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MONEY 清水義範

今年になって読み始めた著者の本はこれで4冊目。本書は今のところその中でも最高傑作ではないかと思えるほど面白かった。お金にまつわる犯罪を扱った短編が8つ収められているがいずれも意表をつく内容。それぞれの短編には「東隆文の窃盗8600000」という具合に「犯罪者の名前+犯罪名+被害金額」という題名が付いているが、これにも色々な仕掛けがある。「森本鉄太のおれおれ詐欺10000」はどうして被害金額がこんなに小さいのか? 「ミスターXの誘拐2800000」はどうして金額が中途半端な金額なのか?読む前から謎があって、最後にそういうことだったかとわかるのも楽しい。本書は著者の代表作にはあげられていないようだが、それこそこの作家の作品が粒ぞろいであることを証明しているようだ。(「MONEY 」 清水義範、徳間文庫)
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