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冬期限定ボンボンショコラ事件 米澤穂信

著者の代表作の1つ「小市民シリーズ」 の最新作。前作「秋期限定‥」が刊行されてから15年振りとのことで、その間にスピンオフ的な短編集があったとは言え、そんな前だったかなぁとちょっと意外な感じだ。主人公の高校生が受験前に交通事故に遭ってしまい、病院のベッドの上で中学生だった時に同じ場所であったひき逃げ事件のことを回想するという内容。主人公が被害にあった事故と昔のひき逃げ事件に関連があるのかどうかが大きな焦点なのだが、最後に解明される真相の意外さにはかなりびっくりだ。全体的に妙に描写が細かいなぁと感じた部分があったり、主人公の病院生活にちょっとした謎があったりして、それが単純な伏線ではなく本編の核心部分だったりして、とても新しいミステリーを読んだ気分になった。前作から15年振りの新作ということだし、主人公も高校を卒業してしまうし、シリーズ完結編という雰囲気は濃厚だが、どんな形でも良いので次の作品を是非期待したい。(「冬期限定ボンボンショコラ事件」 米澤穂信、創元推理文庫)
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