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素敵な圧迫 呉勝浩

著者の本は2冊目。前に読んだ本がめちゃくちゃ面白かったし、本書刊行前から書評誌で取り上げられていたりで、大いに期待したが、まさに期待以上の面白さだった。短編5編が収められているが、とにかく文章の面白さ、どこに向かっていくのか先の読めない展開、アイデアの突飛さに翻弄され通しだった。特に印象に残ったのが「パノラマ・マシン」と「Vに捧げる行進」。前者は一見VRを揶揄したようなSFっぽい話、後者はコロナ禍の商店街で起こる奇妙な出来事の話だが、いずれも現代社会の不穏さが容赦なく表わされていて、読んでいて後世になって今の時代を最もよく表した小説、例えば後世になってカフカの「変身」と並び評されるような傑作なのではないかと思ってしまった。(「素敵な圧迫」 呉勝浩、角川書店)
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