも子どもの誰かが病気になったり、自分が会社を休むことになれば、
どうしようもなくなる、とも。
もらえるものはありがたいけど、それよりも、今現在困っていることを何とかして欲しい、
そうおっしゃっていました。
やはり一人で子育てしているあるお父さんは、
どうしても外せない出張がある前日にお子さんが発熱してしまい、
しかたなく登録ているベビーシッターさんをお願いしたそうな。
シッターさんの時給は9百円。
丸々一日頼んで、約1万円の出費。
何のための出張なのか、わからない、と。
でも、会社を首になる訳にはいかないから、仕方ない、と。

8週間の産休明けから復帰してもらわなければ困る、と会社から言われたお母さんもいます。
でも、保育所がまだ決まらない。
無認可でもどこでもいいから、とにかく入れるところにお願いするしかない。

やっと保育所が決まっても、そこは小さい子どものこと。
たびたび病気になって、保育所では預かってもらえません。
職場や同僚たちに気を遣いながら、我慢して我慢して、働いています。

永田町や霞ヶ関のエライ方々は、こういった庶民の暮らしを、
いったいどこまで正確に認識していらっしゃるのでしょうか。

マニフェストに掲げた高校の授業料無料化も実現するらしい。
これも前に書いたけど、そもそも高校は、勉強したい人が行くんでしょう?
進学したくても経済的にできない人たちにだけ援助すればいいんじゃないですか?
現行の奨学金制度を、もっと負担が少ない形にするだけではだめなのでしょうか。
高校に進学したところで、学校さぼって遊んでる学生もたくさんいるじゃない。
そういう生徒達にまで税金を使う必要はないと思います。
くどいけど、高校は、
「行きたくても行けない」ご家庭にだけ、援助すればいいと思う。

資産数億円の総理殿やその他のセンセイ方にとって、
保育料の数万円なんて、私たちの千円2千円の感覚なのでしょうね。
一般庶民が捻出に頭を悩ませるワクチン代の数千円なんて、
私たちが缶コーヒーを1本買うぐらいの感覚かもしれませんね。
その金銭感覚、カップ麺1個4百円とお答えになった前政権の総理殿と、
変わらないじゃありませんか。

子ども手当の財源を確保するために、扶養控除や配偶者控除はなくなるらしい。
では、子どものいない高齢者や専業主婦の家庭はどうなるのでしょうか。
これって、不公平じゃないですか?

お金はね、ばらまけばいいってもんじゃないんだよ。
使い方ってあるでしょう?
庶民を馬鹿にするなと言いたい。