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アキレスと亀 清水義範

著者の本は3冊目。これまでに読んだ2冊もそうだったが、著者の本は結末の意外性とかが際立っているわけではないし、特に統一的なテーマがあるわけではないが、読んでいて単純に面白い短編が並んでいる。本書の特徴を強いてあげると、短編の大半が動物園職員の新年会、シャッター街になりつつある商店街の会合、飲み屋で隣席から聞こえてきた会話など、会議や対談、人と人との会話を文字におこしたような内容であることだ。いずれも「会議でこんなことを言い出す人って確かにいるなぁ」と思わず笑ってしまう話ばかりだ。まだまだ著者の未読の本が多いので嬉しい。(「アキレスと亀」 清水義範、廣済堂文庫)
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