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麒麟の翼 東野圭吾

「新参者」に続く加賀恭一郎シリーズの最新作。「容疑者X」のようなあっと驚く仕掛けはないが、加賀恭一郎の地道な捜査によって少しずつ真相が見えてくるプロセスの面白さは変わらない。それと、「新参者」のような小さな謎解きはないが、細かい観察によって一つ一つの謎を明らかにしていく緻密さも期待通りだ。この2つを満喫できるのがこのシリーズの醍醐味だ。なお、「新参者」を読んだ後、日本橋周辺を歩く機会が2度ほどあった。また、本書の舞台として「水天宮」がでてくるが、先日、日本コカ・コーラ社が催したイベントに参加した際、その最寄り駅が「水天宮」だったので初めて見物してきた。両方とも偶然のことだが何だか嬉しい。加賀恭一郎シリーズの楽しさはその舞台である日本橋界隈の雰囲気を興味深く伝えてくれていることにもあると思う。転勤の多い「加賀恭一郎」だが、しばらくはこのあたりにとどまっていて欲しいと思う一方、できれば私の地元である「横浜」あたりに異動してきて欲しい気がする。全国で、「加賀恭一郎」誘致運動が起こるのではないか。(「麒麟の翼」 東野圭吾、講談社)

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