燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

体重が減った?

2015-07-17 | 養生訓

今回も「賢く選ぶ百歳長寿の養生訓」からお届けします。

本題の前にメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」もよろしくお願いします。

ダイエットやエクササイズなどの意図した減量をおこなっていない場合の体重減少はなんらかの病気が原因となっていることがあります。ベルトの穴の位置が変化していませんか? あるいは、ひさしぶりに会う知人に「痩せたの?」と聞かれて気付くこともあります。徐々に体重が減っていくと、毎日顔を合わせている家族や職場の同僚には気付かれないこともあります。

体重減少へのアプローチを下記に示します。

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step 1:6ヶ月で5%以上(または5キロ以上)の体重減少があるか?

   ない場合→「有意な」体重減少ではないので無症状なら様子観察

   ある場合(または他の症状がある場合)→step 2 へ

step 2:それは意図したものか?

   はい→ダイエット、神経性食思不振症などの摂食障害

   いいえ→step 3 へ

step 3:食欲はあるか?

   ある→甲状腺機能亢進症、糖尿病、吸収不良症候群、歯科・口腔内疾 

       患、嚥下障害、寄生虫、

   ない→step 4 へ

step 4:病態生理は?

   悪性腫瘍:各種がん

   精神疾患:うつ病、認知症

   消化器:潰瘍、慢性膵炎、炎症性腸疾患

   腎:尿毒症

   肺:慢性閉塞性肺疾患

   心:慢性心不全

   内分泌:副腎不全、高カルシウム血症

   外因性:薬剤、アルコール

   感染症:HIV、結核、慢性肺炎、膿胸

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では、「賢く選ぶ百歳長寿の養生訓」より、体重減少についてみてみましょう。

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第1条:体重減少をまず認識することが重要。常日頃体重変化をチェックする。

第2条:食欲はあるか?

第3条:近年の高齢社会においては、医学的原因の他に社会経済的問題も考慮すること。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回は以上です、話変わって、台風11号は四国に上陸し西日本を縦断して日本海へ進んでますが、相当な大雨だったようです、被害にあわれた方にはお見舞い申し上げます、まだまだ雨は続いているようなので十分お気をつけ下さい、では次回に。

臨床推論の総論ルールが1時間で完全理解できる、

「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」こちらもお願いします。

ドクター徳田安春の養生訓―元気な100歳をめざせ
徳田安春
西村書店

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