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菜の花食堂のささやかな事件簿 人参は微笑む 碧野圭

長く続いていて本書が6冊目のシリーズ作品ということを知らずに本屋さんで見かけて買った一冊。これまでの出来事や登場人物間の関係などが分からなくてついていけるかどうか少し心配だったが、あまり問題なかった。食堂を営む店主とその従業員が日常のちょっとした謎を解き明かしていくという連作短編集で、題名通りその謎がとてもささやかで、事件とかミステリーと呼ぶのもためらわれるほど。色々な食材についての薀蓄が話の味付けになっているのと、大麻クッキー、コロナ、ヴィーガン、カスハラなど最近話題のキーワードをストーリーに取り入れているのが特徴的。大きな山場らしきものもなく淡々と読み終えてしまったが、シリーズをずっと読み続けている読者だと、登場人物への思い入れなどもできていて、別の読み方をしているのかなぁなどと考えてしまった。(「菜の花食堂のささやかな事件簿 人参は微笑む」 碧野圭、だいわ文庫)
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