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物件探偵 乾くるみ

不動産売買を巡るミステリー短編集。不動産を購入しようとしている人、売却しようとしている人、それを仲介する不動産業者、それぞれの事情や思惑が交差しながら、話は進む。著者の初期の作品のようなあっと驚く仕掛けはないし、本格的な悪人や悲惨な事件もないが、ミステリーとしては文句なく面白い。さらに、読んでいて不動産売買の基礎知識や注意点が自然に習得できる気がして、少し得をした気分にもなれる。もし不動産の知識が豊富だったら、不動産物件の新聞チラシを見ているだけで色々面白いのかもしれないと思った。(「物件探偵」 乾くるみ、新潮社)

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