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210日ぶりに帰ってきた奇跡のネコ 藤原博史

「飼っていたペットが居なくなったので探して欲しい」という依頼の電話があると、著者は依頼者のところに赴き、ペット探しを助ける。こうしたペット探しを専門にする日本でも珍しい「ペット探偵」の実録奮戦記。TVのドキュメンタリーで紹介されたり、ドラマ化されたりしていてかなり有名な探偵だで、自分も2回ほどドキュメンタリーとドラマで見たことがある。本書には10件ほどの実際の活動が紹介されているが、それぞれ色々なパターンがあって、一筋縄ではいかない大変な仕事だということがよくわかる。動物の種類による行動特性の違いやそのペットの性格などから居場所の範囲を狭めていく過程が結構スリリングだ。経験と勘と地道な努力で、見つけられる確率はネコの場合で約80%程度という。特殊な技術はあまり必要ないという記述があるが大したものだと率直に思う。なお、探偵作業とは別に、東日本大震災の時に、飼い主とはぐれた犬やネコに食事を置いて回るエピソードは感動的だった。(「210日ぶりに帰ってきた奇跡のネコ」 藤原博史、新潮社新書)
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