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殺人者がもう一人 若竹七海

一人の女性警察官が登場する連作短編集だが、第1編の途中でで「ええっ?」という予想外の展開にまずびっくり。その後の第2〜5編はバラエティに富んだ面白い作品が続き、最後の第6編目で信じられない結末に。登場人物が悪人ばかりで悪人の展覧会のようだ。悪人と言っても、悪事で快楽を得るタイプ、悪と知りつつ自分が守るべきと信じるもののために悪を厭わない確信犯、人の不幸を喜ぶ偽善者、悪と善の境が他人と違う悪人など、タイプは様々だが、本書を読んでいると、一番厄介なのは最後のタイプだなぁとつくづく思う。(「殺人者がもう一人」 若竹七海、光文社)

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